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第78話 ワイバーンさんのお肉は旨味たっぷりですわ!

コミカライズ、本日6/26更新されています!


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「岩山の頂。意外と、広いですわね……」


 ワタクシ達は、ついにワイバーンさんのいらっしゃる岩山の頂にまでたどり着きましたわ。


 思っていたよりも平らで広い土地が広がっていますわ。


「見つけた、あそこだよ」


 ユクシーさんが指さす先。大きな木の陰に、鳥の巣のようなものがありましたわ。ただし、大きさが鳥の巣とは桁違いに大きくて、中に丸ごと一軒家が建ちそうなほどですわ。


「ワイバーンさんは、今はいらっしゃらないようですわね」


「そうだね。また水を飲みに行っているのか、それとも餌をとりに行っているのか。どっちにしても、今のうちに作戦を考えないとだね」


「正面から襲いかかっても、また前の時のように逃げられるだけですわ」


「うん。警戒心が強いみたいだし、逃したら最悪の場合巣を別の場所に変えるかもしれないね」


「それは困りますわね。そんなことになったら、これまでの苦労が全て水の泡ですわ!」


 なんとしても、確実に仕留めませんと。


「それでね。私に案があるんだけど……」


 ユクシーさんが私に耳打ちしますわ。


「……なるほど、それは良い案ですわね。それでいきましょう」


 数時間後。


「来ましたわ!」


 ワイバーンさんの気配が近づいてくるのを感じましたわ。


 計画通り、ワタクシとユクシーさんはワイバーンさんの巣から少し離れたところにある岩陰に隠れますわ。


 ここがワイバーンさんに気づかれないギリギリの距離。


 そして、ここからではとてもワタクシのプチファイアは届きませんわ。


「きたよ……!」


 ユクシーさんが声をひそめて言いますわ。


 ワイバーンさんがゆっくりと巣の隣に着陸しようとしますわ。


 足が地面を踏み締める、その瞬間。


“ズボッ”


足元の地面が、急に陥没しますわ。


「やった、うまく作動した!」


 ユクシーさんが、錬金術を応用して作った罠ですわ。


 地面を、表面をそのままに中身をスカスカにしておいたのですわ。そこに着地すると、体重で一気に地面が抜けるという仕組みですわ。


 狙い通り、下半身が地面にうまっていますわ。


「初めてだったけど、うまく行ってよかった……!」


 ワタクシとユクシーさんは走り出しますわ。


「まだまだ、次行くよ! シャーロットお姉さん! 例のものを頂戴!」


「ハイですわ!」


 ワタクシ、アイテムボックスから小さな塊を取り出してユクシーさんに渡しますわ。


「えーい!」


 ユクシーさんが小さな塊を投げますわ。そして、ワイバーンさんの鼻先で破裂。ユクシーさんお手製の閃光弾。錬金術のギフトで作った材料を使ったものですわ。


“ギャオオオオオォ!”


 ワイバーンさんの動きが止まりますわ。その間に、ワタクシとユクシーさんは距離を詰めますわ。あと、ほんの数メートルでワタクシの魔法の射程距離ですわ。


 ……しかし。


”ギャオォ!”


 ワイバーンさん、閃光弾の衝撃から復活しましたわ。翼を大きくはためかせて、落とし穴から脱出しますわ。


「ええ、もう動けるの!? 思ったより立ち直りが早い!」


「どうしましょう、ユクシーさん」


 まだワタクシの魔法の射程外。困りましたわ。


「【錬金術】発動!」


 ユクシーさんが鎖を作り出して、ワイバーンさんの足に引っ掛けますわ。


「逃がさないよ!」


 全身を使って、思い切り鎖を引きますわ。


 決して、ユクシーさんの小さい体ではワイバーンさんの巨体を引き寄せることはできませんわ。


 ですけれども、バランスを崩した様子。空中で翼をばたつかせて、姿勢を戻そうと必死ですわ。


「はい、シャーロットお姉さんも引っ張って!」


 ユクシーさん、ワタクシに鎖の一部を手渡しますわ。


 協力している以上、もちろんワタクシもできることはなんでもお手伝いしますわ。


 ただ、ワタクシの細腕で引っ張ったところで、足しになるかはわかりませんけれども……


「せーの。ですわ」


“ビターン! ズザザザザザ!”


 ワイバーンさん、地面に叩きつけられましたわ。それどころか、ワタクシたちの方へ勢いよく地面を滑ってきましたわ。


「さすがシャーロットお姉さん、凄いパワー!」


 ユクシーさん、なんだか喜んでいらっしゃいますわ。


 誤解です、誤解ですのよユクシーさん。


 ワタクシが引っ張ったことでたまたまワイバーンさんが飛行のバランスを崩して、自分の翼の力で自分を地面に叩きつけてしまっただけですのよ?


 ワタクシ、ついていますわ。


 何はともあれ、これはワイバーンさんを食べるビッグチャンス。


「プチファイアですわ!」


 ワタクシは魔法を放ちましたわ。


 そしてできあがったお料理は……


「シチューですわ!」


 大きなお皿に入った赤ワイン煮込みのシチュー。とっても良い香りですわ!


「さぁ、早速召し上がりましょうユクシーさん!」


 ワタクシは、テーブルと椅子を並べて急いで支度を整えますわ。


 早く、早くこのシチューを食べたくて仕方ないのですわ!


「「いただきます!!」」


 早速ワタクシ、ワイバーンのお肉を口に運びますわ。


「なんて歯ごたえのあるお肉……!」


 ワタクシ、なぜ今回のお料理がシチューだったのか理解できましたわ。


 焼いただけではワイバーンさんのお肉は硬すぎて食べられないのですわ。


 じっくりとシチューにして煮込むことで、柔らかくなって食べられるようになるのですわ。


「牛のすね肉の旨味を更に濃縮したような味ですわ!」


 牛のすね肉というのは、とても硬くて筋張っていて、その分旨味がたっぷり詰まっているお肉なのですわ。


 このワイバーンさんのお肉は、更に硬くて旨味がギッチギチに詰まっていますの。


 噛めば噛むほど、旨味が出てくるのですわ。


 と言うよりも……


「旨味が、無限に出てきますわ……!」


 お肉を何度噛んでも、旨味が一向に減らないのですわ。


 このシチューの旨味は、牛のお肉に換算すれば一体牛何頭分の旨味になるのか。想像もつきませんわ~!


「天にも昇る心地ですわ~」


 パクパクですわ!


「今回も大変美味でしたわ……!」


 たった1皿ですけれども、歯ごたえたっぷりのお肉だったからか、高級レストランのフルコースを2周したかのような満足感ですわ。


『ボスクラスモンスターを食べたことによりレベルが5上がりました』

『レッドワイバーン捕食ボーナス。魔法“フレアウイング・アークナイツ”を修得しました』


 そしていつもの耳鳴りですわ。


「今回のお料理は格別だね! 経験値もまた沢山もらえたよ! 3レベルも上がっちゃった!」


「ええ。格別の美味しさでしたわね」


 ユクシーさんも満足のようですわ。


 ユクシーさんのレベルが3上がったと言うことは……


 大体、ワタクシの半分程度レベルが上がるということでしょうか?


 先ほどのポップバルーンで0.5レベルがたまっていたとすれば、今回の2.5を合わせて一気に3レベルアップ。計算は合いますわ。


 もっとも、”レベル”というのがなんなのかわからないのですけれども……。


「さて、せっかく魔法を覚えたので試してみたいですわ」


 ちょうど、近くに巨大なトカゲのようなモンスターさんがいるのを見つけましたわ。大きさはワタクシよりもずっと大きいですわ。実験台としてふさわしいサイズですわね。


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― 新着の感想 ―
[一言] ん?巨大なトカゲ?
[良い点] 楽しく読ませていただいております。 [気になる点] 気になった点がありましたのでご報告です。 レベルの意味が判っていないのならば レベルが上がるのではなく (数が)増えるという認識になるの…
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