第77話 ポップバルーンさんは甘くて美味しいですわ!
遅くなりましたが、6/19コミカライズ更新されています!
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「あれはポップバルーンっていうモンスターでね、敵が近づくと自爆するんだ」
ユクシーさんが教えてくださいますわ。
「身を守るため……でしょうか? でも自分もろとも爆発してしまっては、意味がないのではありませんこと?」
「ううん、あるんだ。外敵に『あのモンスターさんを食べようとすると痛い目に遭うぞ』って見せつけることで、仲間が外敵に狙われないようになるんだ」
「なるほど。近づくだけで爆発すると知ってしまうと、もう捕まえようとは思いませんものね」
食べると毒のあるモンスターさんと同じですわね。
ですけれども。
“ぐうううううぅ”
それを聞いてますます、ワタクシお腹が空きましたわ。手に入らないものほど、美味しく見えるものなのですわ。
もとより、ワタクシは
・虫モンスターさん
・ネズミなどの雑菌を持っている可能性が高い不潔なモンスターさん
・人型モンスターさん
・人の言葉を喋る知性あるモンスターさん
・無機物モンスターさん
以外のこの大陸のモンスター全てをコンプリートするつもりですもの。
ここであのあのモンスターさんを食べるのを諦めたら、二度と夢には辿り着けませんわ。
「ワタクシ、なんとしてもあのモンスターさんを食べてみたくなりましたわ!」
「さすがシャーロットお姉さんだね! もちろん私も協力するよ! 一緒に美味しいお昼ご飯食べようね」
「「えい、えい、おー!」」
早速作戦会議ですわ。
「まず、超スピードと飛び道具を使って、気づかれる前に倒すっていうのはどうだろう?」
ユクシーさん、その場でジャンプして準備運動を始めましたわ。
”トーン、トーン、トーン”
その場で何度かジャンプして。次の瞬間、
“ビュンっ”
目にも止まらぬ速さで、ユクシーさんが駆けていきましたわ
「やぁ!」
ハンマーを投げて、正確に頭を狙いますけれど。
”ボン!”
爆発してしまいましたわ。
「あっちゃあ……ダメだったよ……」
「中々うまくいかないものですわね」
ユクシーさんのあのスピードでも駄目ならば。
「こっそり近づくしかないですわね。”ステルス”ですわ」
「あ、無人島で見たシャーロットお姉さんの透明になる魔法だ」
そーっと、そーっと近づいて。
後もう少し。というところで。
“バキッ“
足元で変な音がしましたわ。見ると、ワタクシ木の枝を踏んでいましたわ。
当然、ポップバルーンさんもワタクシに気付いたようで。
“ボンッ!”
爆発しましたわ!
「ゲホっゲホっ!」
爆発の衝撃は大したことないのですけれども、煙たいですわ〜!
「普通は身体がバラバラになるくらいの威力があるはずなんだけど、シャーロットお姉さんならへっちゃらだね!」
などとユクシーさんがよくわからないことをおっしゃっていましたわ。
それからワタクシたちは、色々試しましたわ。
パラライズの麻痺の粉を使って、遠くから麻痺させてみたり。
【錬金術】のギフトを使って、毒入りの餌を用意してみたり。ワイヤートラップを仕掛けてみたり。
しかし。
「失敗ですわ~!」
「失敗しちゃったね……」
どれも、うまくいきませんでしたわ。
「そうですわ、あの魔法を試してみますわ」
あまり使い道がなくて、存在を忘れかけていたあの魔法。いまこそ、あれの使い時かもしれませんわ。
「”タイムストップ”ですわ」
発動した瞬間、ワタクシ以外のものが全て停止しますわ。当然、ポップバルーンさんも。
「この状態で近づいてーー」
ワタクシ、駆け足で近づきますわ。そして、
「”プチファイア”ですわ」
時間を止めてしまえば、気づかれずに近づくことができますわ。
タイムストップにこんな使い道があったなんて。
ワタクシ、賢いですわ!
プチファイアで焼かれたモンスターさんはお料理になりましたわ!
これは……
「スフレパンケーキ、ですの?」
予想外の物が出てきましたわね……。
色はポップバルーンさんと同じく赤色ですけれども。そのほかはまるきりスフレパンケーキですわ。
「パンケーキの材料の卵も小麦粉もありませんのに。不思議ですわ……」
ここで魔法の効果時間は終了し、時間が動き出しますわ。
「ユクシーさん、”ポップバルーン”を倒しましたわよ!」
「あれ? シャーロットさん、いつの間にそんなところに? それに、いつモンスターを倒したの? 全然見えなかった……」
「ワタクシ、少しの間魔法で時間を止めましたの」
「じ、時間をとめた……!?」
ユクシーさん、口を開けて驚いていますわ。
「冗談、だよね……? いやでも、時間停止以外に今の瞬間移動は説明つかない……?? シャーロットお姉さんがすごいのは知ってたけど、まさか時間を止められるなんて。本当にすごいよ!」
ユクシーさん、はしゃいでらっしゃいますわ。そんなに時間停止の魔法は珍しいのですわね。
魔法の素人のワタクシが使えるくらいですのでそんなに大した魔法ではないと思っていたのですけれども、意外ですわ。
「そんなことよりも、冷めないうちにいただきましょう」
ワタクシはテーブルと椅子を出して、上にお皿を並べますわ。
今回ももちろん、ユクシーさんの分のお料理も出現しましたわ。
「「頂きます!」」
口に運ぶと、
”ふわあああああああぁ!”
とっても柔らかな食感が口に広がりますわ!
スフレパンケーキどころではありませんわ。もっと柔らかな、まるで雲でも食べているかのような気分ですわ。
フワフワですわ!
それでいてしっとりしていて、食感だけでもう大満足ですわ!
「それにこの甘み……まるでハチミツですわ」
スフレパンケーキとは違って、生地にしっかりとした甘みがありますわ。
「きっと、ポップバルーンが花の蜜を主食にしているからそれの影響で甘いんだよ」
と、ユクシーさんが花に群がっているポップバルーンさんを指さしますわ。
超ふわふわの食感としっかりとした甘み。堪りませんわ!
パクパクですわ!
『モンスターを食べたことによりレベルが上がりました』
『ポップバルーン捕食ボーナス。魔法“エクスプロージョン”を修得しました』
今回の魔法は、名前からして爆発を起こすものでしょう。
「……そうですわ、ワタクシいいことを考えましたわ。”エクスプロージョン”ですわ!」
ワタクシ、斜め上方向に向けて魔法を撃ちますわ。
”ドカアアアアァン!”
爆発が起きて、洞窟の壁に大きな穴が開きますわ。
「こうして、岩山に穴を開けていけば楽に登れるのでは? 次に来る時にも同じ道が使えますし」
「シャーロットお姉さん、発想が大胆だなぁ……」
しかし空いた穴を見ると、岩の残骸がゴロゴロ転がっていてとても歩きづらいですわ。
「いい案だと思ったのですけれども、これでは歩くのは無理そうですわね」
「いや、大丈夫だよ。私に任せて」
ユクシーさん、腰のハンマーを抜いて地面に叩きつけますわ。
「錬金術、発動!」
すると、凸凹だった地面が平らになっていきますわ。
「錬金術は、物質を同系統の物質に変化させるギフト。応用して、ものの形をある程度変えることもできるんだ」
みるみるうちに、岩山の中に階段ができていきますわ。
「それに、シャーロットさんのおかげでレベルが上がって、規模の大きい錬金術も使えるようになったよ。さぁ、行こう」
なんでワタクシのおかげなのでしょう?
まぁそれはさておき、ワイバーンさんの所へ向かいましょう。
ワタクシたちは、岩山に穴を開けてどんどん進んでいきますわ。
「快適ですわ~!」
「快適だね、シャーロットお姉さん」
ワタクシ達が通った後には、舗装された道が出来ていますわ。
これでもう一度来る時はかなり楽になりますわ!
……そしていよいよ、ワイバーンさんの巣がある岩山の最上部に辿り着きましたわ。
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