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第48話 急に三次試験が始まりましたわ

「これより第三次試験を開始する!」


 一次試験と二次試験の翌日。


 ワタクシは再びミウンゼルの街の冒険者ギルドに来ていましたわ。


「私が三次試験の担当官ロードリックだ」


 今日の試験官さんは、メガネの男性ですわ。


「君たちには、今から船に乗って冒険者ギルドが管理している無人島へと移動してもらう。ついて来てくれ。それと、試験会場へは食料の持ち込みは禁止だ」


 なんですってー!?


「では、このランチのために買ったこのサンドイッチは……」


「持ち込めない。悪いが、あそこにあるゴミ箱に捨ててからついて来てくれ。さぁ、行くぞ」


 そう言って試験官さんは他の受験生を引き連れていってしまいましたわ。


 捨てろだなんてそんなご無体な……。


「うう、残念ですわ……。美味しく食べてあげられなくてごめんなさいですわ」


 ワタクシはサンドイッチを取り出して。


 食べましたわ。


 持ち込み禁止なら、今食べてしまえばいいのですわ。


 本当なら、お腹が空いてからもっとおいしくいただきたかったのですわ。


 急いでパクパクですわ。


「お待ちになってくださいまし~」


 ワタクシは早足で試験官さんと他の受験生を追いかけますわ。


――連れてこられたのは、港。


 お世辞にも新しいとは言えない船が留まっていますわ。


「さて、君たちには今からこの船に乗ってもらうのだが。その前に、手に持っている荷物や武器は全て冒険者ギルドで預かろう。上着も預けてくれ。安心してくれ、預かった荷物は別の船で無人島へと運んでおく」


 皆さん、不思議そうな顔をしながら言われた通りに試験補佐官さん達に預けていきますわ。


 そしていよいよ、全員船に乗り込んでいきますわ。


「全員乗ったな? それでは、出発だ」


 そうして船はいよいよ港を離れ、遠くにかすかに見える島へと向かって動き始めましたわ。


 ――しばらくして。


「目的地の島が近づいてきましたわね~」


 ワタクシは船旅を満喫していましたわ。


 お屋敷にいたころに何度か乗ったことはありますけれども。ワタクシ、船に乗るのは好きですわ。


 一面に広がる海も、潮風も好きですわ。


「シャーロットさん、私船に乗るのって初めてです! 楽しい!」


 船の上で合流したユクシーさんは、ずっとはしゃいでらっしゃいますわ。とても微笑ましいですわ。


「遂に、あの島にたどり着けるんだ。私は、必ず……!」


 ただしときおり目的地の島の方を見て、真剣そうな顔をしていますわ。なにか、ユクシーさんにとって大切なものがあの島にはあるのかしら?


 等と考えていると、試験官のロードリックさんが船の舳先に現れましたわ。


 まだ島までは随分離れていますわ。一体何のお話でしょうか?


「分かりましたわ、きっとティータイムのお知らせですわ」


 せっかく船に乗っているんですもの。お茶でも飲んで楽しまないと勿体ないですわ~。


「ただ今より三次試験を開始する!」


 えっ


「1分後、この船は沈没する!」


 ええ?


「5キロ離れたあの島に自力でたどり着くこと、それが第三次試験の内容だ!」


 ええええええ!?


「この辺りの海域には人を襲う水棲モンスターは生息していない。また、周囲にはレスキュー部隊もいる。泳ぎつくのが無理だと思ったら、助けを求めてくれ。もちろん、試験は不合格となるが。……それでは、試験開始だ。君たちの健闘を祈る」


 そして、船が真っ二つに折れて沈み始めましたわ。


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― 新着の感想 ―
 いや、別に沈ませなくても海に放り込めば……というか、「試験だからここから島まで泳げ」で良いんでないかい?
[一言] 「そして、船が真っ二つに折れて沈み始めましたわ。」 全員で船から海に飛び込んで貰うだけでいいと思う。
[一言] 人を襲うモンスター…既に出会ってたやつかな? しかも、シャーロットにはバブルの魔法があるから海中散歩が可能だ…
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