第37話 お祭りの邪魔をするモンスターさんと戦いますわ
温かいお気遣いのコメントありがとうございます!
熱も下がりほぼほぼコロナから快復しました!
「お祭りの邪魔はさせませんわー!」
ワタクシ、お祭りを邪魔するモンスターさんが吐いた火の玉を手で弾きましたわ。
いくらモンスターさんの攻撃が見掛け倒しとはいえ、家に燃え移って火事になったらお祭りが中止になるかもしれませんもの。
これでお祭りの中止はまぬがれましたわ。
でも。
手が熱いですわーー!
台所につまみ食いしに行ったとき、素手でうっかりお鍋を触ってしまった時くらい熱いですわ!
こんなことなら、マリーからミトンを借りてくるべきでしたわ。
火傷はしていないですけれど、もうこれ以上素手であの火の玉を触りたくないですわー!
『ゴアアァ!』
などと考えていたらまたモンスターさんが火の玉を撃ってきましたわー!
どれだけお祭りを邪魔したいんですのー!?
「もう許しませんわ。“プチファイア”ですわ!」
ワタクシとモンスターさんの火がぶつかり合って、小さな爆発が起きますわ。辺りに熱風が吹きますわ。
「……暑いですわ……」
余りの暑さに、ワタクシ額に汗をかいてしまいましたわ。ハンカチでぬぐって、と。
『ゴアアァ!』
モンスターさんがまた飽きもせずに火の玉を飛ばしてきますわ。
火の魔法で打ち消すと、熱風が吹いて熱かったですわ。
だったら……
「“プチアイス”ですわ!」
氷の魔法で
打ち消しますわ
今度は熱くないですわ
綺麗さっぱり打ち消し合いますわ
「嘘だろ、属性相性不利な氷魔法でワイバーンのブレスを打ち消しただって!?」
見ていたどなたが大声を上げますわ。
“ぞくせいあいしょう”ってなんでしょう……?
それからなんどかモンスターさんとワタクシは撃ち合いましたわ。
『ゴア、ゴホッゴホッ!』
モンスターさんが火の玉を吐き出そうとして、咳き込みましたわ。
どうやら、火の玉の吐き過ぎで喉が潰れてしまったみたいですわ。
「チャンスですわ! お覚悟あそばせ、山盛りステーキにして差し上げますわ! プチファイーー」
“バサッ”
突然モンスターさんがワタクシに背を向けて、飛びましたわ。
「ま、まさか逃げるつもりですの!?」
コレは予想外でしたわ。
今ならまだワタクシの魔法で撃ち落とせますけれど――
「人の家の上に大量のステーキを降らせてしまうことになりますわ。そんなことをするわけには行きませんわ……」
あっという間にモンスターさんはワタクシの魔法の届かないところへ行ってしまいましたわ。
今から馬車を捕まえて追いかけても、追いつけませんわ……。
あの大きな赤いモンスターさんのお肉も食べたかったのですわ……。
ワタクシ、とっても悔しいですわ~!
近いうち!
必ず!
あのモンスターさんの棲家を突き止めて、逃げる間も無く魔法を当てて見せますわ!
……さて。
それは一旦置いておきまして
今はお祭りを楽しみますわー!
「お嬢様、怪我は無いッスか!?」
離れていたところから見守ってくれていたマリーとも合流できましたわ。
「もちろんよ。さぁマリー、一緒に思いっきりお祭りを楽しみますわよ!」
「了解ッス!」
こうして、ワタクシは初めてのお祭りに参加したのですけれど――
もう最っっっっ高に楽しいですわ!
愉快な音楽。
いつもは食べられない珍しい食べ物や異国の料理。
特に、馬上試合を観戦しながらの牛肉串焼きは格別でしたわ。
そしてこのカラフルな異国のお菓子で……
「お祭りの料理、全種類コンプリートですわ~!」
ワタクシ、大満足ですわ!
やはりコンプリートというのは気分がいいものですわ!
いつかこの世のすべてのモンスターさんも食べてコンプリートしてみたいですわ~。








