第36話 年に一度のお祭り、モンスターに妨害される
コロナ陽性になってしまいました!!
もう熱は引いたのですが、まだフルコンディションというわけにはいかず……
しばらく投稿ペース遅めになるかと思います!
よろしくお願いします!
街の大通りは、パニックになっていた。
赤い巨体のモンスターが、大通りを闊歩していた。
レッドワイバーン。高い飛行能力を持ち、炎のブレスを吐く竜の亜種である。
祭りの飾りつけがされた大通りを、我が物顔で歩いている。
祭りに参加しに来た市民が逃げるが、通りは参加者で埋め尽くされていて避難は上手く進まない。
「このまま露店が並んでる中央広場の方に行ったら、大変なことになるぞ!」
「させるかよ!」
話を聞きつけた冒険者たちが武器を手に駆け付けた。
「喰らいやがれ!」
剣士たちが、レッドワイバーンの尻尾に振り下ろしの一撃を見舞う。
建物の屋根から、弓使い達が一斉に胴へと矢を放つ。
魔法使い達は建物の隙間から麻痺魔法や呪詛魔法を使って、レッドワイバーンの動きを阻害しようとする。
だが、
『グオオオオオ!』
全て、レッドワイバーンの前では無力だった。
剣士達の斬撃も弓使い達の矢も、大したダメージを与えられていない。魔法も、レッドワイバーンの動きを鈍らせはしたが、動きを完全に止めるには到底足りない。
レッドワイバーンが大きく息を吸い込む。レッドワイバーンの喉が、赤く輝き始める。通りの冒険者たちの背筋に、凍るような寒気が走る。
「全員逃げろ! レッドワイバーンのブレスが来るぞ!」
街の住人も冒険者たちもその場から逃げようとする。だが、大通りに集まった人が多すぎて、とても全員逃げ切れない。
「「「俺たちに任せろ!」」」
現れたのは、3人の冒険者。1人は重厚なタワーシールドを持っている。
「ユーグ3兄弟だ! 鉄壁の守りで有名な、あの3兄弟が来てくれたぞ!」
冒険者の1人が歓喜の声を上げる。
「受け取ってくれ、兄ちゃん! ギフト発動、“精霊の加護”!」
ユーグ3兄弟の3男が、長男の持つタワーシールドに向かってギフトを発動する。タワーシールドに、眩い光が宿る。
「ギフト発動、“オーバーパワー”!」
続いて大柄な次男がギフトを発動。筋肉が膨れ上がる。そして、長男の背中に回り、長男が持つタワーシールドを一緒に支える。
「俺も行くぜ! ギフト発動“シールドフォース”!」
そして長男がギフトを発動。タワーシールドが、倍の大きさに巨大化する。
「アダマンタイトを混ぜ込んだ俺の最高級タワーシールドを、三男の“精霊の加護”で防御力ブーストして、“オーバーパワー”で筋力アップした次男と一緒に支える。そして、俺の“シールドフォース”で防御力を倍にする。これが俺たちユーグ3兄弟の鉄壁フォーメーションだ。グランドボアの突進だって正面から受け止めて見せるぜ! 来やがれ、レッドワイバーン!」
レッドワイバーンの喉の光が最大にまで達する。
そして
『ゴアアァ!』
レッドワイバーンの口から、火球が放たれる。
大きさは、酒樽ほどとそこまで大きくはない。しかしその中には、レンガ造りの家一軒を一瞬で焼き払うほどのエネルギーが詰まっている。
「「「うおおおおお!!」」」
3兄弟の盾に火球が衝突。3兄弟は全力で踏ん張るが――
「「「ぐあああああああぁ!」」」
吹き飛ばされてしまう。
タワーシールドも熱で真っ赤になっていて、後少しでも炎攻撃を受ければとけて壊れるのは誰の目にも明らかだった。
レッドワイバーンの喉が再び輝く。そして、火球が放たれる。
その場にいた誰もが『もうだめだ』と絶望した時――
「お祭りの邪魔はさせませんわー!」
路地から飛び出してきたシャーロットが“素手で”火球を弾き、空へと打ち上げた。








