第3話 狼さんのステーキを頂きますわ
この話から結構短編版と変わってきます!
「狼モンスターって、食べたら美味しいのかしら……?」
ワタクシは、ずっと腕にガジガジと甘噛み(痛くはありませんの)する狼さんを見ているうちに、ふとそんな悪いことを思いついてしまいましたわ。
「いけませんわ、じゃれついてくる無邪気なモンスターを倒して食べるなんてそんなこと」
ワタクシにそんな野蛮なことが出来るはずが――
「“プチファイア”!」
できましたわ。
『狼さんのお肉は、スライムさんのシャーベットより美味しいかも知れないわ』という考えが頭をよぎった瞬間、身体が勝手に動いていましたわ。
「それにしてもワタクシの“プチファイア”、さっきから段々大きくなっているような……?」
ワタクシのそんなささやかな疑問は、炎の中から現れたお肉を目にした瞬間に消し飛びましたわ。
「Tボーンステーキですわー!」
ワタクシさっき、『シャーベットでお腹いっぱいですわ。もう食べられませんわ』と言いましたかしら?
嘘ですわ!
お肉の美味しそうな匂いを嗅いだら、食欲がとめどなくあふれてきますわ~!
「いただきますわ!」
お肉を急いで切り分けて口に運ぶと――。
「~~~~!!」
さっきのスライムさんが“思わず叫んでしまうほどおいしい”なら、今度は“声も出ないほどおいしい”ですわ!
侯爵家にいたころに食べた、敏腕シェフの作ったサーロインステーキよりもジューシーで、それでいて脂っこすぎないですわ!
パクパクですわ!
『モンスターを食べたことによりレベルが上がりました』
『ドレッドウルフ捕食ボーナス。常時発動スキル“索敵”を取得しました』
今度の耳鳴りは新しく“索敵”という言葉が出てきましたわ。なんですのこれ~!?
「……あら? なんでしょう、モンスターの足音というか、気配がわかりますわ」
数十メートルほど先でしょうか? 夕方になって薄暗い森の中を、いくつかの気配が動き回っているのが分かりますわ。
「ワタクシ、耳が良くなったのかしら? 美味しいお肉の力って凄いですわ~」
動き方からして、きっとさっきの狼さんですわ。
「でも今日はもうシャーベットを沢山とステーキを食べたから、もうこれ以上は食べられ……食べられ……あとステーキ1皿だけにしておきますわ!」
結局5皿食べましたわ。
美味しすぎて歯止めが効きませんでしたわ~!
気付いたのですが、モンスターのお肉は、いくら食べても限界が来ないようですわ。満足感はあるのですが、いくらでも食べれてしまいますわ。
これもギフト【モンスターイーター】の力なのでしょうか、不思議ですわ~。
『モンスターを食べたことによりレベルが上がりました』
『ドレッドウルフ捕食ボーナス。常時発動スキル“索敵”が“索敵LV2”に進化しました』
『モンスターを食べたことによりレベルが上がりました』
『ドレッドウルフ捕食ボーナス。常時発動スキル“索敵”が“索敵LV3”に――――
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――――
――
『モンスターを食べたことによりレベルが上がりました』
『ドレッドウルフ捕食ボーナス。常時発動スキル“索敵”が“索敵LV6”に進化しました』
ちなみに一度だけ、実験で“プチアイス”を使って狼さんを倒したのですが、何も料理は現れませんでしたわ。
お肉を凍らせて作る料理なんて、ありませんものね……。
悲しかったですわ……。
しょんぼりですわ……。
「あら? 何か変わったモンスターの気配がしますわ」
狼さんのお肉を食べているうちに、ワタクシどんどん耳が良くなりましたの。いまでは1キロ離れててもモンスターの気配が分かるようになりましたわ。
そして、狼さんともスライムさんとも違う、変わったモンスターの気配を察知しましたの。
「……どうしましょう、折角ですし会いに行きましょうかしら……?」
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現時点でのシャーロットのステータス
シャーロット・ネイビー
LV:28
HP:28/28
MP:23/44
筋力:23
魔力:36
防御力:29(+ボーナス105)
敏捷:19
スキル
〇索敵LV6
使用可能魔法
〇プチファイア
〇プチアイス
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