第28話 魚モンスターさん捕獲作戦ですわ
「広いですわ〜」
ワタクシ、湖にやってきましたわ。
いよいよ水棲モンスターさんを頂きますわ。
「水棲モンスターさんを食べるのは初めてですわ。楽しみですわ〜。“プチファイア”ですわ! ……あら?」
ワタクシ湖の中のモンスターさんの気配に向けて魔法を放ったのですが、水に阻まれて魔法が届きませんわ。
「むむむ……」
「モンスターさんがすぐそこにいるのがわかっているのに、もどかしいですわ」
どうしたものでしょう……。
と、その時。
近くの茂みから、バッタモンスターさんが飛び出してきましたわ。
気配でいるのはわかっていましたけれども、特に気にしていませんでしたわ。あまりに小さいですし、襲ってくる様子もなかったですもの。
「そうだ、いいことを思いつきましたわ」
……念のために申しておきますけど、食べるわけではありませんわよ?
ワタクシなんでも好き嫌いなく食べる方なのですが、バッタは食べませんわ…
ワタクシ、
・虫モンスターさん
・ネズミなどの雑菌を持っている可能性が高い不潔なモンスターさん
・人型モンスターさん
・人の言葉を喋る知性あるモンスターさん
・無機物モンスター
は食べないと決めていますわ。
……逆に、コレ以外のモンスターさんは全部食べてみたいと思っていますわ。
目指せコンプリート、ですわ。
ちなみに後で知ったのですけれども、以前墓地で遭遇した石像モンスターさんはガーゴイルという名前で、石に見えますけれども実は肉質が硬いだけで石ではないそうなのですわ。
次に会った時は食べてみたいですわ〜。
どんな魔法なら調理できるか、ワクワクしながら考えていますわ。
さて話を戻しまして。
ワタクシ、目の前のこのバッタモンスターさんを食べるつもりはありませんわ。
このバッタモンスターを餌に、釣りをするつもりなのですわ。
お父様は狩が好きでしたけれど、同じくらい釣りも好きでしたの。ワタクシもよく付き合わされていましたわ。
避暑地にある別荘の隣にはネイビー侯爵家専用の釣り用の池があったくらいですわ。
ですから、一通りのやり方はわかりますわ。
「こんなこともあろうかとワタクシ、雑貨屋さんで買った釣竿を例の不思議な穴に入れて持って来たのですわ〜」
「“プチアイス”ですわ」
まずは氷魔法でバッタモンスターさんを倒しますわ。
そして、残ったバッタモンスターさんの素材を釣り針につけて行きますわ。
なるべくバッタモンスターさんに触りたくないですわ。指先で針を持って、バッタに触らないようにしながら引っ掛けて……。
できましたわ!
そして次に餌を投げ込むポイントを決めるのですけれども……。
気配でモンスターさんの居場所がわかるの、とっても便利ですわ〜。
魚釣りで一番苦労するポイントは、魚がどこにいるか見定めることですもの。お父様もきっと羨ましがりますわ
「行きますわよ〜!」
ワタクシは餌を投げ込みますわ。