第14話 幼馴染の王太子が訪ねてきますわ
屋敷のドアを開けると、なんとアウゼス殿下がいらっしゃいましたわ。
「まぁ、お久しぶりですわ殿下。ごきげんようですわ〜」
「あ、ああ。シャーロットさん。久しぶりだな」
相変わらず、落ち着かないご様子ですわ。
面白い方ですわー。
「シャーロットさん、今日はいい天気だね」
「そうでしょうか……?」
今日は曇り空ですわ。
あまり良い天気とは言えない気がいたしますわ。
曇りにも曇り空の良さがあるよね、と言いたいのかしら?
アウゼス殿下は相変わらず変わったお方ですわ。
「シャーロットさん、ええとその、今日はいい天気だね」
「殿下、それはもう聞きましたわ〜」
すると殿下は、何か決意を固めたような表情でポケットから何かを取り出しますわ。
「実は、今度街で開催されるオペラのチケットが余っているんだ。もしよければ……」
「まぁ、下さるの?」
殿下はうなずいて、チケットを2枚差し出しますわ。
ワタクシ、ありがたく受け取りますわ。
「ありがとうございますわ。……マリー! 殿下からオペラのチケットを頂きましたわ。今度一緒に観にいきましょう」
「お嬢様、それは多分一緒に観に行こうって言う殿下からのお誘いッスよ」
「まぁ、そうですの殿下?」
と、聞いてみたのですが。
「指あたっちゃった! 指触っちゃった!」
なんだか顔を赤くして慌てふためいてらっしゃるわ。どこか嬉しそうですわ。
「あら、そう言えば殿下、しばらく見ないうちに髪の毛がだいぶ長くなりましたわね」
「そ、そうかな?」
殿下は髪を指先で弄りますわ
「ち、ちなみにシャーロットさんは、髪は長い方と短い方。どちらが好みかな?」
興味ないですわ〜!
殿方の髪型に、全く関心ございませんわ〜!
でも『興味ないですわ』なんて答えるのも素っ気なさすぎますし。
「(どちらでもいいですが強いていうならば)短い方が好みですわ〜」
「そうか、わかった」
そこで殿下は腰から剣を抜きますわ。
「カミソリを持てセバス。僕は今から頭を丸刈りにする」
そう言って、殿下は剣で自分の髪を切ろうとしますわ。
「あー殿下! おやめ下さいませ殿下! 国中の女性が泣きますぞ殿下!」
後ろに控えていた使用人のセバスさんが殿下を羽交締めにしますわ。
「放せセバス! 僕は究極の短髪にするんだ! 振り向いてもらうんだ!」
「落ち着いてください殿下! 絶対そんなことしても振り向いてもらえませんぞ殿下! お前たちも殿下を抑えろ! 早くしろ、殿下の髪が残っているうちに!」
護衛の騎士たちが慌ててやってきて殿下を取り押さえますわ。
「殿下は相変わらず愉快なお方ですわ〜」
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