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第12話 伝説のモンスターさんをシチューにして頂きますわ

「伝説のモンスターさんって、どんな味がするのかしら……!」


 ワタクシ、ワクワクしてきましたわ~!


「お嬢様、ジャッカロープを倒すつもりッスか!? 無茶ッス! あんなに速いモンスター、魔法なんて当てられっこないッス!」


「難しいですわ……でも、困難を乗り越えた後に食べるご飯ってとっても美味しいと思うのですわ!」


 でもその前に。


「まずはこの、マンドラゴラの最後の1本を抜いてしまいますわ」


 麻痺させて引き抜いて、今度はナイフで捌きますわ。


 これで無事にマンドラゴラを仕留められましたわ。


 穴に大切にしまっておきますわ。これを売れば、しばらくマリーに渡すお給料の心配をしなくて済みますわ~。


「では、ジャッカロープさんを倒しに行きますわ」


 ジャッカロープさんは、今ワタクシが気配を察知できるギリギリのところにいらっしゃいますわ。


 ここから1キロ程でしょうかしら。


「ワタクシの魔法の速度ではとても捕らえられません。どうしましょう……」


 む。


 ワタクシはそこで、変なものを見つけましたわ。


 森の中で一直線に、草が倒れていますわ。


「お嬢様、これは獣道というものッス。動物が通る道ッス」


「ということは、またあのジャッカロープはここを通る可能性が高い……?」


 閃きましたわ。


「マリー、あなたにも手を貸してもらいますわ」


 ワタクシ達は、ジャッカロープ捕獲の準備を始めますわ。


―――――――――――――――――――


「がおおおおおおおー! 食べちゃうッスよー!」


 マリーが大声をあげながらジャッカロープさんに突撃していきますわ。


 ジャッカロープさんが凄い速さで逃げ出しますわ。マリーの脚ではとても追いつけそうにありませんわ。


 でも、これも計算のうちですわ。


 マリーには、ジャッカロープさんをワタクシの方へ追い込むように動いてもらっていますわ。


 ジャッカロープさんが猛然とワタクシの方へと走って来ますわ。


 そして――


“ツルンっ!”


 足を滑らせましたー!


「掛かりましたわね!」


 ワタクシ、“プチアイス”で獣道を凍らせておきましたの。


 ジャッカロープさんが滑って足を滑らせますわ。


 しかも――


“キュイ!?”


 ワタクシが予め設置しておいた麻痺の煙がジャッカロープさんを包み込みますわ。


 そして――


「今ですわ! “プチファイア”!」


 ワタクシの魔法がジャッカロープさんに直撃しますわ。


「やりましたわ~!」


 ジャッカロープさんが、ウサギのシチューになりましたわ!


「匂いだけでもうお腹が空いて仕方ありませんわ。頂きますわ!」


 マリーが戻って来たら、また恨めしい目で見られてしまいますわ。


 今のうちに、心置きなく堪能させて頂きますわ!


 ぱくり。


「お! い! し! い! ですわ!」


 ジャッカロープさんのお肉柔らかくてふわっふわですわ。


 スプーンを運ぶ手が止まりませんわ。


 お代わり何杯でもいけますわ!


 パクパクですわ!


 グランドボアのお肉は硬くてずっしりとした味わいでしたが、ジャッカロープさんのお肉はとろけるような柔らかさですわ。


 これは甲乙つけがたいですわ~!


「大満足ですわ~!」


『モンスターを食べたことによりレベルが上がりました』

『レアモンスター“ジャッカロープ”捕食ボーナス。常時発動スキル“オートヒール”を修得しました』

 

 そしてまたいつもの耳鳴りですわ。


 こればっかりは少しうんざりですわ。


 “スキル”とか“ヒール”とか。訳が分かりませんわ~!


 ――――――――――――――――――


 その夜。


 屋敷に戻って、晩御飯を終えた頃のこと。


“チリン。チリン”


 玄関の呼び鈴が鳴りますわ。


「まぁ、どなたかしら?」


 チェーンを掛けたままドアを開けると、そこには何と顔を真っ青にしたお父様が立っていましたわ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 無自覚最強は面白いです。 [気になる点] マリーちゃんにも美味しい食べ物おねがいします。
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