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第105話 不死のモンスターさんを食べますわ!

コミカライズ2巻、1/9(次の火曜日)発売です!

「嘘だろ? あれは”フェニックス”。伝説のモンスターの1体だぞ……!?」


「まぁ、そんなに珍しいモンスターさんですのね。これは食べるのが楽しみですわ! それにしても、凄い勢いで燃えてらっしゃいますわね……」


 以前火山地帯で食べたフレイムバッファローさんは背中が燃えてらっしゃいましたけれども、フェニックスさんは全身がくまなく燃えてらっしゃいますわ。


 フェニックスさんはワタクシに近づいてきて――


”ゴウッ!”


 口から火を吐いてきましたわ!


「熱――くはありませんわね」


 フェニックスさんは一生懸命火を吐いてらっしゃるのですけれども。全然熱くありませんわ。


『ケェン……!?』


 フェニックスさん、困惑してらっしゃいますわ。


「とりあえず、鳥モンスターさんであれば火の魔法で焼いてお料理するのが良さそうですわね。“プチファイア”ですわ」


 ワタクシ、火の塊をフェニックスさんにぶつけますわ。


”ボウッ!”


 フェニックスさん、炎に包まれて動かなくなりましたわ。


「フェニックスといえども、自分の炎よりずっと熱いシャーロットお姉さんの炎には耐えられないみたいだね! さすがシャーロットお姉さん!」


 落下していくフェニックスさん。


 しかし。


 フェニックスさんの身体が、激しく燃え上がりますわ。


『ケエエエェーーーーーン!』


 甲高い鳴き声と共に、フェニックスさんが再び動き始めましたわ。翼をはためかせ、何事もなかったかのように空を飛び始めますわ。


「そんな! 倒したはずですのに! 蘇りましたの……!?」


「シャーロットお姉さん、フェニックスは倒しても何度も炎とともに蘇るモンスターなんだよ! 何か作戦を考えないと!」


 何ですってー!?


 倒しても復活するモンスターさんだなんて。いったいどうすれば食べられるのでしょう?


『ケエェーーン!』


 フェニックスさんが、怒ってワタクシに何度も火を吹き付けてきますわ。相変わらず全く熱くありませんけれども。


「しかし倒しても何度も復活するというのは困りますわね……”プチファイア”ですわ」


 とりあえずワタクシ、もう一度火の魔法でフェニックスさんを焼いてみますけれども。


『ケエエエェーーーーーン!』


 またフェニックスさんが復活しましたわ。そしてまたワタクシに火を吹き付けて来るかと思いきや――


”バサッ”


 大きく羽ばたいて、逃げていきますわ。


「させないわよ。”ブラックアロー”!」


 アリシアさんが弓の魔法でフェニックスさんの右翼を打ち抜きますわ。


『ケエェン!』


 片翼を失ったフェニックスさんは地面に落ちますわ。しかし、何度も復活するフェニックスさんを倒すにはどうすればよいのでしょう?


「シャーロットさん、フェニックスの倒し方が分かったぞ!」


「本当ですのアウロフさん!?」


 いつもは頼りない殿下が、今日ばかりは頼もしく見えましたわ。


「1回目の時より、2回目の方が1秒ほど復活に時間がかかっている。フェニックスの復活する力は無限じゃない。何度も倒し続ければ、いつか限界が来るはずだ」


「分かりましたわ! それならワタクシ、考えがありますわ!」


”ゴウッ”


 フェニックスさんが地面に足をついたまま、火を吹き付けてきますわ。


 ワタクシは炎を浴びながらフェニックスさんに駆け寄って――


「捕まえましたわ♪」


 両手で、フェニックスさんの両翼をしっかり掴みましたわ!


『ケエェン!?』


 フェニックスさんが羽をバタバタさせて逃れようとなさいますけれども。


「そんな非力さではワタクシから逃げるなんて無理ですわよ?」


 フェニックスさんの回復力はお見事ですけれども、力は全然強くありませんわ。


「さすがのシャーロットお姉さんでも、まさかフェニックスを素手で捕まえるとは思わなかったなぁ」


「同感よ。どんな耐久力してるのよ」


 何やら後ろでユクシーさんとアリシアさんがあきれたような声で会話してらっしゃいますわ。


「では行きますわよ。”プチファイア”ですわ!」


 ワタクシはフェニックスさんを捕まえたまま、火の魔法でフェニックスさんを焼きますわ。


『ケエエエェーーーーーン!』


 フェニックスさんは叫びながらすぐ復活するのですけれども。その度にワタクシは


「”プチファイア”ですわ」


 また火の魔法でフェニックスさんを焼きますわ。


「”プチファイア”ですわ」

「”プチファイア”ですわ」

「”プチファイア”ですわ」

 ………………………………

 ……………………

 …………

「”プチファイア”ですわ」


 数十回ほど火の魔法で焼くと、フェニックスさんの回復もかなり時間がかかるようになってきましたわ。


『ケエエエェン……』


 復活しても、元気がなさそうですわ。もう限界でしょうか?


 それではトドメを刺すと致しましょう。


 ワタクシは全身の魔力を振り絞り、全て右手に集中させて――


「“プチファイア”! ですわ!」


“ゴウッ”


 渾身の炎でフェニックスさんを倒しますわ!


 そして、いつものようにお料理と素材になりますわ。今回のお料理は――


「ローストターキーですわ!」


 古今東西鶏肉を使ったお料理はたくさんありますけれども。鶏肉料理の王様といえばやはりローストターキー! これに限りますわ!


 普段であればお皿が4枚出てきて、それぞれのお皿の前に”ユクシー・サラーティ”などとネームプレートが出現するのですけれども。


 今回は例外的に、1枚の大きなお皿の上にドーン! とローストチキンが載っていて、その前に4枚のネームプレートが置いてありますわ。


「ローストターキーといえばこの丸焼きのお姿ですもの! お料理の出し方が気が利いてらっしゃいますわ!」


 この状態で出していただかないと、ローストターキーを食べたという気になりませんもの!


 切り分ける手間がありますけれども、それもお料理を楽しむ時間の一部なのですわ。


 さっそく、お皿をテーブルに乗せて切り分けていきますわ!


 ユクシーさん、アリシアさん、殿下の期待の視線を感じながら、ワタクシはお料理と一緒に出現していたナイフをローストチキンに差し差し込みますわ。


”ジュワアアアアァ……!”


 その瞬間、中からお肉の香りがあふれてきますわ。


”ゴクリ……!”


 ワタクシ、思わず喉を鳴らしてしまいましたわ。


 早く食べたいですわ~!


 ワタクシ、急ぎながらも慎重にお肉を切り分けていきますわ。


 さらに深く切り込むと、中の詰め物が顔を出しますわ。


 詰め物には色々と種類がありますけれども、今回中に入っているのはタマネギとリンゴ。それに香料としてローズマリーとシナモンも入っておりますわね。


”ぐううううぅ~!”


 あふれてくる香りを嗅いだ瞬間。お恥ずかしながらワタクシ、お腹がなってしまいましたわ。それほどに食欲をそそるいい香りなのですわ。


 ワタクシはお肉を均等に4枚のお皿に取り分けますの。


 そしていよいよ実食ですわ!


「「「「いただきます!」」」」


 まずは脚の部分のお肉を一切れ口に運びますわ。


”パリッ”


 まずはこの皮のパリッとした触感! じっくりローストされていることが分かる、素晴らしい仕上がりですわ!


 そして――


”ジュワアアアァ……!”


 口の中であふれる肉汁!


 外はパリパリ中はジューシー。最高ですわ!


 これまで味わったことがないような極上の鶏肉のうま味が口の中で溢れますわ。


 そしてお肉を噛んだその時。


”ジュワアァァァァァ……!!”


 焼きたてのようにお肉が熱くなって、うま味が再びあふれだすのですわ。


 まるで最初に口入れた時の一番おいしい状態に戻ったかのように、アツアツの肉汁たっぷりの状態になったのですわ!


「なんですの、この食感!?」


 口の中で、まるでお肉が蘇ったかのようですわ!


 噛んでも噛んでも


”ジュワアァァァァァ……!!”


 最初の1口の様に一番においしい状態に復活するのですわ!


 最高に美味しい時間が永遠に終わりませんわ~!


 詰め物のタマネギとリンゴも肉汁をたっぷり吸いこんでいて美味しいですわ!


「ねぇ、前から思ってたんだけど。アンタの料理のこういうメインの食材以外の野菜とかって、どこから出てくるのよ?」


「それはワタクシも不思議に思っておりますわ」


 でも美味しいので全然気になりませんわ~!


 パクパクですわ!


『レジェンダリーモンスターを食べたことによりレベルが50上がりました』

『“フェニックス”捕食ボーナス。永続炎魔法“エターナル・フレイム”を修得しました』


 そしてお約束の耳鳴りですわ。


「美味しかったね、シャーロットお姉さん! 私、今最高に幸せ!」


「アタシも今すっごいいい気分だわ」


「伝説級モンスターであるフェニックスを食べられるとは。貴重な体験ができたよ」


 皆様も大満足のご様子。


 最高の1皿でしたわ!



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シャーロット・ネイビー LV216

◇◇◇パラメータ◇◇◇

〇HP:180/180〇MP:291/291

〇筋力:156〇魔力:245

防御力:200(+ボーナス171)〇敏捷:133

◇◇◇スキル◇◇◇

〇索敵LV8〇オートカウンター(レア)

〇無限アイテムボックス(レア)〇状態異常完全遮断 (レア)

全属性魔法耐性レア〇オートヒールLV25

〇ナイトビジョン〇防御力ブースト

〇パーティーリンク〇炎属性攻撃完全無効レア

◇◇◇使用可能魔法◇◇◇

〇プチファイア〇プチアイス

〇パラライズ◯ステルス

〇ファイアーウォール〇トルネード

〇ウォーターショット(威力+4)◯バブル

〇グラビティプレス

〇タイムストップ〇ウインドカッター(威力+1)

〇エンゼルウイング〇エクスプロ―ジョン

〇フレアウイング・アークナイツ〇フレイムボディ

〇エターナル・フレイム[New!!]

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コミカライズ2巻、1/9(次の火曜日)発売です!

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― 新着の感想 ―
[一言] 前からそうでしたが、最早人外の領域ですね。王子殿下は追いつけるのでしょうか…
[良い点] 流石フェニックス、食べてレベル+50は凄いですな……実はこの世界だとシャーロットか、同じレジェンダリーモンスターしか勝てなかったんじゃなかろうか?
[良い点] エターナルフレイム エターナルフォースブリザードに唯一対抗出来る手段か…!
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