表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/26

挑戦

「んー、うぅ」

 大きく伸びをする。よく寝た。今日は、私の方が起きるのが早かったらしく、私の隣でバメオロスがもぞもぞと動いている。


「バメオロス、もう、朝よ」


 頭を撫でると、小さな声でミャアと鳴いて瞳をぱちぱちとさせた。

「あら、バメオロス、また大きくなったのね」


 昨日、イーディナ花を食べたときも大きくなったと思ったけれど。今朝は、小さめの成獣といってもいいくらいの大きさだ。

『ああ。大きくなった。だが、まだ、成長途中だ』

「そうなのね」


 このままバメオロスがどんどん大きくなって、最終的にライオンみたいな大きさになったらどうしよう。流石にライオンと一緒に眠るには、このベッドは小さい。


 そんなことを考えていると、今日もバメオロスは衝立の向こうに隠れた。


 その律儀さに微笑んで、侍女を呼び、支度を整える。


 今日も1日、頑張ろう。





 愛が見たい。

──私には、与えられなかったものだから。

 恋が見たい。

──私には、無縁のものだから。


 けれど、それらを間近で見ることができるチャンスがきた。


 朝食の席で、旦那様を観察する。そのアイスブルーの瞳を熱に浮かせて、形のいい唇で、旦那様は恋しい相手にどんな言葉を囁くのだろう。


 やっぱり、愛してる、かしら?


 それとも──。


「私の顔に何かついているだろうか?」

 旦那様が首をかしげる。

「いえ。少々考え事をしておりました」

「考え事?」

 旦那様が興味深そうに瞳を瞬かせる。


「はい」

「どんなことを、考えていたんだ?」

「恋しい相手に、むける言葉を」

「!? き、君は、恋をしているのか!? 私は、浮気は許さないぞ」

 ひゅー。旦那様ってば、近くにいい感じの相手(?)がいらっしゃるようなのに。そんな純情ぶらなくても。


 それに、貴族の恋愛は、結婚してからが本番だ。それを知らない旦那様ではないと思うけれど。


「いえ、私ではなく。陛下が、どんなお言葉をむけるのかと、考えていました」

「……それは私に対する、挑戦か?」

「?」


 挑戦? なんのことだろう。


 首をかしげる私の疑問に答えることなく、旦那様は宣言した。

「いいだろう。今夜を楽しみにしているといい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ