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誰にも言えない二つの秘密  作者: 海橋小楢
誰にもいえない二つの秘密:高校編
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ホラー映画はお好きですか(2)ーー凛子の場合

 私には二つ、誰にも言ったことがない秘密がある……えっ、もう知ってるって? おかしいな、誰にも言ったことないはずなのに。さては、私の脳内独り言をジャックした能力者だな? なんて、馬鹿な自問自答をしている場合じゃなくって。

この前のチケットの件は、思った以上に優斗に伝わっていなかったようだ。その証拠に、「日曜日の集合時刻と場所について」なんていうメッセージがさっき手紙で届いた。そう、手紙で。ありとあらゆる電波がそこかしこで情報を伝達しているこのご時世に、なぜか優斗は頑なにアナログな方法を選んでくる。携帯を持ってないのはこの際もう目を瞑ろう、せめて固定電話くらい活用して欲しい。

中身は13時に駅前集合でどうかとか、昼食は各自取ってくることにしようだとか、問題なければ日曜の朝8時までに返事を自宅のポストに入れてくれとか。まあ、内容としてはシンプルなものだ。しれっと私を自宅前まで一度来させようとするあたりも、もう慣れたもので今更文句を言う気もない。

問題なのは返信内容かな。向こうが私と行くつもりでいるんなら、ここで断るのも妙な話だ。日曜日には他の予定もない。最初から一緒に行くつもりだったスタンスでいくか、正直に返したつもりでいたのを話すか。選択肢の話を知らない以上、後者の説明は受け入れてもらいにくそうだ。だってさ、「お前じゃあ何で行きたかったとか声かけてきたんだよ」と言われたら、なんて説明すりゃいいの? 多分、四択あっても正解がない初パターンになる気がするよ。

「いつも誘ってもらって悪いし、今回はお昼くらい奢らせて欲しいな、っと。」

この辺が妥当だろう。ポップコーンとお昼ご飯代合わせたら、映画の学生料金分くらいにはなるんじゃないかな?

突然の提案に優斗は面食らうかもしれないけど、それは文明の利器を使わないあいつが悪い。これを投函したら即帰って寝てやろう。朝も出かけるまでポストを覗かなければ、あいつが何かしらの異議を手紙で申し立てたところで私には届かないって寸法だ。別にいちいち自宅まで行かされることに不満があるわけじゃないんだよ、うん、決してそんなことはないんだから。


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