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誰にも言えない二つの秘密  作者: 海橋小楢
誰にもいえない二つの秘密:高校編
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病室にて――凛子の場合

目を開けると、白地に淡いグリーンの模様が入った天井が見えた。ここはどこだろう? ああそうだ、私、なにか刃物で刺されたんだ。少しずつ、記憶が戻ってきた。手紙を投函する前に寄った公園で、知らない人に突き飛ばされたんだ。倒れたところを何か光るもので刺されて、血が出て。私を刺した人はまた刃物が振り上げたけど、犬がすごく吠えたのを聞いて、慌ててバイクで逃げていったんだ。その後の記憶は曖昧だけど、なんだか優斗がいたような気がする。ここはきっと病院だろうから、優斗が助けてくれたのかな。意図せず振ったみたいになった挙げ句助けられて、一体どんな顔をして会えばいいんだろう。今からちょっと憂鬱だな。


今日は何日だろう、あんまり長いこと寝てたんなら、心配かけたのを謝らないといけないんだけど……。まずは何より情報収集だ。ナースコールってどこにあるのかな、聞きたいことも色々あるし、私が起きたことも知らせたほうがいいだろうし。ドラマとかでしか見たことないし、見た目をかあんまり覚えてないんだけど、どんな見た目だっけ。ベッド横の小さいテーブルにボタンの付いた機械があるけど、あれかな? 腕に点滴か何かの針が刺さってるから、うかつに動けない。その場でできる範囲でいろいろ試した結果、いくつかわかったことがあった。

「起きたら机の上のナースコールを押してください」というメモが病室のドアに貼ってあったこと。私はどうやらすでに脇腹の縫合手術をしたあとらしく、点滴で栄養を補給しているみたいだってこと。刺された日からまだ一日もたってないこと、その他諸々。この諸々の部分が大問題。


結論だけいうと、どうやら私、ナースコールも押せない身になってしまったらしい。


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