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誰にも言えない二つの秘密  作者: 海橋小楢
誰にもいえない二つの秘密:高校編
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どんな力を駆使しても、最適解には届かない――凛子の場合

私には二つ、誰にも言ったことがない秘密がある。一つ目は、幼稚園来の幼馴染にもう十年以上恋心を抱き続けていること。もう一つは……こんなこというと頭のおかしいやつだと思われるかもしれないけど、私には選択肢が見えるってこと。訳がわからないって? うーん、じゃあ例を見せてあげる。

「ねえ、次の授業の小テストの範囲ってなんだった!? 何も勉強してなくって…」

赤:えっ小テストなんてあったっけ? 私も何も勉強してないよ!

青:えー…、そんなん聞かれてもパッと出てこないよ…。

黄:しょうがないなぁ、教科書の12pから18pだよ。

緑:あはは、いまさら対策しても無駄だって!

会話の全部がってわけじゃないんだけど、時々こんな風に相手の顔の下に四択が出る。選択肢が出ちゃったときは次の行動をその中からしか選べない。ちなみに、四択には必ず正解と不正解が最低一つずつ含まれてるから、重要なシーンでも四択さえ出てくれれば成功確率が最低でも25%まであがるわけ。便利でしょ? 今回だって正直ページ数まで覚えてなかったけど、選択肢のお蔭で範囲が分かった。

「しょうがないなぁ、教科書の12pから18pだよ。」

「凛子さっすが! 今度たい焼き奢るね!」

とまあ、それなりに人生をソツなくこなしてきたわけだ。


ただ一人、この選択肢をもってしてもうまく対応できない相手がいる。小山内優斗、例の幼馴染だ。もちろん、こいつが相手でも、四択は出る時は出る。

「えーっと、チョークチョーク……って、あれ、凛子じゃん。チョークの予備を持って来いって言われたんだけど、どこにあるのか知らね?」

赤:右の棚に入ってるけど…そんなことも知らないの?

青:ちょっ、私の後ろに立つな(笑)!

黄:えっと、ちょっと待って、これが取れたら教えるから…

緑:今忙しいのが見てわかんないわけ?

今回は簡単だ、明らかに正解は黄色。取れない様子を優斗が見かねて、チョークと段ボールの役割の交代を申し出てくれるはず。ただ……この選択肢式には一つ問題が、そう、とてつもなく大きな問題がある。模範解答を選ぶと、もれなく何らかのイベントがくっついてくるのである。そう、この場合、無理に段ボールを取ろうとすると、ほぼ間違いなくバランスを崩す。そしてバランスを崩して後ろに倒れ込んだ私は、もれなく優斗に抱き留められる!

「…ちょっ、わっ、私の後ろに立つなぁっ!」

そしてそのまま資料室を飛び出す。笑いたきゃ笑え。ゲームと違って現実だと、正解が分かってても恥ずかしくて選べないことがあるんだよ! 今の奇行で嫌われてたらどうしよう、はぁ、憂鬱だなぁ。


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