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Deathtiny  作者:
Chapter2「色彩ボイスアクター」
14/19

#12「Lie」

それは、突然だった。

「---この紅茶、青酸カリが入ってるの」

「…え?」

彩華さんは、たった今飲んだ紅茶のカップを机上のコースターに置く。その表情は、どこかぎこちない笑顔。

「あ、勘違いしないで。2人が飲んでるそれには入ってないよ。私のだけ」

重要なのはそこではない。

彼女が自死を選んだ---その事実が、問題なのだ。

青酸カリが具体的にどういう化学式で表され、どのような症状を引き起こすかなんて、僕が知るはずもない。だが、体に取り込めば死ぬ。それぐらいの知識は僕にもあったし、カップを落とした莇の反応を見れば、幼い彼女でもそれは周知していたものと見えた。

「…呼ばなきゃ」

最初に口を開いたのは、莇だった。

「何を?」

「救急車ですよ!急いで呼ばないと彼女が…!」

「間に合わないよ。青酸カリには即効性がある」

「でも…!」

「いいから」

「あなたは目の前の命を見捨てるんですか!!」

「いいから」

僕は敢えて同じ言葉を繰り返した。

「彩華さんの話を聞かないかい」

「…」

莇は尚も何か言いたげだった。彼女の性格だ---これで説得できたとは僕は微塵も思っていない。

だが、彼女は小さく溜め息をつくとソファに座り直した。無言を貫いてはいるが、一旦の了承は得たようだった。

「…ありがとう。カップは後で私が片付けるよ」

彩華さんは穏やかな笑顔を莇に向けた。彼女は押し黙ったままだ。虫を殺してくれているのは伝わったので、僕は早く話を済ませないとなと思った。

「…すぐ死ぬんだから、それは無理でしょう」

「それもそっか。でも禊くんも随分と落ち着いてない?」

「そうですか?」

自覚はあった。人が目の前で死にかけているのに、汗の一滴も垂らしていない。

だが、次の彼女の言葉で、僕の額にようやく塩辛い雫が染み出た。





「まるで、私が死ぬのを分かっていたみたい」





(…!)

毎度、彼女の言葉にはドキドキさせられる。

本心なのか、冗談なのか---声優としての彼女の演技、或いは演技の演技が何重にも僕を惑わせる。

「知ってれば、紅茶を飲む前にどうにかしますよ」

今の僕がどのような表情でいるか、自分にも分からない。ポーカーフェイスは下手な方だと自負している。

僕の顔を俯瞰して、彼女の心にはどんな感情が渦巻いているのだろうか。

「…動機は?」

段々、見られるのが怖くなってきた。僕は話題を逸らそうと、自殺の核に関わる部分を直球で質問した。莇もこれを聞かなければ、納得できないだろう。

「そうだなぁ」

彩華さんは一つ言葉を置くと、あっさりと答えを吐き出した。

「…結論だけ言うと、声優が続けられなくなったから」

「…と、言うと?」

動機は、《SSS》のライブではなかった。声優が続けられなくなる、とはどういうことだろうか。

「私の夢は、小さい頃からずっと声優って決めてたの。あるアニメを見て、声優の恐ろしさを知ったの」

「恐ろしさ?」

「実質的に声優本人が恐ろしいわけではないよ。そのアニメでは男の子1人と女の子2人の三角関係が描かれていたのだけれど、男の子が片方の女の子の話をした時に、もう一人の女の子が微かに震えた声で言ったの。『良かったね』って」

「…」

「こればかりは聞いて貰わないと分からない話かも知れない。でも、本当に畏怖した。意識して聞かなければ気付けない位の、本当に微細な震え。その女の子は後で自殺するんだけど、それを包括して考えたら本当に洗練された技術だと思ったよ」

「声優の演技に戦慄した、ということですか」

「そう。たった5文字に、ここまで細かな感情を込められるその才能に恐怖した。そして同時に、私が声優になる動機を創造した」

ありがちな話ではあるが、子供にしては『凄い』『かっこいい』なんて程度の低い言葉で表される感情は無かった。それだけ、当時の心の奥深くまでその演技が突き刺さったのかも知れない。

彩華さんは話を続ける。

「大人になって専門学校や養成所に通った後、私は何とか声優デビューできた」

「そうですか」

随分と簡素な説明だと思った。夢を見てから夢を叶えるまでの過程を、名誉なものだと思っていないのかも知れない。きっと名の知れた声優ではあろうから、尋常じゃない努力を重ねているとは思うが。

「そこからは本当に、順風満帆な人生だった。最初こそモブだったけど、段々と名前の付いた子もやらせて頂いて、今はあの《SSS》のキャストまで…」

「前海美波…」

どうにも声優ファンの界隈では、坂井彩華=前海美波、というのが通説らしかった。昨日ネットで調べた情報だ。他の作品の大役もやってはいるが、SSSで発揮した歌唱力が特に評価されているようだ。

「そうそう、彼女のソロ曲として《東京スカイライン》を歌って下さい、って言われた時は本当に嬉しかった」

「キャラソンを提供されるのは声優にとって喜びでしょうね」

《東京スカイライン》、というのがどうやら前海美波のキャラソンらしい。タイトルだけで爽やかさが醸し出された歌だ。

「だけどね」

突然、彩華さんの声が落ち込んだ。いよいよ、ここからが本題らしかった。僕と莇は耳を傾ける。

少しの沈黙を空けて、彼女は再び口を開いた。

「今年の7月辺りから、声の調子が悪くなってきたの」

「声?」

「スタジオで収録している時に声が嗄れやすくなって、最初こそ一時的なものだと思っていたけど、あまりに症状が続くから都内の大きな病院で診てもらったの」

「そしたら?」





「声帯ポリープだって…診断された」





その時、彩華さんの声が僅かに掠れた。

「…!」

「ほら、ちょっと話しただけで…もう…持たなくなっちゃう…」

声が嗚咽じみている。

これは声帯ポリープによるものなのか、或いは彼女の感情が引き起こしたものなのか。少なくとも、彼女の声優としての皮が被さっていることは絶対に有り得ないと思った。

「もしかして、本当はあまり話さないほうがいいんじゃ…筆談にしましょうか?」

「ううん…いいの、どうせ私死ぬんだから」

彩華さんは笑った顔を僕らに見せる。その瞳からは、溢れるような涙が。あまりに感情的になった彼女に、僕はどう声を掛けていいのか分からなかった。

隣の莇をちらりと見る。何か言いたげで、でも何も言えない状態だ。掛ける言葉が見つからない、といったところだろうか。

先日の連続射撃事件は五十嵐に事情を話したら分かって貰えたが、今回ばかりはどうしようもない。何て言ったって、相手は病気だ。僕がどうこう努力したところで、彼女の声が取り戻されることはない。

声帯ポリープというのは喉に炎症を来して声が嗄声になる病気だ。原因は咽喉の酷使で、歌手や声優に多いらしい。

「心当たりはあるんですか?」

「仕事が急激に増えて、喉の手入れを疎かにしていたからかな…。その時、ちょっとでも休めば…こんなことにはならなかったかもなんだけどね…」

「今から休んだら、間に合うんじゃ…」

「言ったでしょ…明後日《SSS》のライブがあるって。あれを休場するわけにはいかない」

「…」

彼女の言いたいことも分かる。自分の本物の歌を初めて、ファンに届けられるのだ。その機会を自ら消すわけには行かない。

「それに今から休んだとしても、治る保証はない。だから、ライブの思い出と声を両方失うくらいなら、最初から私の存在自体をなくしてしまうべきだと思ったの」

「それが動機ですか」

「…ええ」

彩華さんは頷いた。

「…声の件は、どこまで知られているんですか」

「2人とマネージャーさん以外は、誰も知らない。ファンは勿論、同じ事務所の人や《SSS》のメンバーにもまだ言ってない」

「そうですか」

これで、一通り訊くべきことは訊いた。さて、これからどうしようかと、莇の方を見る。

莇は僕の視線を受けると、弱々しく言った。

「…分かりません」

「何が?」

「…私が、これからすべきことが」

「…そうかい」

やや、意外だった。自称とはいえ神様で、《乖離界》で人の生死を司る人間としては、決断力が乏しいと思った。五十嵐の件でも思っていたが、莇は他の同年代の女の子とは纏っているものが違う。その少女を以てしても、こんな顔をしてしまうのか。

(…)

いや、僕は試されているのか?

前回は莇に救われた面が多かった。今回は、自力で彼女の自殺を止められるか---それを試しているのか?

どちらにせよ、僕が進めないと彩華さんは死ぬ。

(…仕方無いか)

人の自殺を止めるのはやはり御為倒しな感じがして気が進まないが、ここは一つやってみようか。




「彩華さん、話をする前に一つ謝らなければいけないことがあります」

「何?」

「僕らは声優など目指していません」

僕は彼女の目を見据えて言うと、反応したのは莇の方だった。

「なっ…何を言っているのですか!!」

「いいから」

僕は莇に手を向ける。一度弱音を吐いたからか、今度はすんなりと引き下がる。何か言いたげな表情は変わらないが。

一方、彩華さんは澄ました顔で答えた。

「うん、知ってた」

「やっぱりバレてましたか」

「さっき《SSS》の話をしていた時に、布石を敷いたの。前海美波の本当のソロ曲は《Cresent Moon》なのに、安良結弦のソロ曲である《東京スカイライン》って言った時に何の反応も示さなかったもの」

「それは気付けませんね…」

意外と策略的だ。事前調べをしたとはいえ、各キャラクターのソロ曲名までは流石に僕も覚えていない。

「…そうです。僕らは《SSS》もあなたも最近知った者です。だから、ファンとしてではなく、遠くからあなたを観測している傍観者の独り話として、聞いて欲しい」

「うん」

彩華さんの呼吸は既に落ち着きを取り戻していた。死ぬ直前の人間とは思えない。

「声帯ポリープを治す方法は、残念ながら僕も分かりません」

「うん、病院の先生も言ってた。時間とお金が掛かるって」

「声をもうすぐ失う。将来、声優という仕事を続けられないから、この世に生ける意味はない---そう思ってるんですよね」

「大方、そんな感じ」

「僕もそう思います」

虚を突いた僕の発言に、彩華さんはやや困惑した。

「…会った時から思っていたけど、禊くんってやっぱり変わってるね」

「そうですか?」

「禊くんは私の自殺を止めたいの?」

「どちらでも良いです。言ったはずですよ、これは独り言だって」

「質問してる時点で独り言ではないでしょ」

「それもそうですね」

高校の同級生同士が、下校途中に道端でベラベラと喋っている---そんな空間だった。死に関わる話をしているのに。人の生死を極めて尊重する莇は、鋭い目付きで僕らの会話を見ていた。

「…僕にはあの---いや、小学校の頃から将来の夢なんて御大層なものは抱えていなかったんです。だからこそ、分かる気がするんです。子供の頃に声優という職業に憧れ、目を輝かせる彩華さんの気持ちが」

「あら、嬉しい」

「どういたしまして、で良いのかな?とにかく、その抱いた気持ちは、寵愛すべきものだと思います。そしてあなたは大人になり、夢を叶え、今ここに在る」

「うん」

「…今の説明で、何か気付かないんですか?」

「え?」

彩華さんは眉をひそめる。

「とても大事なものが欠けているように感じるんですよ」

「…」

彩華さんが考え込む間、僕は何も言わなかった。彼女がどこまで《大事なもの》を意識しているか、観察してみたかったのだ。

「…ごめん、分からない」

「そうですか」

予想はしていた。僕だって誘導尋問にしては少し出来が悪いとは思っていた。そもそも僕自身、人と話すことには慣れていない。

「ウェルテル効果ってご存知ですか?」

「何それ」

莇が昨日、総武線の中で話していたことの受け売りだ。彼女もやはり、僕と似た反応を示した。

「有名な人が死んだ時に、その人に狂信的だった人達が後追い自殺することです」

「!!」

そこで、彩華さんは目を見開いた。




「あなたは---ファンの存在を忘れていませんか?」




僕は極めて平坦に言葉を吐いた。だがそれでも、その中に何かしらの感情が込められているのは分かる。

きっと、話している本人より、聞いている彼女の方がその含蓄された思いを察している。

「…そうかな」

しかし、彼女は反駁した。いや、反駁と言える程に強い語調ではないか。

一方、僕は語調を強めて話を続けた。

「勘違いしないで下さい。あなたが死んだらあなたのファンが自殺する、だからあなたは自殺するな---そんな馬鹿げた説得をするつもりは全くありません」

「私は別にそんな---」

「分かってます。彩華さんがファン思いなのは周知してます」

彼女はそれだけに優しい心を持っている。それは、話してきて十分理解しているつもりだ。

「あなたが声優になる前の話を聞いて思ったんです。この人は、本当に夢に向かうことを強く願っていたんだって。でも、夢を叶える過程、そして夢を叶えてからの話があまりにも簡素だった。だからさっき、僕が事情を確認した時にもそこの話は薄くなってしまった」

「…それは、急いで話さないとだからで」

「死ぬ前に話さなければってことですか?そういえば彩華さん、なかなか死にませんよね」

口に出してから、もっとオブラートに包んだ言い方をすればよかった、と後悔した。仕方ないので、先に進む。




「---本当は青酸カリなんて飲んでいないんでしょう?」




「…!?」

僕らを試しているのかどうかは知らない。でもやはり、彼女はどこかで葛藤している。このまま声を失った生涯を送るか、その生涯自体を無かったものにしてしまうか。それは彼女に確認しなくたって、分かることだ。

「…分かってたの?」

彼女が肯定の言葉を口をしたところで、莇が僕を見ながら頬に汗の弧を描いた。やはり莇は外連のない言葉だの思っていたらしい。

「だって、もしあなたがここで死んだら警察は自殺か他殺とみるでしょう?後者だと判断されれば犯人として真っ先に疑われるのは僕らです。彩華さんが僕らを犯人に仕立て上げようだなんて、そんなことをするはずない」

「私、死んだ後のことなんて全く考えてなかった」

「…恐ろしい発想の持ち主ですね」

彩華さんが人差し指を下顎に当てながら可愛げに言うその台詞には、僕にそれなりの衝撃を与えた。

「…でも『死んだ後のことなんて』っていうのは、案外本音なのかも知れませんね」

「…どういうこと?」

「あなたには、あなたを思う人がいます。そして、その人たちはあなたが死んだら、悲しむと思うんです」

「…」

「自己中心的---と言うと少し度が過ぎますが、あなたの死について干渉しているのが、話を聞いている限りあなただけだった気がするんです。でも、一人じゃないことを忘れてはいけない」

彩華さんは、きっと盲目的になっていただけだ。その原因は矜持とか下らないものではない。「トップの声優になりたい」---その純粋な願いが、周りを見えなくした。喉を潰されたように、周りに声を掛けることを思い付けなくなった。




「繰り返します。あなたが死ねばファンが悲しむとか後追い自殺するとか、そんなことに興味はありません。ただ、あなたが死ねば悲しむ人が《存在する》---というのはあなた特有のものです。自殺を、自己完結的な事案にしてほしくない」




僕には、死んでも悲しむ人がいない。生んだ両親の名も知らない。僕を育てた人が今どこにいるかなんて知らない。だから僕はあの日、錦糸町を一望できるあの場所から飛び降りた。

だけど、この人は違う。ファンもいるし、両親もいるだろうし、同業者の声優もいる。彼女の体や精神自体が、最早単体では存在できないものと化している。

「…さて」

僕が伝えるべきことは、全て伝えた。

「---今度こそ、白い粉を混ぜた紅茶を飲みますか?」

後は全て、この人次第だ。

僕は正直、彼女が生きることも死ぬことも願ってない。ここまで昵懇な関係に至った人間が自殺することは勿論悲しいが、一方で彼女が自殺を志願する理由も共感してしまう。何たって僕は、一度自殺した人間なのだから。

「…っ」

彩華さんは深呼吸をしようとして、やめた。

そして真っ直ぐに瞳を見つめる僕に、捨て台詞を吐くのだ。









「---参った。私の負け」









「…」

どちらの答えが来ても、返事は考えていた。

だが、いざ言われてみると、その言葉には他と比にならない程の重みを抱えててた。僕の反射神経が鈍くなるくらいに。

「…そうですか」

僕は嬉しそうにも、悲しそうにも聞こえる声でそう言った。一方、後ろでは莇がほっと胸を撫で下ろす。そして、僕の方を見て目を細めた。

(…!)

ここまで眩しい笑顔を、僕は初めて見た気がした。人の命が一つ助かることを、純粋に喜んでいるようである。

(…いや)

だけどすぐに、きっと初めてではないと思った。

一体どこで見たのだろう。ここまでに目眩がする少女の微笑む顔を。

「私ってさ…」

再び話し始めた彩華さんの方へ、僕は振り返った。何故だか、さっきより声が枯れていない気がする。

「分かりやすい人間なのかな?数日前に会った人にここまで見透かされちゃうなんて」

「んー…ミステリアスを装ってはいますが、そのカーテンは薄い…みたいな感じですかね」

「あ!ひどい」

そう言うと、彩華さんはくすりと笑った。彼女のここまで潔白な笑顔は確実に初めてだ。

彼女の人生は他の人より単純だった。単純というのは悪口ではなく、真っ直ぐで迷いがないという意味だ。そこに立ち塞がったハードルを、僕は取り除いただけ。いや、それどころか僕は取り除く手助けをしただけで、実際にそれを越えていくのは彼女自身だろう。




「じゃあ、僕らはそろそろ帰ります」

僕は冷めきったラズベリーの紅茶を一気に喉へ流し込むと、カップをコースターの上に戻して立ち上がった。莇は、いつの間にかこぼした牛乳を片付けていた。

「最後に一つだけ」

「はい?」

玄関で靴を履く途中、彩華さんが僕に後ろから声を掛ける。

「さっき、声優を目指すっていうのは嘘だって言ったよね」

「ええ」

「なら何で、あの事務所で私を待ってたの?」

彩華さんは、尚も笑顔でいた。少し、昨日の悪戯心が戻ってきているようだ。

「そうですね---」

僕は少しだけ言葉に詰まりながら、こう言ってみた。





「---あなたが自殺する夢を、見たんですよ」





《時の死神》が、すぐ隣でくすっと笑った。

彩華さんの表情は、敢えて確認しなかった。何となく、その魅惑的な瞳に吸い込まれてしまいそうな気がしたのだ。

僕と莇はそのまま、玄関の扉を開けて彼女の家を後にした。

その鉄扉越しに貫かれた声優の可愛らしい言葉を、聞き流して。




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