第1話 リラ光臨
俺は、気が付くと草原に立っていた。
周りを見渡しても360度全てが大自然だった。地球では、もうほとんど見れないであろう程に草原や森など自然しかなかった。
俺がそうして感慨深く辺りを観察しているとあることに気付いた。それは、地球では見たこともないような植物なんかが生えたりしていたのだ。いや、よく観察してみると見たことないものばかりしかない。
そんなふうに考えてみて、俺はやっぱりここは異世界だと思った。
(ついに俺異世界来ちゃったんだな。不安もあるが俺には神様に貰った【ガチャ】があるから頑張っていけそうだし。そういえば【ガチャ】といえば、リラを具現化させなくてわ!)
そこまで考えて俺は重大な失敗に気付く。
「あ、俺具現化のやり方知らない……」
そうなのだ。俺は、神様に【ガチャ】の使い方は聴いたが当てたものを具現化させるやり方を聴くのを忘れていたのだ。
「と、とりあえず【ガチャ】を発動させてみるか」
俺は、試しに【ガチャ】を発動してみることにした。
そして、俺は現れたスマホの画面に新たに所持キャラクターと所持品の項目が増えていることに気付いた。俺が試しに所持キャラクターをタップすると画面が切り替わり、【UR:リラ】と画面に表示された。さらに、リラをタップすると【具現化しますか YESоrNO】と表示されたので俺は迷わずにYESをタップした。すると、目の前に急に魔法陣が現れた。魔法陣はどんどん輝きが増していき、あまりの光量の強さに俺は思わず目をつぶってしまった。そして、俺はだんだんと光が弱くなっているのを感じ始めたあたりで目を開けた。
「何だったんだ今のは……」
そう思った俺は原因となった魔法陣のほうを見てみた。
「っ!」
そして、俺は驚愕した。
そこには、天使がいたのだ。美の化身とでもいうべき存在が。特にその容姿で1番目を引くのが腰まで伸びた鮮やかな色をした金髪だ。その輝きはどんな宝石よりも価値があるように感じた。
そこまで考えて俺は目の前にいる美少女の正体に気付いた。
彼女の正体はそう――リラだ。
俺が目の前にいる美少女の正体がリラだと気付いた時にまるで自分の正体を気付くのを待っていたかのようなタイミングでリラは声を掛けてきた。
「初めましてレイトさん。お気づきだと思いますが私はリラです。職業は神官です。今回私を引き当てていただいて具現化していただきありがとうございます。これからよろしくお願いします」
そう言ってリラは最後に慈愛の女神のように優し気に微笑んだ。
「あ、ああ。よろしく」
俺は、リラの挨拶に上手く返事ができなかった。
(いやだってしょうがないじゃん!超絶美少女からあんな微笑み向けられたら誰だって惚けちゃうって!)
「ふふっ。レイトさんそんなに緊張しなくてもいいんですよ?」
「そ、それはリラがあまりにも綺麗だからさしょうがないよ」
「ありがとうございます。レイトさんにそう言ってもらえると嬉しいです」
そのリラの言葉は不意打ちだった。
(落ち着けー俺。深呼吸するんだ俺。吸ってー吐いてー吸ってー吐いてー。よし、落ち着いた。リラには聴きたいことがあるんだからこんなことで動揺しないようにしないとな)
気持ちを落ち着けた俺は、リラに確認しなくちゃいけないことを聴くことにした。
「リラ、確認したいことがあるんだがいいか?」
「はい、私に答えられることなら大丈夫ですよ」
リラから了解を得た俺は、気になっていたことについて確認することにした。
「じゃあ、まずリラは今この状況についてどの程度理解している?」
「私が理解しているのは、レイトさんが私を【ガチャ】で引き当ててから異世界に行き私を具現化をしてくださったことくらいですかね」
俺は、リラが言ったことに驚いていた。まさかリラを【ガチャ】で引き当てたところからの状況を理解しているとは思ってもいなかったからだ。
「ということは、リラは俺が【ガチャ】で引き当てたときから自我らしきものがあったのか?」
「レイトさん、その表現は間違っていますよ。自我らしきものじゃなくて自我がちゃんとあったんです」
リラにそう言われて俺は納得した。自我がちゃんとあったなら理解しててもおかしくないと。
「そうだったのか。でだ、リラが状況を理解してるなら話は早い。この後どうやって行動するかなんだが、俺はまず街や村なんかの人がいる場所を探そうかと思うんだけどどう思う?」
「私もまずはそれでいいと思いますが、行動を開始する前に私と一緒に引き当てたものを具現化させましょう」
「あ、忘れてたな。確かに具現化させないと俺丸腰だわ。異世界なんだから魔物なんかのモンスターもいるだろうし。やっぱりこういうとこは平和な日本で暮らしてたからなんだよな。リラ、気付いてくれてありがとな」
マジでリラいなかったら俺やばかったな。丸腰でモンスターと遭遇してモンスターのエサになってただろうな。
「いえいえ、これくらいレイトさんのためなら当然ですよ」
俺は、マジ天使なリラに改めて感謝しながら次からはこんなミスをしないように気を引き締めることを誓った。
そうやって俺がリラに大事なことを気付かされて誓いを立て終わったところで、俺は所持品を具現化させることにした。
所持品は一括で具現化させることができるみたいなので一括で具現化させた。
俺は、まず具現化させた装備品を装備することにした。最初に今着ている服の上に【黒狼の軽鎧】を装備し、次に【天馬の靴】を履き、最後に背中に【水龍皇の槍】を背負い完了した。装備品を装備し終わったから次にマジックバック(中)の中に携帯食料と冒険セット一式を入れ、マジックバックはウエストポーチ型だったので腰に巻いた。ちなみにマジックバックを鑑定してみたらマジックバックは全てウエストポーチ型で、(小)(中)(大)によって中身の入る容量が違うみたいだ。で、最後は魔法だな。やっぱり異世界っていったら魔法だよな。魔法はどうやって具現化されるのか疑問だったんだが、魔導書って形で具現化された。それで、どうやって覚えるかというと魔導書を読めばいいらしい。そんなわけで魔導書を読んでみたんだがスラスラと頭の中にその魔法の知識が入ってきて覚えることができた。
そこまで終わらせた俺は、自分のステータスとリラのステータスを確認することにした。
「リラ、ステータス見せてもらってもいいか?」
「いいですよ。これが私のステータスです」
そう言ってリラが見せてくれたステータスを俺は見た。
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リラ
種族:人間
性別:女
年齢:16
職業:神官
レベル:1
HP:60
MP:100
攻撃:25
防御:30
装備:【神聖な法衣】【癒しの杖】
スキル:【回復魔法Lv3】
称号:なし
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「やっぱりリラは回復特化だからMPのほうが高いんだな」
「そうですね。私はそのかわり近接戦闘ができませんですけど」
「それは俺がカバーするから大丈夫。じゃあ、俺のも確認するか」
俺は、リラのステータスも確認できたから今度は自分のステータスを確認することにした。
「ステータス」
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レイト・クロカワ
種族:人間
性別:男
年齢:17
職業:高校生
レベル:1
HP:100
MP:80
攻撃:50
防御:40
装備:【水龍皇の槍】【黒狼の軽鎧】【天馬の靴】【マジックバック(中)】
スキル:【ガチャ】【鑑定】【生活魔法】【氷魔法Lv1】
称号:異世界人
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「おー増えてる。称号もあるし。装備の効果と一緒に確認してみるか」
・【水龍皇の槍】
伝説の水龍皇の牙を素材として作られた槍。周辺の全ての水を自由自在に操れる。
・【黒狼の軽鎧】
ブラックウルフの皮で作られた軽鎧。防刃防魔性能に優れている。
・【天馬の靴】
ペガサスの羽を織り込まれて作られた靴。1日に10歩まで空中を歩ける。
・【称号:異世界人】
異世界から来た人
(称号:異世界人はそのまんまだな。というか装備の性能がめっちゃ強い!これなら俺でも十分戦えそうだな。よし、確認も終わったし今度こそ出発するか。)
「じゃあ、そろそろ行くかリラ」
「はい、行きましょうか」
「どこに人がいるか分からないけどまあなんとかなるだろ」
「私はレイトさんと一緒ならどこへでもついていきますよ」
そんな嬉しい言葉を聴きながら俺たちの冒険は始まった。
次回ついに初戦闘!