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プロローグ

 俺こと黒川怜人は今流行りのソーシャルゲーム異世界バトルストーリーの待ちに待った新キャラクターと装備が追加されたガチャを回そうとしていた。

 

 ここで異世界バトルストーリーの説明を入れようと思う。

 異世界バトルストーリーとはタイトルの通りに異世界を舞台にしたゲームだ。やり方としては、主人公が女騎士や神官などのいろいろな職業の女の子たちを集めてハーレムパーティーを作り戦わせるんだ。そして、戦わせ方には魔物や魔族などを倒していき最終的に英雄を目指すストーリーバトルモードとプレイヤー同士で戦う対人バトルモードがある。特にプレイヤーたちにはプレイヤー同士で戦う対人バトルモードのほうが人気があった。本気で勝ちにくる人もいたが、自分のパーティーの自慢をするために好きなキャラクターたちでパーティーを作って戦ってる人のほうが多かった。

 ちなみに俺は、自分の好きなキャラクターでパーティーを作ってた。

 異世界バトルストーリーは、自分の好きなキャラクターでハーレムを作るという特徴があるためにキャラクターの種類はかなり多かった。そのため自分の好きなキャラクターを当てるために廃課金者が続出した。

 俺も毎月のバイト代のほとんどを課金に使ってた。


 説明が長くなったがつまり今回も俺は今日貰ったばかりのバイト代でガチャを引くつもりなのだ。

 今回新しく追加されたキャラクターは神官のリラと盗賊のアリンだ。そして、俺が欲しいのが神官のリラなのだ。リラは俺好みの美少女なのでなんとしてでも手に入れたい。ガチャでキャラクターが当たる確率は0.01%なのだが新キャラクターは確率がアップしていて今なら1%なので当たってほしい。

 さて、そろそろ引くことにする。


「今回はリラが欲しいけど引けるのは10連ガチャ1回分か。まあバイト代貰ったばかりだししょうがないか。リラ当たってくれ!」


 そして、俺は10連ガチャのボタンをタップした。

 ガチャの画面では魔法陣が光り始めた。俺は魔法陣が虹色に光ることを祈る。

 ガチャのレアリティは高い順から虹色、金色、銀色、銅色になっている。

 

 俺は画面の魔法陣の光の輝きがいつもより強くなっている感じがした。


「あ、あれ?こんなに光ってたっけ?」


 そう俺が疑問を口にしたとき魔法陣の輝きがよりいっそう強くなり俺は意識ごと飲み込まれた。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆





 俺は、意識が急速に覚醒してくのを感じていた。

 そして、目覚めるとどこを見渡しても真っ白な空間にいた。


「……は?ここどこ?」


 俺は、自分に起こったことが上手く理解できなかった。

 徐々に考えられるようになっても理解ができなかった。

 

「マジでここどこだよ!というか、俺ガチャ引いてたはずなのに何でこんなことになってんだよ!」


(そうだよ俺はガチャ引いてたはずなんだよ。……ガチャ?あー!そういえばガチャ引いてるときに魔法陣の輝きが急に強くなったなんだった。それで、気が付いたらここにいたんだった。じゃああれが原因なのか?あれ以外は何も思いつかないしな。でも、今までなかったのに何でだ?)


 俺がガチャについて疑問に思い始めたときに後ろから声を掛けられた。


「そろそろよいかな?」


 その声に俺は驚き慌てて振り返った。

 そこには老人が浮いていた。そう、浮いていたのだ。胡坐で自分の髭を撫でながら。容姿は俺が思う仙人みたいな感じだ。

 その老人が浮いているということは俺に不意に声を掛けられた以上の驚きを与えた。

 そして、俺が驚きすぎて声が出せずにいるとまた話しかけてきた。


「驚かせてしまったようじゃな。すまんのう」


 そう謝罪されて俺はやっと再起動した。


「あ、いえ!だ、大丈夫です!」


 若干声が裏返りながらも返事ができた。


「ほっほっほっ、そうか。では、君のことについての話をさせてもらってもかまわないかの?」


「えっ!?俺のことですか?教えてください!」


 この老人は俺の身に起こってることについて知ってるらしい。どんなことでも教えてもらえるならありがたい。


「そうじゃのう。まずは、儂のことから説明したほうが話がスムーズに進むじゃろうな。儂は君らのいう神じゃよ。そして、この場所は神の聖域じゃ。何故君がここにいるかというとの君がガチャで異世界へ行く権利を引き当てたからなんじゃよ。おめでとう」


「……神?聖域?異世界?やばい理解できない」


 俺は、神を名乗る老人から伝えられたことが衝撃的過ぎて混乱してしまった。


「そうなるのが当然の反応じゃよ。すぐには話を理解できないと思うからのうゆっくり頭の中で整理しなさい」


 そして、俺は老人に言われた通りにゆっくりと時間をかけて伝えられた内容を整理した。時間にして10分くらいかかった。

 整理し終わった俺は一応確認をすることにした。


「確認したいんですが、さっき言われたことは本当のことなんですよね?」


「そうじゃよ。まぎれもない事実じゃ」


「分かりました。なら、異世界へ行く権利とはなんですか?」


 俺は、1番疑問に思ってることを聴くことにした。


「異世界へ行く権利とは、そのまんま異世界に行く権利のことじゃよ」


「やっぱりそうなんですね。じゃあ、そのことについて具体的に説明してもらっていいですか?」


「うむ。では、説明するの。君に行ってもらう異世界の名はアライストという名じゃ。そこは剣や魔法などがあるファンタジーな世界なのじゃ。そして、君にはアライストに送るにあたって儂から特典を送ろうと思っておる」


(剣や魔法のファンタジー世界か。俺もそういう小説は読んだことがあるけどまさか自分が体験するとは思わなかったよ。じゃあ、やっぱり特典っていうのはチートな能力なのかな?まあ、聞けば分かるか。)


「理解できました。それで、特典ってのはなんですか?」


「特典とはのガチャスキルじゃよ」


「ガチャスキルですか……?」


 俺は、告げられた特典の意味がよく分からなかった。


「ガチャスキルとは、異世界バトルストーリーのガチャを引くことができて引いたものを具現化できる能力なのじゃよ」


「そ、それじゃあ!キャラクターを当てた場合も具現化されるんですか!?」


「そ、そうじゃよ」


「やったあああああ!」


「き、急にテンションが変わったの」


「だって、異世界バトルストーリーのキャラクターに会えるんですよ!そりゃこうなりますよ!というか早く異世界行きましょうよ!」


 俺は、もう異世界に行ってガチャ引きたくてたまらなかった。


「まあ待つのじゃ。スキルの使い方なんかを説明しないといけないからの」


「あ、確かに使い方知りませんでしたね」


 危ない危ない異世界行ってもガチャが引けないところだった。


「そうじゃろ。では、今から言う通りにやるんじゃぞ。まずは、ステータスと言ってステータスを開くんじゃ」


 ステータスもやっぱりあるのか。どんな感じなんだろ?まあ、開けば分かるか。


「ステータス」

___________________

レイト・クロカワ

 種族:人間

 性別:男

 年齢:17

 職業:高校生

 レベル:1

 HP:100

 MP:80

 攻撃:50

 防御:40

 装備:なし

 スキル:【ガチャ】【鑑定】

 称号:なし

___________________


「これが俺のステータスか。強いのか弱いのかよく分かんないな。あとなんで鑑定なんてスキルを持ってるんだ?」


「君は普通のレベル1よりは強いのう。鑑定は儂がサービスで付けたんじゃよ。ガチャで当たったものを見るときにあると便利だと思っての」


「へー、俺って強いほうなんですね。あと鑑定はありがとうございます。確かにあったほうが便利だと思うんで」


「強いといってもレベル1としてはじゃよ。では、次にいくとするかの。君が引きたがってるガチャを引かせてあげよう。チュートリアルみたいなものだから無料での」


「本当ですか!?」


「そうじゃ。では、ガチャを使うと念じてみるのじゃ」


「分かりました!やってみます!」


 俺は、ガチャを使うと念じてみた。

 すると、異世界バトルストーリーのガチャの画面を表示したスマホが現れた。


「そのスマホがガチャを引くのに使うものじゃよ。本当は魔石の魔力をチャージしてひくんじゃが、今回は無料だからの1回分だけチャージしといてあげたぞ。では、10連ガチャのボタンを押してひくんじゃ」


「分かりました。じゃあ、引きますね」


 俺は、10連ガチャのボタンを押した。

 リラが当たることを願って。


 魔法陣が光りだした。

 そして、魔法陣の輝きは虹色になった。


 俺は、声にならない歓喜の悲鳴をあげながら急いで何が当たったのかを確認した。

____________________

10連ガチャ

UR:リラ

R:携帯食料

SSR:水龍皇の槍

SR:冒険セット一式

SR:黒狼の軽鎧

SR:マジックバック(中)

R:生活魔法

SR:天馬の靴

SSR:氷魔法

R:携帯食料

____________________


「り、リラが当たった!しかもSSRも2つ出てるし!今回めっちゃいいじゃん!」


 俺は、念願のリラを当てられたこととそれ以外もかなりレア度が高くてテンションがMAXになってた。


「ほっほっほっ、よかったの。ガチャで当てたものはアライストに行けば具現化させることができるぞ。では、そろそろアライストに行ってもらうとするかの。さよならじゃ」


「はい!いろいろとありがとうございました!」


「では、新たなる人生を歩むがいい」


 そして、俺は意識ごと光に飲み込まれていった。


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