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No.5 ルーフィア・アノン

ザクリュードがその場を去り

サラディー王は深く息を吐きだした。

それは緊張から解き放たれた安堵のものだった。


「ん?おまえは誰じゃ?」

サラディー王はクレイに気が付き声をかける。


「あの・・クレイと申します・・・」


「おお!そなたがクレイか!

シュリナから話は聞いておるぞ!」


「実は僕はまだ状況を把握してないんですが・・」


「そなた、なかなかの腕だとか?

シュリナを助けてくれたのであろう?」


「偶然です」


「そこで、そなたの腕を見込んで頼みがあるのじゃ」


「頼みですか?」


「そなたも噂くらいは聞いておるのではないか?」


「海に魔物が出て船が出せない事ですか?」


「そうじゃ。そこでそなたに海魔物を倒してほしいのじゃ。

やってはくれぬか?」


「僕も、どちらにしても海を渡った大陸へ

行かねばなりません。やってみましょう」


「そうか!やってくれるか!!それは、ありがたい。

そうと決まれば早い方がいい。船を一艘、用意する。

今日はここでゆっくりして、明日の明け方出発してくれ」


「わかりました」


「それと、シュリナを助けてくれた礼も兼ねて

これをそなたにやろう」


サラディー王は真っすぐに伸びた白銀に輝く

一本の剣をクレイに差し出した。


"オリハルコンの剣"である。


かつてこの世を魔物たちから救ったと言われる伝説の

英雄にちなんで作られたというこの剣は100人斬っても

刃こぼれを起こさないと言われるほどの一品である。



その夜、クレイはサラディー城に泊まった。


------------------------------------------------------------------------

『な、なにをしている!?ジェノサイド!!』


『見られてしまっては仕方がない・・・

あなたにも、死んでもらいましょう』


『カシムをやったのは貴様かーーーーーーー!!!』


------------------------------------------------------------------------



「はっ!・・・

また・・夢・・?」


クレイはその夜、また奇妙な夢を見たのだった。


翌日、クレイは船のあるボン港町にやってきた。

するとそこに!


「クレー―ーーイ!!」

その声にクレイは振り向くと・・


「ルーフィア!?なぜ君がここに?」


「おばあちゃんがクレイと一緒に行きなさいって」


「マトーヤが!?」


「それに黙って出て行ったあなたが心配だったから・・」


朝日とこれから乗り行く船を背に

クレイとルーフィアは港で

お互いを見つめながら話を続けた。


「ダメだ!君を連れては行けないよ。

タル・リコに帰るんだ!」


「どうして?!記憶が戻る手助けを・・」


「僕はこれから魔物と戦いに行くんだ。

だから・・」


「知ってるわ」


「えっ?」


「祖母は占魔導士よ。

忘れたの?」


「・・・しかし・・」


「大丈夫よ。足手まといにはならないわ。

私は魔導士ですもの」


「・・・・・分かった。

これで絶対、負けるわけにはいかなくなったな・・」


「えっ?」


「いや・・なんでもない・・」



船は二人を乗せ大海原へと出港した。

港を出発してからの数時間は海は穏やかであった。


「・・・本当に魔物なんて出るのか?」

あまりの静けさにクレイは魔物の存在を疑うほどだった。


が、航海に慣れている船長には違和感があった。

「・・静かすぎる・・・

それに・・」


「それに?」

ルーフィアが意味深な船長の言葉に問いかけた。


「まだ大陸が見えない・・」


と、その時

突然船が大きく揺れた。


それは決して風や波に揺らされたわけではない事を

クレイや他の船員たちもすぐに悟った。


「ど、どうしたの!?

きゃあ!!」


ルーフィアの目の前に突然モンスターが飛び出した。


「ルーフィアーー!!」

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