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No.2 真空波

ここは魔導士の村"タル・リコ"


クレイは自らの記憶を取り戻すため

ナイトメアに会いに行くことを決意する。


その為には、まず

自分の置かれている立場を理解する必要があった。


クレイは村人に話しかけ状況を把握することにした。

魔導士の村というだけあって、村人のほとんどは魔導士のようだ。


「占魔導士は魔導士の最高峰!

かなりの素質と才能が必要とされる為

ここ"タル・リコ"でもマトーヤ様

ただお一人だけです」


白魔導士と思われる女性に話を聞いたところ

マトーヤは唯一無二の存在らしい・・


続いてクレイは黒魔導士の男に話しかけた。


「なに?ナイトメアの居場所を知らないかって?

・・・・

まー、知らない事もないがタダってわけにはいかない。

"センターファイブの森"に生えている"魔力の実"を

取ってきてくれたら教えてやろう」


記憶のない今のクレイにとって

わずかな情報さえ欲しいところ。


クレイは森に生えている程度のものを

取ってこればいいのかと少し安易に考えていた。


「わかった。とってこよう」


タル・リコの西に広がる森。

そこがセンターファイブの森である。


森の場所、魔力の実の生息場所を

黒魔導士より聞き、クレイはセンターファイブの森へと

足を踏み入れた。


森をさらに奥へと進むと

少し開けた場所にでた。


その中央にクレイの腰の高さほどの

小さな一本の木が生えているのを見つけた。


その木の先端には小さな実が2、3個実っており

時折、風に揺らめくその実は微かな光を放っていた。


「これが魔力の実だな」

クレイが実を取ろうとしたその時!


「まてーーーーー!!その実は渡さん!!」

その叫び声と共に突如、クレイの後方より

包帯に包まれたモンスターが現れた。


アンデットである。


突然のことにクレイは実を取ることもできず

後ずさりをする。


が、すぐにクレイは腰の剣を手にし構える。

その姿にアンデットはクレイに襲い掛かる。


両手でクレイを抑え込もうと突進してくるアンデットに対し

冷静にそれをかわし斬りつけるクレイ。


斬りつけられたアンデットは血を流しながら叫び、

クレイの方に向きなおす。


記憶を失っているクレイがここまで戦えるのは

体に染みついた剣術のお蔭であろう。

その力量は一般の兵士のそれを凌駕するほどだ。


しかし、アンデットも負けてはいなかった。

自らの包帯をクレイの体に巻き付けると

体当たりで吹き飛ばす。


急所を避けたクレイはすぐさま立ち上がり

剣を少し下に傾ける構えをとる。


一瞬静止したクレイはアンデットが再び襲い掛かってきた瞬間

横なぎに剣を繰り出す。


何がおきたかも分からずアンデットはその場に倒れこむ。


"真空波"


真空状態を刃の周り数ミリに纏わせ相手を切り裂く

必殺の技である。

クレイは無意識の中で大技を繰り出していた。


アンデットを倒したクレイは魔力の実を手に入れていた。

「早速、この実を渡しに行こう」


クレイはセンターファイブの森を後にした。



ーその頃、帝国"エンパイヤ"では、ある事件が起こっていたー


「ジェノサイド殿!多くの兵士が

あなたのやり方に不満を抱いております!!」


そこにはジェノサイドと呼ばれた一人の男を前に

4人の兵士たちが向き合っていた。

兵士たちの手にはそれぞれ武器が握られており

まさに一触即発の模様だった。


さらに驚くべきは、このジェノサイドという男、

クレイを滝へと吹き飛ばした、その男だったのだ。


しかしジェノサイドは4人の兵士たちを前にしても

臆することなく、武器も持たずに平然と応えていた。


「・・・それで?」


「いったい、何人の兵士が犠牲になったとお思いですか!?」


「だから?・・」


「話しても無駄のようだ!!

悪いがあなたには消えてもらいます!!」


「おもしろい!相手になってやろう・・」


4人の兵士たちはジェノサイドに攻撃を仕掛ける。

一人の兵士は弓を射り、ある兵士は剣で斬りかかる。

しかし、攻撃はジェノサイドにあたる前に全てかき消されてしまう。


「だめだ!!攻撃が通じない!!」


ジェノサイドは全く表情を変えることなくその場に佇んでいる。

かと思いきやジェノサイドはゆっくりと掌を兵士たちに向ける。


「オメガファイヤ!!」


真っ赤な炎が兵士たちを包み声を上げる間もなく消滅した。

まさに一瞬の出来事。


「愚か者どもが・・」


ジェノサイドは、まるで何事もなかったかのように

その場をゆっくりと立ち去っていった。



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