雷光
文才ないけど許してください。悪気はないです。
西暦2543年、とある夏の日の昼下がり。
少年は何を考えるでもなく寝っ転がって暇を潰していた。
「やること…ないなー。」
夏休み、それは少年にとっては害でしかなかった。
頭の良かった少年は課題など初日で全て終わらせてしまったし、遊ぶと言っても遊び相手がいなかった。
両親は共に海外に出張中。兄弟姉妹はいない。
つまり、少年はこの家で8/31までひたすら一人で過ごすことになっていた。
「どーするよこれ…何か面白い事ないのかよ…」
少年が呟いた途端、消していたテレビが突然ついた。
映ったのは「神」と書かれた仮面をしている男。
唖然としている少年をよそに男は話し出す。
「あー、人間諸君。夏休みを謳歌しているか?夏休みはつまらないだろう?いや、実際私はつまらない。
だからここで言おう。
人類諸君、滅ぶべし。」
あまりに支離滅裂すぎる放送だった。
テレビは消え、何事も無かったかのような静寂が訪れる。
少年はそこで気づく。
「なんだこれ…赤い!?」
先程まで澄み切った青だった空が真っ赤に染まっていた。
と、そこでまたテレビに「神」が映る。
「さて、人間諸君。今頃慌てているのかな?空が赤いっていうのは案外怖いのかもね。
では、ルール説明をさせて頂こう。
この世界に『魔物』を放った。正確な数は把握していないがね。
ただまぁ…まともにやりあっても君達が一瞬で滅ぶのは目に見えている。
だから君達に…『力』を授けよう。
最初に与えられる力は1人につき一種類。魔物を倒すごとに倒した者に新たな力が授けられる。
説明は以上!まあ暇潰しくらいにはなって欲しいね。健闘を祈るよ『人類』」
テレビが消え、少年の家は再び静寂に包まれる。
「なんだよこれ…意味わかんねえよ。」
呆然と呟く。
直後…少年の家のすぐそばで轟音が鳴り響いた。
少年は慌てて外に出る。まさか…
「そのまさかだよ。クソガキ」
そこにいたのは…確かに人型を模してはいたが、ケルベロス、だった。
頭が三つあるが…直立二足歩行をしている。
人間の形をしたケルベロスそのものだった。
ケルベロスはこちらを向き舌なめずりをする。
「さて…前菜はお前でいいかな。流石に腹が減ったよ。」
言い終わると同時、ケルベロスがコンクリートを蹴る。あまりに素早すぎる跳躍だった。常人ならまず視認さえできなかったであろう。
少年は咄嗟に顔を伏せ右手を振り回す。無意味すぎる攻撃…のはずだった。
少年の右手から雷の刃が飛び出す。
1億ボルトを超える電圧がケルベロスの胸を切り裂いた。
「雷…厄介な能力持ってんじゃねーか、クソガキ。
」
許してください(2回目)