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本日のデザート  作者: トムトム
忍&芽衣でスイーツもぐもぐ
7/20

Pure Pop

「さあ、お昼にしようか」

「そうでね」

仕事の方は順調と言っていいのかな。前任者がクリアに出来なかった案件を着実に減らしているのでそれなりに忙しい日々を暮らしています。そういえば、私達のサポートと言う事で事務職の女の子が一人配属になりました。通常は財務管理課で電話の応対とかをメインにして貰うのですが、どうやら忍さんがお目当ての様で……何かにつけて税務管理課にやってきます。こっちの方が社外秘の案件が多いからあまり着て貰いたくはないだが、彼女はお構いなしに様子を見にって言いながらのお邪魔虫をしている。

今日の私は銀行のオンラインシステムを利用して税務処理をしているところだ。それと同時に経理部に税務処理用の口座に資金を入金して欲しいと依頼のメールを送った。今月の処理はこれでおしまいなので今すぐに必要なものではない。

「斎藤主任、今日も暇そうですね」

「そうね、営業部にいた頃よりは時間のゆとりは出来たけど、暇って訳じゃないのよ」

「そうだね、芽衣ちゃんの営業部時代は仕事しすぎだよ。その結果、同期で一番乗りでしょ?主任」

「そうですね、山口係長。係長だって、昇給早いじゃないですか?」

「そうかな?忍に比べたらまだまださ」

「田口課長が出世頭なんですよね?凄いです。どうしたらお仕事できる様になりますか?」

新入社員の……陽子ちゃんはクネクネしながら聞いている。忍さんの表情がどんどん暗くなっていく。

「まずは、そのクネクネするのは止めて。それと今は何の時間?やるべき事がないのなら自分で探して」

「斎藤さん、伝票チェックしたから経理部に出して貰ってもいいかい?」

「はい、ありがとうございます。期日前処理なので入力は経理部にお願いしますね」

「そうだな。もうお昼だから、経理は午後でいいよ」

「はい。それではお昼の支度をしますね。今日は何がいいですか?」

「カップの味噌汁なんてあるの?」

「ワカメならありますよ。係長」

「それなら味噌汁頼んでもいい?」

「はい、課長は?」

「俺は……芽衣と一緒にお茶がいい」

「分かりました。それでは用意してくるので待っていて下さいね」

「ああ。よろしく」


私は給湯室に向かって、味噌汁とお茶の支度をする。税務管理課は私と一緒に暮らし始めた忍さんもお弁当だし、係長は最初から愛妻弁当なので、ビジネスランチと税務署事務所勤務日以外は三人一緒に打ち合わせスペースでお弁当を一緒に食べているのだ。5月の末の外は思った割に陽射しが強くて外で食べたがった忍さんに私が拒絶したのだ。

「斎藤さん、お弁当を作って来て、家事が出来る私アピールですか?思った割にあざといんですね」

「陽子ちゃん、お昼を食堂で食べるのなら、急がないと場所がなくなるわよ?」

「そんなこと分かっています。田口さんは上司なだけなので、そんな事をしても無駄ですからね」

鼻息を荒くして陽子ちゃんはいなくなった。できる女アピールの前に、私と忍さんは婚約しているのだが、それに一緒に暮らしているのだけど。彼女が知ったら発狂しそうな話だろうな。

ポケットに入れてあるスマホをいじって菫ちゃんと通話をする事にした。

「菫ちゃん?芽衣だけど?」

―芽衣さん、元気ですか?忍さんにおいたされていませんか?―

「菫ちゃん、ココ社内」

―すみません。何か必要な事ができましたか?―

「うん、今年の新入社員の総合評価。それと、忍さんを狙っていそうな女子の情報」

―忍さんは、芽衣さんのものなのに?早く婚約した事発表したらいいのに―

「そんなに簡単に言わないの。よろしくね」

―はいはい、了解です。遅くても明日の朝一でいいですか?―

「十分よ。それじゃあね」

私は手早くお茶を入れて、係長のみそ汁も用意して打ち合わせコーナーに向かう。

「お待たせしました」

「そんなことないよ。何?陽子ちゃん、忍にロックオンなの?」

「止めてくれよ。俺には芽衣しかいないのに」

「それは俺達だけ……あと財務管理事業部長が知っているか。それと社長位だろ?」

「そんなにペラペラ俺が話しているとでも?」

「とにかく食べましょう。ふざけているとお弁当取りあげますよ」

「ごめん、芽衣。さあ、食べようか」

私達は自分のお弁当箱を開けて食べ始めた。


「ご馳走様でした」

「芽衣ちゃんの弁当は本当に凝っているよね」

「それは……通勤時間が……その……」

まさか徒歩五分のビルの最上階の部屋にいますとは言えない。でも係長も一緒に暮らしている事は知っている。ただ、どこで暮らしているかは知らないだけだ。

「社長とは一緒じゃないんだろ?」

「いずれはそうなるだろうけど、今はいいって」

忍さんは残ったお茶を飲み干した。

「さて、午後は業務改善委員会か……。芽衣、何かアイデアない?」

「いきなり言われても出てきませんが、今回の資料を見せてもらえるのなら次回までには考えますよ」

「芽衣ちゃんにかかれば、社内プレゼンも怖いものなしだろ?」

「そんなことないですよ。たまたまです」

「営業部所属で、社内業務改革コンペの常連って普通じゃないから。普通なら業務課関連の人が分かっていて当然だけど、芽衣ちゃんは俺達の見落としているところを的確に指摘してくるから」

「営業にいたからですよ。午後はちょっと手が空いていますけど、何か手伝えそうな案件ありますか?」

「それじゃあ、予備調査って事で2年前の営業部調べて貰っていい?芽衣ちゃんの1課以外でいいから」

「分かりました。やっておきますね」

午後の業務の打ち合わせも済んで、私はお弁当箱を洗う事にした。

給湯室の隣は更衣室だ。お弁当箱を洗って乾かしていたらボソボソと聞こえてきた。

「手作りのお弁当なんて、できる女アピールがウザいっての」

「でもさ、総合職で主任だもの。仕事が出来ない訳じゃないんでしょ」

「だって、営業からの異動でしょ?普通、あんな地味な部署にいる必要ないじゃない」

随分と私の事を言いたい放題言っている。お弁当を持って来ている子なんて結構いると思うけど。

経理部の異動でも良かったんだろうけど、業務的にはこっちが実務面でスキルアップできるからこっちになっただけなのにね。お弁当箱を拭き終わった私は、お弁当箱を仕舞いに更衣室のドアを開けた。

人の顔を見てギョッとする位なら、そんな話をしなくてもいいのに。

「はい、ちょっとごめんなさいね」

私は彼女達に気にもしないでロッカーを開けてお弁当箱を仕舞う。

そして、化粧直しを簡単に済ませた。営業にいた時よりは化粧崩れもないし楽でいい。

「それじゃあ、お先に」

私は先にオフィスに戻る事にした。オフィスに戻ると忍さんに助けてくれよって呼ばれる。

「何をしているんですか?」

「チェス。俺ばかり負けるんだよ」

「成程。頑張って下さい」

途中から加勢するのもどうかと思って、私は机に顔を付けてからお休みなさい、少し疲れましたと

言って目を閉じた。


目を閉じているだけで、寝ている訳ではない。だからチェスの駒が動く音も二人が話している事も聞こえている。

「寝ちゃったのか?」

「さあ、確認すると起こるから多分スマホにタイマーセットしてあるだろうからそのままでいいさ」

「やっぱり、力の抜きどころはしっかりとしているな。けれども……大丈夫なのか?」

「何がだよ?」

「お前らが付き合っている事をオープンにしなくて」

「いずれは分かるだろう?一緒に暮らしているんだから」

「そりゃそうだけど、芽衣ちゃんが辛くないのか?」

係長はどうやら私の事を心配しているらしい。

「本人が訴えないからね。それまでは待つつもりだけど」

「陽子ちゃんがあんなにあからさまでも?」

そうすると忍さんがうーんと唸ってしまった。

「お前は俺のいじらしかった日々を知っているじゃないか?」

「そりゃそうだけど。皆が知っている訳じゃない。それに女子社員にはその話は確実に知られていないだろうな」

「まあな。でもあんなにあからさまに秋波を送られてホイホイ着いて行くと思っているのだろうか?」

「さあな。一般的には可愛いかもしれないが、会社員になる事の意義を間違えているなあ」

「やっぱりそう思う?事務のアシスタントやっぱりいらないよな?」

「ああ、誰かがオフィスにいればどうにかなるし、経費伝票だって各自で作成は出来る。勤怠で残業時間が必要なのは、芽衣ちゃんだけどうちからの給与支給じゃないから忍が纏めてくれれば問題はない」

どうやら二人の意見は決まったようだ。で、二人から不要の判子が押されてしまった陽子ちゃんはどうするのだろう?

「配属すぐで不要ってのも……だよな」

「そうだな。何かやらかしてくれたらいいんだけどな」

「でも俺達の仕事って社内外でも秘密事項だから持ち出してくれたら一発アウトだよな?」

係長が物騒な事を言い出した。この人も忍さんと親しい人だからお腹が黒いとは思っていたけど……。

どうやらこの部著腹黒集団しかいません。今まで隠し通していたものはどんどん暴いて行きそうな気がします。

「山口、何かあるのか?」

「あると言えばある。ないと言えばない。デスクの上の書類をちょっと放置するだけでいいんじゃない?」「誰のだよ」

「芽衣ちゃんの。事務所勤務日なら芽衣ちゃん個人に被害は及ばないよ」

「お前、それいいな。そこのところは後でゆっくりと考えようぜ」

チェスをそっちのけで黒い相談を始めた二人に頭を抱えたくなったが、私は寝ている事になっているので動く事が出来ない。

「ってことだから、分かった?芽衣。起きているのは知っているよ」

あーあ。目を閉じていただけなのが分かっていたのか。仕方ないので私は顔を上げた。

納得がいかなくて、口を少しだけ尖らせる。

「そんな事をしてもダメ。お茶の支度してくれた時の……聞いていたんだ」

「大したことないですよ。そんなの」

「でも俺の婚約者をああまで言われるのは納得がいかない」

「忍さん、もう少し大人になりましょう?」

私はにっこりとほほ笑んだ。そんな私を見た係長は吹きだした。

「忍、お前いいよ。凄くいい。同期皆に見せたい位に面白い」

「だから見世物じゃないって」

「芽衣ちゃん、今度夜にご飯食べようね」

「はい、よろしくお願いします」

そんな風にふざけているうちに昼休みは終わっていった。


15時には10分程、休息を取る時間がある。私はコーヒーを入れる為に給湯室に向かう。

財務管理課はローテーションでお茶当番があるらしいけど、税務管理課は私が纏めている。

今日はコーヒーが飲みたいというので、用意してあるドリップコーヒーで入れる事にした。

「また、できる女アピールですか?コーヒーは財務管理部所有のものではないですよね?」

「ええ。総務部に依頼をして総務部のドリップコーヒーを分けて貰っているの。ちゃんと伝票も書いているから問題はないと思うけれども」

陽子ちゃん達は、私物を使っていると思った様だけど、流石にそれはしていない。ちゃんとした手続きをしているものだからとやかく言われる必要性はない。

「でも、ずるくないですか?自分が有利になるように仕向けて」

「私はそんなつもりはありませんよ。業務が円滑に進む為に必要な事をしているだけです」

「そんな事、私だって分かります」

起こった陽子ちゃんは私のお盆から忍さんのマグカップを奪って冷蔵庫に向かって行った。

そこから取り出したのは、Pure Popのレモン味の様だ。一体何をする気だろう?

そんな分かりやすい秋波を送ったって忍さんには届かないのに。いい加減気が付いたらどうだろう。

それを言うと、絶対に修羅場になるから私は口を挟まない。本人が自覚するのが一番だからだ。


ちょうどその時に、「こんにちは、芽衣さんいますか?」と菫ちゃんの声がした。忍さんが「斎藤さんは給湯室にいるよ」と答えてくれたので、私は給湯室を出る事にした。

「芽衣さん、時間ありますか?」

「暇でもないけど、忙しくもないわ。菫ちゃんは?」

「急に上司が出張で室長と出かけてしまったんで、実質的に業務終了になってしまって。それでちょっと相談があるんですけど」

菫ちゃんが何を言いたいのか分かった私は、打ち合わせコーナーではなくて小会議室を使いたいと思い、事業本部長に使用許可を貰う事にした。

「竹田君、久しぶりだね。頑張っているかい?」

「はい、菫さんの様になれるように頑張ります」

「それは頼もしいな。斎藤君、小会議室なら構わないよ」

「ありがとうございます」

私達は小会議室に入って行った。


Side忍

秘書課の竹田さんが芽衣を訪ねてやってきた。上司が急遽出張したので、業務上相談したい事があると言ってやって来た。それは表向きで本当の所は違う事は知っている。芽衣の元で営業アシスタントをやっていた彼女の事だ、何か自分達に有利な情報をもたらしてくれるだろう。

「課長、冷たいものはどうですか?」

陽子ちゃんが懲りもせずにやってくる。乗っかっているのは俺のマグカップとなんかのスイーツ。

「それ、人数分あるの?ないっていうのならいらないから」

「どうしてですか?」

「下心が入った贈り物はいらないって事だよ。言っている意味が分からないかな?」

俺はにっこりとほほ笑みながら彼女を見る。彼女の表情がどんどん険しくなっていく。

「あんなおばさんよりも、私の方が仕事が出来ます」

俺の芽衣をあんなおばさんと言ってくれたよ。この女。こいつの入社時にデータは……さっき自分達の状況を知っている人事部長にお願いして彼女の入社時のデータを教えて貰った。

顔は確かに可愛い方だろう。でもそれだけ。そこそこ名前の知れた大学を出ているけれども事務職での入社になっている。その時点で総合職入社の芽衣とは既に差が出来ている。入社時の資格も教えてもらったが、俺が入社した時と変わり映えがしないものだった。英文科の割にはビジネスで必要な資格は一切取得していない所が事務職採用という結果なのだろう。

「斎藤さんは、入社時に英検1級を持っていたけど、君は?」

「これから頑張ります」

「そう、英文科だよね。いわゆる商業英語をどうして取らなかったの?取得していたら海外事業部も営業部も行けたのに」

「それは……受けるタイミングがなかったからです」

「そうかな?斎藤さんは商学部だけど、ビジネス系統の資格……税理士試験以外は全部取得して入社しているよ?そんな彼女だから営業部のエースでいられたんだ。まあ、今回の異動は彼女自身が希望してようやく実現したものだから。都落ちでもなんでもないよ」

「えっ?」

「彼女は社内税理士になる為に、今は実務実習中。要するに税理士試験の主要科目は全部合格しているんだよ。あの忙しい営業部の仕事の合間に勉強してね。君は英検の申し込みをしたの?してないよね?だって、君からは向上心と言うものは一切見えない。誰かに張り付いて行けばいい位だろ?」

「そんな事はありません」

「じゃあ、なんでそのジュレは一つなの?知らないと思っているの?キャッチコピーも知っているよ。君はそれを使って僕にモーションをかけようとしたんだろう?違うかい?」

彼女はどんどん青白くなっていく。そりゃあそうだろ。こんな分かりやすい手に乗る程、俺も芽衣も馬鹿じゃない。

「キラキラの恋……してみない?違うな……。はじける恋……してみない?か。僕は愛する婚約者と弾けてキラキラの恋しているから、君の願望を叶える事はできない。ようやく手にできた極上の彼女から君に乗り換える気は一切ないから」

俺がはっきり言い切ると、彼女はお盆を芽衣の机に置いて逃げ出してしまった。

「忍。お前やりすぎ」

「いいんだよ。会社には仕事に来る場所。男を漁りに来る場所じゃない。あっ、皆今言った事は誰にも言っちゃいけないよ。僕の婚約者は、まだ披露したくないんだ。それにすぐに結婚しないしね」

「どうしてですか?」

「付き合ってすぐに婚約したから。もっとラブラブな時間が欲しい訳。その位野暮じゃないだろう?」

俺はそう言ってその場を収めた。山口はいい加減にしろよって顔をしている。


暫くすると、竹田さんと芽衣が会議室から出てきた。

「課長も人が悪いです」

「芽衣さん、皆に幸せのお裾分けをしたいんですよね?課長?」

「竹田さんの方が僕の気持ちが分かるみたいだね。こないだ見たよ。旦那さんと一緒の所」

「そういうのはスル―して下さい」

「結婚して今年で何年だっけ?」

「……7年です」

「それにしてはラブラブだよね。今度旦那さんにその秘訣を伝授して貰おうかな」

「そういうことはお断りします。それでは芽衣さん、そのアイデアで進めてみますね」

「そうね。そのアイデアなら多分いい所に行けると思うわ」

「助かりました。ありがとうございます」

にこやかな笑顔のまま竹田さんは秘書課に戻って行った。

「で、竹田さんの用事って何?」

「あれです。業務改善のプレゼン。菫ちゃんに企画してみなさいって言われたみたいです」

「成程ね。ずっと芽衣の側にいたから何かアイデアはもっているだろうと。そして芽衣は?」

「私はもうプレゼンには参加しませんので、気が付いたことを全て彼女に伝えました。どのネタが採用されるかは彼女次第ですよ」

「いいのか?それで?」

「だって、私は総合職よりは専門職ですから。だったら後輩に譲るのもありだと思いますよ」

「成程。流石は芽衣だね。先を見ている」

「だとしても、課長。陽子ちゃんの事に関してはやりすぎですよ。少々気になる点は多々ありましたけど、あの程度の子はどの年にもいますので、気にしないに限ります」

「はあ、そうですか。申し訳ない」

「でも……いいですね。課長と一緒にキラキラの恋ができるという婚約者さんが」

「そう思う?斎藤さんはどうなの?」

この場では絶対に本音で返してくれないのは分かっているけど、あえて問いかける。

芽衣、俺と弾けるようなキラキラの恋してみない?さあ、どう答えてくれるかな?

「愛する人とはいつでもキラキラしていたいですね。おじいちゃん・おばあちゃんになっても。あれ?課長、顔が真っ赤ですよ?」

しれっとこのお嬢さんはとんでもない答えを言ってくる。俺がその彼なのに、あえて違う人の様に振舞っている。このお仕置きは、家に帰ってからするからね?

「いいね。そういう恋人になりたいよ」

「そうですか?課長はパートナーさんと目指して下さいね?」

芽衣が自席に戻ろうとした時に腕を引いて咄嗟に呟く。

「強かに嘘をつく子にはお仕置きが必要だよね?」

大きな目を見開いて俺を見つめている。いいねえ、その表情自宅だったらすぐに押し倒して食べちゃうんだけどな。今は我慢だね。クスクス……どんなお仕置きがいいかな?お仕置きの横にはPure Popを置かないとね。二人で弾けてキラキラの恋をしているんだから。


忍ちゃんの手にかかると純情路線のはずが可笑しくなる。

これは仕様です。諦めましょう。

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