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いつもの平日

『おはようございます』


「ああ、おはよう」


『今お茶を入れますね』


「お、ありがとう」


『今日は忙しくなりそうですか?』


「んーどうだろ、連絡待ちかな」


『お昼、一緒にどうです?』


「んー…昼までにこれ終わらせちゃうから、そしたら行こうか」


友「おはようございまーす おー今日もお熱いようで」


『からかわないでください! お茶いれますね』


「…」


友「なんだよー 機嫌悪いじゃん 茶化したから?」


「いや、もう茶化すのお前位しか居ないわ…そう思うとなにか虚しさがある」


友「昔みたいにみんなに茶化されたいの?」


「言わずもがな 反論の意味で」


友「なんか強引な使い方だな」








『やったー お昼お昼』


「ほい」


ドン


『お弁当きたあああああ』


「ご飯は2つ おかずは1つ」


『お箸は…』


「2つ!」


『お箸1つでいい』


「お前だけ食うのかよ」


『あーん』


「お前の手は何のためにあるんだ」


『仕事のため』


「俺のこの手は箸でおかずをお前の口入れるためにはない」


『じゃあこちらが入れる側に回ろう』


「断固拒否」


『照れちゃって』


「そりゃあ照れるわ!」








『こうやって昼弁当を一緒につつくのも』


「早5年」


『大学時代からだもんなぁ…』


「何でこんなことに」


『料理がうまいからだろ』


「毎日いってる変な習い事辞めて料理でも勉強しろ」


『ぐ…なぜ知ってる』


「同じ時間に退社するのにお前のほうが帰るのが遅いだろ」


『ストーカーだ…』


「付きまとってなどいない!」


『じゃあ想像をしてるんだね…怖い隣人』


「否定はしないが変な域まで達してない!」


『あーハンバーグうめえ…』


「ふっといて聞いちゃいねえ…」








『ご馳走様でした!』


「お粗末さまでした」


『お茶ください』


「セルフ」


『お茶いれたことない』


「朝いれてるだろーが!」


『お昼の後のお茶は朝のお茶とは違うんだ…』


「なにその変な持論」






『ずー うまあ…』


「結局入れてしまう自分が憎い」


『いつもすいませんね』


「…いえいえ」


『あれ?怒ってる?』


「いや…いつも通りの流れだなと思ってさ…」


『5年も同じことしてると飽きるかね?』


「いや、いつもの事で安心する」


『同感』


「…たまには変化はいかがですか?」


『急激な変化は、環境に大きな影響を及ぼす恐れがある』


「急激にも緩慢にも、止まっていたら変化などしないんですが…」






友「もどりましたー…っと また二人で弁当か」


「それにYESと答えてもう3年になるな」


『最初はコソコソ2人で食べてたのに、今じゃ普通にデスクで食べるくらい自然になったなぁ』


友「でも、仕事中とそれ以外の時の口調は変わらないのな」


『家帰ったらおしとやかな口調になるよ』


「予言ですか?」


『うるせーうるせーその内なるんだよ』


「当たらぬ予言などただの妄言だ」


『妄想の達人に妄言などと言う単語を使われてもなぁ』


「使っているからこそ強い意味が宿るのだ」


友「本当に仲いいな」


『でしょでしょ?』


「躾は行き届いていないがね」


『犬は自分より上の人間にしか媚びないのだよ』


「飯作るの辞めようかな」


『わんわん!』


「よーしよしよし」


友「…茶化されなくなるのも頷けるな」








「…」カタカタカタ


『明日 暇ですか?』カタタタタ


「…誰に 言ってる」カタカタタ


『あなた以外に 誰が?』カタカタン


「…暇 だな」カタタタカタタ


『では いい暇つぶしを お教えしましょう』カタタタン


「明日 風邪 引くかも」カタカタカタ


『じゃあ 外出して 治しましょう』カタカタカタカタ


「じゃあ の意味分かってる?」カタン


『逆転の発想です』カタタタタタタン


「色々と意味分かってる?」カタタタタ


『明日あなたが買い物についてきてくれると言うことは分かってます』カタタタタタタ


「…へえへえ」カタン

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