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数日後 届かない 何か

ピンポーン


『こんばんばん 夕飯Please!』


「遠慮なくどうぞお入りください」


『もうピンポーンなんていらないのかしら…』


「…流石にピンポーンはしなさい」


『ナンパ物でムフフしてたら困りますものね』


「ムフフって… おっさんかよ…」


『あらあら、否定せず…と』


「ムフフなんてしねーよ馬鹿野郎 という言葉は省略させて頂いたわけだが」


『じゃあ、その本棚の二層目は処分でいいんでちゅか?』


「…こまりまちゅ…」


『私というものがありながら…』


「お前というものがいるから観る機会がねーのは、確かだな」








『もはや定型文で作っても良いと思われるくらい結構なお点前でした』ズー


「月並みすぎてテレパシーで送りたい台詞を言いたいと思います お粗末さま」


『あー 日常が幸せだぁ…』ズー


「何年も前からのコピペ生活も安定と考えれば幸せなもんだ」


『コピペってなぁに?』


「知らないフリをするな、パソコンオタクめ」


『こういうやり取りも、日常だなぁ…』ズー


「まぁ… そうなるな」


『良くもまぁ飽きもせず』


「それが自然なら飽きないだろうな」


『ご飯食べるのは飽きないからなぁ』


「早くご飯作れない事に飽きて下さいね!」







『…』


「どした?しみじみか?」


コトン


ズィィィッ


「お、うぉぉぉおおい! かかか顔が近いだろ!」


『あらあら、お顔が紅くなって …ちゅーでもご所望かしら』


「からかうんじゃありません…」


『こちらは反応したかしら』


「下に俺の口は無いからこっちみてしゃべりなさい」


『ふふ…』


ギュウウウウ


「次はこっちかよ…なんなんだ一体 いつもと違って前フリなしとは、変化をご所望か?」


『…』


「…? どど…どうした?」


ギュウ


『このまま聞け』


「へいへい 何かあったのか?」


『交際を…申し込まれた わけ なん だが』


「  ………その変り者の物好きの名前が …俺の携帯電話のメモリーに入っていない事を、祈るね」


『 …友君なんだけど』


「…なんと…」


『なんと じゃねーよ お前何か聞いてたんだろ』


「……ああ、まーな」


『やっぱり…』


「でも、好きだから交際申し込みたいって聞いただけだぜ 詳しい事は全く…」


『あいつはやらん! とか言えよな』


「あのなぁ… …俺はお前の親じゃねー」


『…』ムスッ


「それで… なんて…答えたんだ?」


『…気になる?』


「…まぁ、一応…」


『一応かよ…』


「とっても 気になります よ」


『 …保留した』


「ほう… …なぜに?」


『その意外そうな返事は…どっちの意味かしらね』


「ど… どっちのって なんだよ…」


『なんで保留にしたのか それか…』


「…それか?」


『…断る と 思ってた か』


「…さぁね」


『…』


「…」


『じゃあさ』


「ん?」


『YES党とNO党 どっちを支持する?』


「…どっちが与党なのか教えろよ」


『与野党関係なしに、政党を支持すべきだと思うんだけどなぁ』


「…不利な立場なら意見が通らないだろ」


『強力なマニュフェストを打ち出して自力で与党に持っていこうとは思わないのかなぁ?』


「俺に、そんなもんが打ち出せると思うか?」


『…』


「5年ほど前にも敗選してんだぜ」


『でも政党は与党だったでしょ? 多分…だけ ど…』


「自分のやりたい政治ができなきゃ…当選しなきゃ 与党でも意味はないだろが」


『なんで当選しないって諦めてんだよ! 5年間の政治活動は無駄だったのかよ!』


ダンッ


「当選するために飯作ってたわけじゃねえよっ!!」


ビクッ


『…』ガタン


「…あ」


『…』ジワッ


「ご、ごめ」


『ばーーーーーーか!!!!!』


ダッダッダッ


ガチャッ


バタン




「ハァ……」


「さいっていだわ、俺」


「ホント…最低だな…」






ガチャガチャ


ガチャッ


バタン


ダッダッダッ


バフッ


『ぅう…』


『ぅぁぁぁぁぁぁん』


『うわああああああん』


『ひどいよぉぉ… なんでだようぅ…』


『バカーーーーー!!!うあああああん!!!』






「…なんなんだよ」ボソ


「なんでこのアパート… こんなに…壁が…薄…いんだ…」


「声もでけぇんだよ…」


「 …わかってるんだよ」


「自分の答えを… 友とあいつに委ねちゃってんのはよ…」


「自分から攻めようとしてないのはよ…」


「でも… 怖いんだよ」


「次、失敗したら… もう戻れない…」


「それが… 怖いんだ…」


「怖くて怖くて怖くて… 臆病者なんだよ…俺…」


ドンッ


「クソがっ…」


「今日は…片付けも俺かよ…」


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