いつもの夕食
ピンポーン
「はーい」
『隣の者ですがー』
ガチャ
「はい、なんでしょう」
『飯食わしてくれ』
「ごきげんよう」バタン
『おい』ガチャガチャ
「なんなんだ」
『用件は言ったろ』
「突然なんなんだよ」
『いつものことだろ』
ガチャ「…だな」
『ああああああうまああああいいい』モグモグ
「…」モグモグ
『んぐ…』
「ほら、お茶」コトン
ゴキュゴキュ
『…ぷああ…あぶね…』ゴト
「ビールみたいに喉鳴らして飲むなよ」
『こうするとお茶もビールみたいで旨いだろ』
「酒も満足に飲めないくせに」
『なんかいった?』
「滅相もない」
『ふわあー食った食ったーよっこいせ』
ゴロン
「食って寝たら牛になると何度…」
『言われても聞かないのを知っていながら言うのかね?』
「反論できん」
『勝ったー!』
「なぜか負けた気がする」
カチャカチャ シャー
『あ、洗い物はいいよー さすがにするわ』
「じゃあよろしく」
ピピ
『あ、洗濯もいいよー してやるよ』
「いつもの事ながらお断りします」
『何でいつも拒否するんだ』
「プライバシーと言う単語についてググって見てはどうかね?」
『しっかしさー』
「ん?」
『相変わらず料理うまいよな』
「別に普通の麻婆豆腐だろ 有り合わせだよ」
『とか言ってちゃっかりいつも2人分作るもんね』
「…一人分って作りづらいんだよ」
『いつも感謝しております』ペコリ
「寝ながらテレビ見てペコリってなんだよ」
『あー風呂はいりたいな』
「…きいてねえ…」
『風呂たまってる?』
「うちの風呂がたまってたことあるか?」
『そっかーシャワーだけかー』バッ
「おい脱ぐなよ」
『バスタオルは持ってきたよ』
「準備してるからって脱いでいいって事じゃねえ」
『もーいいだろーめんどくさいしー』
「…自分の部屋ではいれ」
『そう言われて引き下がったことがあったか?』
「…記憶にはない」
『あーいいお湯だった』
「せめてパンツくらいは穿け」
『背中向けながらなんでわかるの?目でもついてるの?』
「いつもだろ」
『想像すんなよ変態め』
「変態は間違いないがお前のほうが変態だ」
『ドライヤーあるー?』
「いつのも場所」
『知ってるんだけどね』
「じゃあ聞くな」
『夫婦の会話は多いほうがいいだろ?』
「いつから夫婦だよ…いいからさっさと乾かして来い」
『はいはい』
『入らないの?』
「お前が帰ったら入る」
『帰らなかったら?』
「眠くなったら帰るだろ」
『間違いない』
「さっさと寝ろよー」
『あいあい じゃあまた明日会社でな』 ガチャ
「あいよ」
ガチャン