目指せ魔境深層
昨日はいい一日だった。
クマ魔獣にリベンジを果たし、魔境表層の探索もして冒険者として初収入を得れた。
フォレス村産小麦でつくられたパンに魔獣肉をのせてなんかの液体をかけたよくわからないけどおいしい食べ物を食べてぐっすり寝た。
久々に何の気負いもなくぐっすりと眠れた。
ここ三か月は起きてから寝るまでほぼずっと種を厳選していたからなぁ。
今日は二度寝くらいしていいか。
ぐぅ。
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起きてみた朝日は夕日だった。
自分でも何言ってるかよくわからないが事実としてそうであった。
おかしいなぁ。
これだけ寝てまだ朝かぁと窓から朝日を見ていたら太陽が沈んでいった。
自分が思っているよりも疲れていたのかもしれない。
幸い今はある意味最も自由な自由業こと冒険者だ。
いつまで寝ていても法に触れなければ何をしても許される。
俺を縛り付けるものは何もない!
さて何をしようか。
目標としていたクマへのリベンジは達成した。
次の目標はどうしようか。
魔境表層のさらに奥、魔境深層と呼ばれる場所がある。
魔境深層は魔境表層と比べ物にならないほど危険度が高いらしい。
だから行くつもりではなかった。
命を大きな危険にさらすつもりはなかった。
だがどうだ。
魔境表層でとれた奇抜な植物の数々。
魔力で満ちた土地で長年育ってきた魔力で満ちた土地ならではの特徴。
どれもとても興味深い。ぜひとも研究し改造したい。
魔境深層は表層よりももっと魔力が濃いらしい。
ならば魔境深層はきっともっと奇抜で面白い植物があるはず。
これで魔境深層に行かない手があるだろうか、いやない。
ならば最奥まで潜ってやろうではないか。
危険ならばそれを超える強さを手に入れればいい。
目指せ魔境深層攻略!
それならば魔境でとった植物の調査と改造は急務だ。
あれだけ改造漬けの生活をしてきたが魔境の植物を見た後じゃまだまだ物足りない。
今までは物理的な攻撃に偏重していた。
叩いたり貫いたり溶かしたり爆発させたり。
だが魔境で見つけた植物のおかげで魔法的なアプローチもできそうだ。
ひゃっほう可能性が広がるぜ!
さっそく森で実験だー!
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さぁやってきました魔境表層。
いやー真っ暗だ。深い葉のせいで星明りすら届かない。
発光の実がなかったら何も見えなかっただろう。
真夜中なのになぜここまで来たかというと、土の魔力を求めてだ。
この間みたいに森のはずれに籠ってもいいが、やっぱり魔力の多い土地で試したほうがきっと効率がいい。それに魔獣を使って試したいこともあるし。
さて、現状の課題について考えよう。
やはり実践は大事だ。机上の空論だけじゃわからない課題がたくさん見つかる。
いくつかあるが…気になったものから直していこう。
まず一つ。
昨日…いやもう一昨日か、魔境にいたときにそこそこ疲れた理由。
いちいち種を選んで地面にたたきつける行為そのもの。
これのせいで魔獣発見から撃破まで時間がかかり近づかれ地味に危なくなったこともあった。
魔境深層においてこの隙は致命的だろう。
今日はまずその対策をしよう。
あ、魔獣来た。
連鎖貫木を自分の魔力で発動させてみる。
ちゃんと発動した。が、俺の魔力ががっつり持ってかれた。
連鎖は魔獣の魔力で発動するため比較的魔力消費の少ないこれでこうなのだからほかの種は到底無理だな。
打てて二、三発。これじゃだめだ。
なのでこれを試してみる。
靴裏の根から手まで服の下に魔力をよく通す魔境産の幹をつなげる。
その状態で手で種を起動すれば…よっしゃ地面の魔力で発動した!
大規模に成長するものでは使えないが牽制程度ならばこれで発動できる。
そして手で発動させたツルでほかの種を地面にたたきつける。
よしできた!これで複数種の種を同時にすぐ発動できるようになった。
こんな調子でどんどんやっていこう!
魔境引きこもり生活の始まりだ!
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「なぁあんた植物魔法でここまで来たのか?すげぇな!」
「あぁうん」
「植物魔法使いなんて大体地味だと思ってたんだがあんたは一味ちげぇなぁ!」
「あぁうん」
「さすがに最近は肉ばかりで飽きちまった。野菜くれねぇ?金はねぇけど討伐証明部位ならやるからよ」
「あぁうん」
おかしいなぁ。
魔境籠り14日目。
魔境の、それもだいぶ深層に近づいた場所で上裸のムキムキマッチョに話しかけられる幻覚が見え始めた。
疲れてるのかなぁ俺。
はきはきとしゃべる大きな声に反応したのかクマ魔獣が男の背後に現れた。
声をかける暇もなく男の首にクマ魔獣の爪が振るわれた。
が、クマ魔獣の爪が砕けた。
疲れてるのかなぁ俺。




