魔境深層
「「ひゃっほおおおおおおう!!!」」
現在葉翼蛇樹にのって魔境深層へ爆進中である。
「すっげーなこれ!すっげーなこれ!!」
「すべてを蹴散らせ葉翼蛇樹!!」
襲ってきた魔獣は高速で動く硬い幹に触れた瞬間吹っ飛んでいった。
進路を妨げる岩をぶち抜いた。
「あ、様子変わった」
「ここからが魔境深層だ!気合い入れてくぞ!ハタ!!」
「応!!」
葉の色が深い黒色になった。
間違いない。聞いていた通りの特徴だ。
さぁ!魔境深層攻略開始だ!
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ガァァァァァ!!!!!
深層に入って数秒。太陽の光さえ届かない深き黒き森。
その奥から野太い咆哮が聞こえる。
「さっそくお出ましか!」
表層とは比べ物にならないほど大きいクマの魔獣が現れた。
「小手調べと行こうか!魔改造植物「増殖悪食」!」
最初は葉翼蛇樹を使わないで戦う。
これに頼りきりで奥に進むのは危ないからな。
表層より一回り、いや二回りくらい大きくなったクマの魔獣に何もかもを喰らい増殖する苔を放つ。
表層のクマ魔獣を完封できた「魔力喰らい」の改良版だが…
表層のクマ魔獣の何倍も使われる魔力で発動する魔法はさすがに吸いきれなかったようだ。
とはいえ魔法が発動するまでの一瞬。確かに傷をつけられた。苔が相手を喰った。
決して勝てない相手じゃない!
目を焼くような強い蒼き発光。
全てが凍り付いてゆく。クマ魔獣を中心に発動する魔法によって一面が凍ってゆく。
巻き込まれたら普通なら死ぬだろう。だがこいつは普通じゃない!
「傷口発見!」
氷結をものともせずカルラが傷口に拳を叩き込む。
ギャァァァァァァ!!!!
クマ魔獣の悲鳴が響き渡る。
深層の魔獣とはいえ傷口をぶん殴られちゃ魔法は維持できないよなぁ!
どでかく開いた口に手から延ばす蔦で魔改造植物「魔乱狂花」を押し込む。
周囲の魔力を乱し、制御を効かなくさせる花によって体内の魔力が暴走する。
クマ魔獣は体の中からずたずたになってゆく。
今こそ勝機。
カルラが拳を構え俺が渡した籠手の紐を引きぬく。
直後籠手が爆発。莫大な推進力を生み出す。
「爆発籠手」によって加速したカルラの拳がクマ魔獣の頭を消し飛ばした。
「やったな!」
「おうよ!」
ハイターッチ!
ベチコーン!
いってぇ馬鹿力がよぉ!
「葉翼蛇樹無しでも勝てたな!」
「なしで動物魔獣に勝てないようじゃさっさと引き返す予定だったが、これなら大丈夫そうだ」
巨大なクマ魔獣の死骸に葉翼蛇樹の尾を突き立てる。
それだけで死骸の魔力をこの木はすべて吸い取った。
魔力を失い死骸が崩れ去ってゆく。
「深層の魔獣は魔力の割合が大きいのか」
「死んでからすぐ体が崩れ始めてたな!」
この様子であれば葉翼蛇樹を使えば余裕ができる。
さぁお待ちかね魔境深層の植物巡りだ!!!
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素晴らしい。本当に素晴らしい。
「なんだこいつ動くぞ!!」
やはり魔境の深層は違う。
表層じゃこんな植物見れない。存在しない。
「おい!ハタ!何とかできないか!?やばい巻き付いてきた!!」
「待ってもう少し観察させて?たぶん魔力を吸うタイプだから君は捕まっても大丈夫だと思うから」
「そういう問題じゃないだうわぁぁぁ!!」
「ほい「魔力喰らい」」
「どべっ!」
こんなにアグレッシブに動く植物は見たことがない。
しかもカルラを拘束するだけの力もある。
なんと素晴らしい。欠点は魔力吸収に対して弱すぎるってことか。
魔力を吸うための魔力伝導率は吸われるのにも役に立ってしまっている。
魔力への依存度が高いのはここの植物に通じるのだろうか。
「丈夫さを信用してくれるのはうれしいんだが!速く助けてほしかった!」
「ブチブチっていけるかと思って」
「ぐにょーんってちぎろうとした部分が避けてたんだよ!」
ギァァァァァァ!
来たな魔獣。こんどは鹿か!
行け葉翼蛇樹!飲み込む!
幹の成長方向を調整し鹿を包み込む。
飲み込まれた鹿が幹の中で暴れるが脱出される気配はまるでない。
氷、炎以外の属性ならばこれで大体何とかなる。
飲み込んだら溶解液で溶けるまでほっとけばいい。
やはり硬さ、硬さは正義だ。硬さは何もかもを解決する。
さてどんどん進んでいこう。目的地は人類未踏の最深部!




