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第19話 ピアノレッスン

夕暮れの王都。石畳を叩く三人分の足音が、同じ歩幅でヴィンクルムの前に止まった。

 焙煎豆と蜜菓子の匂いが、ひやりとした空気に混じって店内へ流れ込む。カウンターの上では、文鳥のアウリスが羽をふくらませて眠っていた。


 アルトは窓の掛け金を外し、エーリはレジ札を「準備中」に返す。ミヤビは奥のテーブルに資料を広げ、顔を上げる。


「アルトさん、あの譜面……書き起こせる?」


「ええ。線の曲がりまで目に残っています」


 五線紙とペン、卓上の魔石ランプ。アルトは聖堂で目にした童謡の譜面と、新しく現れたパートを、一音ずつ慎重に写し取っていく。

 ミヤビとエーリが符頭の位置や加線の数を指でなぞって確かめ、記憶の輪郭を揃える。やがて数枚の紙が机の上に整然と並んだ。


「試してみましょう。王立連合音楽競演の腕前ご覧あれ」


 アルトがピアノへ向かい、椅子を静かに引く。姿勢、呼吸、指先――鍵盤に触れる。


 ……何も起きない。白鍵は沈むだけで、音も光も返ってこない。


「起動せず、ですね」


「じゃあ、僕が」


 ミヤビが交代し、鍵盤に指を置いた瞬間、内部の魔石がかすかに灯り、低い唸りが生まれる。


「おお、反応した!」とエーリ。だがミヤビは譜面を見つめ、眉を寄せた。


「……読めない。全然」


「では私が代わりに」


 アルトがそっと手を置いた途端、灯りはすっと引き、沈黙が戻る。

 三人の間に、短い息だけが落ちた。


「マリナ院長はならどうですかね?」


エーリが思い立ったようにつぶやく。


「ああ確かに。僕以外でこのピアノが反応したのは院長先生だけだ。先生なら腕も確かだし」


 ミヤビが顔を上げる。「お願いしてみよう」


 エーリが頷き、カウンター下からフォニアを取り出す。魔石を軽く叩くと、水面のような光が広がった。


「――はい、エーリです。すぐじゃなくて大丈夫、明日お時間いただけますか?」


 連絡を終えたエーリが振り向く。

「明日、来てくれるって」


翌日の昼下がり。扉が開き、冬の光を背にマリナ院長が姿を見せた。


「さて、今日はどんなご用件かしら」


 ミヤビが一歩前に出る。


「あの譜面の続きがわかりました。先生なら、この曲を完成させてくれるかと」


 マリナは軽く目を見開き、微笑む。


「続きがあったのね、楽しみだわ。じゃあ、譜面を見せてもらおうかしら」


 そのままピアノへ歩み寄り、静かに腰を下ろした。


マリナ院長は姿勢を整え、鍵盤の上で指を軽く組む。まるで短い祈りを捧げるように、ひと呼吸置いてから手を開いた。

 鍵盤に触れた瞬間、内部の魔石が淡く灯り、低い唸りがピアノ全体に広がる。眠っていた機構が、呼吸を取り戻すように震えていた。


 最初に童謡の主題。指が流れるたび、旋律は柔らかく店内を満たしていく。

 続いて、アルトが書き起こした新パートが違和感なく繋がり、音は一枚の布のように重なっていった。

 最後の和音が空気に溶けた瞬間――譜面台脇の水晶板に古代マニール文字が浮かび上がる。


 『完全一致』。


 三人の間に小さな安堵の吐息が漏れた。だが、文字はすぐににじみ、別の言葉に塗り替えられる。


 『資格なし』。


 しんと静まり返る店内。マリナは小さく息をつき、苦笑した。


「起こすことはできても……これは私の役目じゃないようね」


 ミヤビは鍵盤と水晶板を交互に見つめ、肩を落とす。


「……あと一歩なのに」


 その後何度か試みたが水晶板は同じ反応を繰り返した。


「……すみません、院長先生。せっかく来ていただいたのに」


 マリナ院長は柔らかく首を振った。

「気にすることはありませんよ。道は一つとは限らないのですから」


 その穏やかな声に、ミヤビは小さく頭を下げた。

 アルトとエーリも続いて礼をし、三人はマリナを入口まで見送る。


 扉が閉まると、店内にはしばし無言の時間が流れた。

 窓の外では冬の陽が傾き始め、石畳を橙色に染めている。


マリナを見送り、三人はしばし無言のまま店内に残った。

 窓の外では、冬の陽が傾き始め、石畳を橙色に染めている。


「……少し、外の空気吸ってくる」

 ミヤビはコートを手に、店を出た。


 ヴィンクルムの外壁沿いを歩いていると、壁の一角に不自然な凹凸が目に入る。

 苔を指で払い落とすと、褪せた古代マニール文字が現れた。


「アルトさん、ちょっと来て!」


 すぐにアルトが外へ出てきて、その刻印を覗き込む。


「……これは古代マニール文字ですね」


 指で線をなぞり、淡々と告げる。


「意味は――『教会』、です」


 ミヤビは壁とアルトの顔を交互に見た。胸の奥に、じわりと疑問が広がる。


「……教会?」


 ミヤビは刻印を見つめながら呟いた。


「なぜここにそんな印が?」


「確かに、気になりますね」

アルトが頷く。


「古代の教会であれば、地図や記録に残っているはずです。……ユリシウス様の執務室になら、古い地図の写しが保管されているかもしれません」


「じゃあ、行ってみよう」ミヤビは即答した。


 二人は店に戻り、フォニアで早馬車を呼んで奥で帳簿をつけていたエーリを伴って外へ出る。

 向かう先は、これまでも水門の謎で幾度も力を貸してくれた人物――宮廷筆頭楽師にして宰相、ユリシウスの執務室だった。


「古代マニール文字の刻印?」


 ユリシウスは片眉を上げ、机の上の書類を押しのけると、背後の棚を探り始めた。

 埃をかぶった巻物を数本引き出し、その中から一本を選ぶ。革紐をほどくと、羊皮紙の匂いとともに古びた地図が広がった。


 黄ばんだ地図には、今よりも建物の少ない王都と周辺の地形が描かれている。ところどころに赤い印が打たれ、薄れた文字が添えられていた。


「ここが今のヴィンクルムの位置だ」


 ユリシウスの指先が一つの印を示す。そこには、かすれながらもはっきりとこう記されていた。


 『聖アウラ教会』。


「……本当に、教会だったんだ」


ミヤビが息をのむ。


「そうだな」


ユリシウスは巻物を見つめながら低く答える。


「ただし百年以上前に閉鎖されたらしい。詳細な記録は残っていない」


「じゃあ、あのピアノは……」


ミヤビの声が細くなる。


「そこまでは解らんな」


ユリシウスは肩をすくめる。


「だが、場所の由来がわかっただけでも収穫だ」


 古びた羊皮紙の上で、赤い印がじっとミヤビを見返しているように感じられた。


 聖アウラ教会跡地――その言葉が頭から離れないまま、ミヤビは生家を訪ねた。

 古い木戸を開けると、薬草と焚き火の混じった匂いが漂う。奥の寝椅子に、毛布を肩まで掛けた父が腰を起こしていた。


「おお、ミヤビか。顔を見せに来たのは久しぶりだな」


「ちょっと聞きたいことがあって」


 父は眉を上げ、湯呑を置く。


「教会跡地だったって知ってた? ヴィンクルムのこと」


「さあなあ……そんな昔のことは知らん。ただ……」


と、父は目を細めた。


「音楽の神様か……昔は不思議と音楽家がよく来る店だったな。王立音楽院の生徒や楽師が常連だったのは覚えてる」


 ミヤビはうなずき、さらに尋ねる。


「じゃあ、あのピアノは?」


「ああ、それか」父は小さく笑った。


「お前が生まれた日の朝だよ。常連の奴らが祝ってくれるってんで、店を貸切にしたんだ。その日の朝、店の前にこのピアノが置かれてた」


 父は首をひねる。


「音はまったく出なかった。だから最初は処分しようかと思ったが……子どもが生まれた日に何かを捨てるのは縁起が悪いだろう? それで、インテリア代わりに店に置いたんだ」


「……そうだったんだ」


 少しの沈黙の後、父がふと笑みを浮かべる。


「店はどうだ? やっていけてるか」


「うん。仲間と一緒に、楽しくやってる」


「そうか……」父の声が少し和らいだ。「なら安心だ」


 焚き火のぱちりと弾ける音が、短い会話をやさしく包み込んだ。


 夕刻、ミヤビはヴィンクルムの扉を押し開けた。

 カウンターではアルトとエーリが並び、帳簿を整理していた。


「オーナーおかえりなさい。どうでした?」


エーリが顔を上げる。


 ミヤビはコートを脱ぎながら、父から聞いた話を順に語った。


――自分が生まれた日の朝、音の出ないピアノが店先に置かれていたこと。

 ――縁起を担いで、インテリアとして置かれたままだったこと。


 話し終えると、短い沈黙が降りた

「……やっぱり、このピアノはオーナーが弾くためのものとしか思えませんね」


アルトが静かに言った。


「根拠は?」


ミヤビが眉をひそめる。


「起動するのはオーナとマリナ院長だけ。そして院長は資格なしと表示されました。であれば、条件を満たすのは……」


「僕、ってことか」


ミヤビがぽつりとつぶやく。


 エーリが腕を組み、壁の方を見た。


「生まれた日に置かれたってのも、偶然って言うにはできすぎじゃない? しかも教会跡地で」


「因果の糸は、過去から現在まで繋がっているように思えます」


アルトが付け加える。


 ミヤビはしばらく考え込み、やがて肩を落とした。


「でも僕、ピアノなんて弾けないし」


「練習しかないでしょう!」


エーリが笑う。


 アルトは小さく頷いた。


「孤児院のピアノを使いましょう。あれなら教えるときに私が弾いても普通に音が出ますし、マリナ院長も協力してくれるはずです」


 ミヤビは息をつき、それでも笑みをこぼした。


「……わかった。よろしくお願いします」


 翌日、ミヤビとアルト、エーリは孤児院を訪れた。

 正面扉を開けると、暖炉の薪がぱちぱちと音を立て、甘い干し果物の匂いが漂っている。子どもたちの笑い声が、廊下の奥から弾んで聞こえてきた。


「ようこそ。ピアノは奥の部屋に用意してあるわ」


 マリナ院長が迎えに出て、軽く会釈をする。その横で、年少組が好奇心丸出しの瞳で三人を見上げていた。


 案内された部屋には、年季の入ったアップライトピアノが置かれていた。ヴィンクルムのそれと違い、鍵盤に触れれば素直に音が返ってくる。


「ではオーナー、まずは鍵盤に触れるところから始めましょう」


アルトが言う。


 最初の一日は、鍵盤に慣れるだけで終わった。

 二日目からはアルトが五線紙を広げ、譜面の読み方を教え始める。


「この丸いのが音符です。位置で高さが決まります。線の間は……」


「えーと……」


ミヤビの声はすでに弱々しい。


「慣れです。まずは『ドレミ』の場所を覚えてください」


 三日目は姿勢。背筋をまっすぐにし、肩を落とし、腕の重さを鍵盤に預ける練習だけで午前が終わった。


「まだ弾かないんですかー?」


とエーリがからかう。


「弾く前に、正しく座ることができなければ無駄です」


アルトの返答は変わらない。


 四日目はリズム。右手は二拍子、左手は三拍子。口でカウントしながら、机を叩くだけの反復。


「に……に……さん……ああもう!」


ミヤビは額を押さえる。


「はい、もう一回」


アルトは淡々と硬貨を弾く音で拍を刻む。


 五日目もほぼ同じ。子どもたちが廊下で歌って遊ぶ声が、練習部屋の単調な音と交じり、時間がやけに長く感じられた。


「……まだ曲らしい曲に入れないの?」


休憩中、ミヤビがぼやく。


「あと少しです。基礎はすべての音楽の土台ですから」アルトはそう言って譜面を指先で整えた。


 こうして、ミヤビにとっては終わりの見えない基礎の日々が続いていった。


――六日目。


 机の上に、古びた木製のメトロノームが置かれた。三角形のケースに真鍮の振り子が揺れ、一定の速さでカチ、カチと音を刻む。


「テンポはこの速度です。音が合わなくても、止まらずに続けてください」アルトが告げる。


 ミヤビは鍵盤に手を置き、視線の端で振り子の揺れを追った瞬間、胸の奥で何かがざわついた。


 ――同じ音、同じ揺れ。ここではないどこかの記憶


 白い壁、乾いた木の匂い。大人の女性の声だろうか「はい、もう一度」と言われている。

 両手が、今よりも大きな鍵盤を押さえている感覚。子供の手だろうか……

 記憶の中の「誰か」は今より上手に指を動かしていた。

 その記憶の感触はまさしくヴィンクルムでのあの奇跡の演奏の時に感じたものと同じだった。


 カチ、カチ――。

「……?」ミヤビは手を止めそうになり、慌てて弾き直す。

 知らないはずの景色、聞いた覚えのない声。それなのに、あまりにも鮮やかに浮かぶ。


「どうかしましたか、オーナー」

アルトが首を傾げる。


「いや……なんでも」

ミヤビは短く答え、視線を譜面に戻した。


 だが、振り子の動きが目の端に入るたび、あの断片がまたよぎった。


――何なんだ、この記憶。


そんな地道な練習の日々が、さらに数日続いた。

 音符の形、鍵盤の位置、拍の数え方――頭では理解しても、指と体が思うように付いてこない。


 七日目の午後、ひと区切りついたところでマリナ院長が温かい茶を運んできた。


「少し休憩しましょう。子どもたちもおやつの時間です」


 湯気に顔をほぐされながら、ミヤビは持参した雑誌「神の食卓」を何気なくめくった。そこで目に留まったのは、こんがりと焼けたアップルパイの写真と、その工程図だった。

 生地を伸ばし、折り、寝かせ、また伸ばす――何度も繰り返して層を作る説明に、練習の反復と同じ匂いを感じた。


「……これ、いいかも」


ミヤビが呟くと、横からエーリが覗き込み、「おやつ? いいね!」と即答した。


「子どもたちも喜ぶでしょうし、折りたたみの工程はちょうどリズム練習にも通じます」アルトも頷く。


「じゃあ、今度の休みに作ってみようか」


ミヤビは笑い、雑誌を閉じた。

 次の練習日までの間に、少しだけ楽しみが増えた。


休日の午前、孤児院の厨房はいつになくにぎやかだった。

 テーブルには粉袋、バター、林檎の木箱が並び、子どもたちが順番に手を洗って列を作っている。


 ミヤビは雑誌を開き、ページの端にある小さな囲み記事に目を留めた。


『同じ手間を繰り返すことは、退屈ではなく、恵みを深める行いである』


 短いその一文が、胸にすとんと落ちた。ピアノの練習と重なるようで、自然と口元が緩む。


「じゃあ今日は、この通りに作ってみよう」


 レシピを閉じ、材料を計量する。生地を伸ばしては折り、また寝かせる――何度も繰り返すたびに、粉の手触りと香りが少しずつ変わっていく。


 林檎は薄く切って砂糖と煮詰め、艶やかな琥珀色に。部屋いっぱいに甘い香りが広がる頃、生地と果実が合わさり、オーブンの奥で静かに膨らみ始めた。


 焼き上がりを待つ間、子どもたちは練習部屋のピアノの周りに集まり、拙いながらも歌を合わせ始める――。


.香ばしい匂いが漂い、オーブンからきつね色のパイが現れた。


「わあ……!」


 子どもたちの目が一斉に輝く。マリナ院長が切り分け、湯気の立つ欠片をそれぞれの皿へ置いていく。


「いただきます!」


 かぶりつくと、ほろりと崩れる層の中から熱い林檎の甘酸っぱさが広がる。

 ミヤビは焼きたての香りと子どもたちの笑顔に、少しだけ胸の奥が温まるのを感じた。


 食べ終えると、年長組の子が手を挙げた。


「お兄ちゃんが練習してる曲、歌うねー最後の方は知らないからなんとなくうたうー」


練習部屋に移動すると、子どもたちは円になり、元気いっぱいに声をそろえる。



 ミヤビは譜面台に自分用の楽譜を置き、椅子に腰を下ろした。今まさに練習中の曲――何度も指がつりそうになるまで繰り返した旋律だ。


 ぎこちない指運び。それでも、鍵盤からこぼれる音は子どもたちの歌声に寄り添い、部屋いっぱいに温かさを満たしていく。

 拙くても、笑顔と歌が混ざれば、それは立派な音楽だった。


 数週間後、ついに本番の日。

 ヴィンクルムの営業時間前、ミヤビとアルトはピアノの前で最終確認をしていた。


 そのとき、扉が勢いよく開く。


「じゃーん!」


 エーリが大きな包みを抱えて飛び込んできた。


「ほらオーナー、これ着てこれ!」


 包みを解くと、中から現れたのは漆黒の燕尾服。


「……なんでやねん」


ミヤビは素でツッコむ。


「だって、本番なんだし雰囲気出るでしょ!」


エーリは満面の笑み。


 アルトは一歩下がり、淡々と評した。


「私ほど似合うわけではありませんが……オーナーも、それなりに“キマッて”おります」


「いや、比べないでよー」


ミヤビは苦笑しながら袖を通す。


 思っていたより肩に馴染む布地に、少しだけ背筋が伸びた気がした。


燕尾服の裾を整え、ミヤビは深呼吸をした。

 アルトとエーリが左右に立ち、互いに小さくうなずき合う。


 椅子に腰を下ろし、指を鍵盤に置く――孤児院での日々が、一気に脳裏を駆け抜けた。

 繰り返し折りたたんだ生地、子どもたちの笑顔、重ねた音符の一つ一つ。


 最初の一音が響くと、ピアノの内部が淡く光を帯びる。

 孤児院で刻んだリズム、何度も折り返した旋律が、滑らかに繋がって流れ出した。


 最後の和音が静かに空気へ溶ける。

 その瞬間、譜面台脇の水晶板に古代マニール文字が浮かび上がる。


 『完全一致』『解錠』。


 淡い光とともに、ピアノ内部から軽い機構音が響く。

 三人は顔を見合わせた。

 長く閉ざされていた扉の前に、ついに立った――その実感だけが胸を熱くしていた。


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次回「アウラ・グラティア」 ヴィンクルムのピアノが開く。その中から取り出された水門開放の術を記した文書アウラ・グラティア。その中身とは

14日(火)21:00更新 

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