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2度目の討伐

 周辺魔物狩りPT・・・・・・ミラとリース達が先行して、ゾンビを引きつけて処理を行う。全てを倒す必要はないので、ザケンへ向かう道すがらの魔物だけだ。


 そこには事前に決めていた様にスタンタックPTと弓PTの人も同行し、ゾンビを倒していく。


 ある程度近場の魔物を倒し終えるとセラ、ジャンヌ、スカーレットを先頭に俺達メイン盾PTも続いて行く。その後ろにはWIZPT、スタンアタックPT、1番最後尾には弓PTが続く。



 いくら耐久力があり、力が強いと言ってもゾンビだけならミラ達の脅威にはなりえない。ここに木人形までいなくて助かる。あいつらは背が低く速く動き回るので、倒すのにも一苦労するからな。


 流石に盾無しでアタッカーのみで攻撃するのは危険が増してしまう。それだけはこちらに都合の良い出来事かな。




 慎重に、だが速やかに周辺魔物狩りPTが進んで行く。ある程度進むと一番先頭を行くミラが立ち止まる。あれ以上進むとザケンに認識されてしまうからだろう。


 FA(ファーストアタック)はヘイトを非常に稼いでしまうので、やはり盾が行うべきだろう。



 セラ達盾3人がミラを追い越したところで、こちらをふり返らずに声をかけてくる。


 その声を聞きメイン盾PTのソードシンガーが歌をPTの為に歌う。



「ハガネ、昨日はすまなかった。不甲斐ない自分を、またメイン盾として指名してくれ嬉しい限りだ。今日は最初からジャンヌとスカーレットと連携して戦う。無駄なダメージを受けて、ハガネの手を煩わせな様にしていく」


「ああ。信頼しているよ、セラ」


「嬉しい言葉だ。任せてくれ。良し―――ジャンヌ!スカーレット!行くぞ!!」


「はい!」


「応!」



 その掛け声を聞きメイン盾PTのソードシンガーが歌をかける。

 

 声を上げセラがレイドボス討伐の花形・・・・・・FAをする為に、凄まじい勢いで走っていった。そこから少し遅れる様にして2人が追従していく。3人とも、絶対しなせないからな。



「さ、レナとユイも行こうか。ヒールとリチャージ頼んだよ。エルダーのお姉さんもお願いね」



 緊迫した場面ではあるのだが、必要以上に緊張しても仕方が無い。



「ハクも全体のエンチャントの時間管理はいつも通り任せるね。順調にいけばオルフェンよりは早く倒せるさ」



 そう伝えたものの、ザケンのHPが6割を切り浮遊サーベルを6本使って来た時と、その後の範囲HPドレインに対する対策は何もない。


 流石に昨日の今日で絶対に勝てる様な策を俺が出せる訳もなく、浮遊サーベルに関しては盾3人が頑張るのと操る本数が5本になったらワニも補助にも入る。


 6本になって少し経ち、昨日の様にザケンが魔法を放とうとしたら近接職は退避。弓PTはスタンショットを放ち、効果があっても無くても1撃撃ったら退避。盾3人はUD(アルティメットディフェンス)を使い、ワニは急いで離れてもらう。考え付いたのはこれぐらいだ。


 完全に人任せであり、運任せで作戦と呼べるようなものではない。それでも倒す為に何かを考えた結果がこれだ。俺じゃなくて他の人ならもっといい案が出せたのかも知れないが・・・・・・そんな人は今この場にいないので、考えるだけ無駄だ。出来る事をやろう。



「おおぉぉぉぉっ!!」


 

 そんな事を考えているとセラがザケンにFAをぶちかました様だ。セラの勇ましい声が聞こえてくる。



 暫し攻撃をして、ヘイトを使いターゲットを安定させたところで再度声がかかる。



「いいぞ、ハガネ!!」


「わかった!WIZPTは全力で2割残し!弓は3本までは攻撃メイン、4本なったらスタンメインで!攻撃開始だ!」



 俺の掛け声と共にWIZから攻撃魔法が一斉に放たれる。味方の魔法を受けない様に、盾3人も少しだけザケンと距離を置く。魔法攻撃が落ち着くと今度は弓PTからの一斉掃射だ。ザケンに次々と矢が刺さっていく。


 そうするとまたセラが少し前に出て剣でザケンを斬りつけヘイトを入れ、それとほぼ同時に背後からリリがスタンアタックを入れる。良い連携だ。何年もずっと一緒に狩りをしている訳じゃないのに、皆の力量が改めて凄い物だと思わされた。


 ザケンからの攻撃もセラが基本的には受け流し、他の2人はまだ適度にシールドスタンを入れる位だ、まだ浮遊サーベルは動いていないし、いかにザケンの力が強いとは言え、セラの方が技術がある。他2人の補助が入るのは浮遊サーベルが動き出してからだな。



「は~さん、このままどんどんいっちゃうよ!WIZの皆は私に合わせて全力攻撃を!」



 WIZPTはリカがしっかりと導いており、誤差なく攻撃魔法がザケンへ叩きこまれる。もし攻撃がバラバラになったら盾が受けるタイミングが難しくなってしまう。



 そんな全員の息の合った攻撃と、周りの魔物を近寄らせない様にしてくれている人達のお陰で、討伐開始から5分もしないうち、浮遊サーベルが向きを変える。



「ジャンヌ、スカーレットくるぞっ!フォローを頼む!」



 セラも直ぐに気が付き、2人へ声をかける。ダメージを与える速度としては思いの外順調だ。浮遊サーベルが動き出しても、盾の三人は安定して攻撃を捌けている。



「魔力は5割位!」



 事前に決めていた様に、リカが魔力の残りを知らせてくれた。既にザケンの浮遊サーベルは2本動き出している。このままいけば5本位で一旦MP休憩が必要だな。


 理想としては5割まで一気に削り、6割削ったところで魔力の残りは7割ほどに。ザケンが範囲ドレインの構えを見せたら退避し、MPを回復させる。その後9割近い魔力を注ぎ込み、スキル全開で討伐する。


 ザケンの浮遊サーベルが6本の時間は出来る限り短くしておきたい。ワニも補助に入るとはいえ、あれを4人でダメージなく捌くのは不可能だ。その為にも魔力調整は必須。




 特に問題なくザケンの浮遊サーベルが4本になる。それを見てワニも弓PTの指揮をハンナに任せ、短剣を構え最前線へ。セラは多少の被弾をしているが、周りの助けもあり安定して受けられている。



 浮遊サーベルが5本になると同時にリカから再度声が上がる。



「残り2割!全員離れて休憩を!」


「リリ、スタンアタックPTでWIZPTの護衛を。ハンナ、弓PTはスタンショット優先で!」


「はいです!」


「了解!」



  WIZPTが距離を置き、その周りをスタンアタックPTが護衛する。ここから6本になる迄は徐々にザケンのHPを削りつつ、範囲ドレインに備える。



 

 やはり1度戦ったのは無駄ではなかった。とてもスムーズに状況は進んで行く。


 だが、油断せずに討伐して経験値が入って来るまでは、全力で行かせてもらおう。

 

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