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攻撃だけでは勝てない

 その後攻撃が一度落ち着き、ザケンとの距離が出来る。


 俺は何の気無しにワニ達を見てみた。ミラとリースだけではなく、ワニもゾンビ狩りに加わった事で何とか湧いてきたゾンビを倒すのが追いついてきており、ミラとリースの2人も合流出来て死の危険はなさそうに見える。


 少し離れた場所でワニは1人で狩りを行っているが、まぁ大丈夫だろう。ゾンビが10匹位同時に来ても避けられそうだし、そもそもそんな状況に追い込まれる程ゾンビとの実力差は小さなものではない。




 現実逃避も含めて3人を見てみたが、問題は俺だな・・・・・・。既に血がついていないところを探すのが難しい程斬り刻まれており、何とか足に直撃はしていないが左腕は二の腕辺りを先ほど貫通されたところだ。


 やはりこの攻撃をずっと避け続けるのは難しい。ワニは良く避けられていたと改めて感じる。


 とりあえず距離が出来たので自分へヒールを1度かける。痛みが嘘の様に引いていくが、流れた血まで完璧には戻らない。それと痛みが引くと言っても0にはならない。なので、今は激痛から鈍痛に変わったぐらいだ。



 この4人でザケンを受け持ってから・・・15分位は経ってくれただろうか。最低限30分は時間を稼ぎたいところなのだが、このままではそれも望みが薄いな。


 情けない話だが、ここから俺1人でザケンを押さえておくのは無理だな。今1人で稼げた時間など5分あるかないかだろう。後15分1人なら、きっと5分持たずにやられてゾンビの相手をしている3人へ向かってしまう。それはまずい。


 ワニと2人でならば15分持つかもしれないが、そうなってくると多分ミラとリースのゾンビ狩りが追いつかなくなってしまう。そうなると結局こちらにゾンビまでが来てしまったら、ザケンと同時に相手どるのは不可能に感じる。



 

 さて、後ろ向きな事ばかり考えていても、結局は時間を稼ぐしかないのだ。諦めて特攻してこようかね。


 浮遊サーベルを全て見切るのは俺には無理だ。先ほどの戦闘を見ている限り、流石のワニでもUE(アルティメットイベイジョン)を使っていないと一撃も喰らわないと言うのは無理だろう。それは十分に理解した。


 なのでここからは練習ではなく、本番って事になる。命をかけてこの状況で練習している場合じゃないのは分かっているが、やはりやれる事はやってみないとね。痛いのでもうやらないが。




 俺は手のひらをザケンに向け魔力を溜める。それを見てもザケンは全くリアクションをしない。普通少しでも攻撃の脅威を感じれば何かしらリアクションがあるはずだが、これやっぱり攻撃が効いてないでしょ。


 それでも攻め続けるしかない。


 溜めた魔力に風を混ぜWS(ウィンドストライク)を放つ。初めて使った頃と違い、ちゃんと狙い通りザケンの顔面へ飛んでいく。


 着弾は確認せず、放つと同時に走り込む。WSじゃ目隠しぐらいにしかならないと思うが、ないよりはましだろう。距離を縮めた所で足に向けDU(ディスプラトアンデット)を詠唱し放った。


 顔面にWSが到着すると同時位にザケンの足へ砂もろともDUが発動する。また砂を巻き上げると共に、ザケンにも命中している為、ザケンの動きが止まる。元々動いていた訳じゃないけどね。



 DU着弾と共に、再び走り込み俺の足が届く場所まで行くとしゃがみ込んで足払いを打つ。先ほどザケンは俺の蹴りで横に倒れていた。浮遊しているものの足払いは有効だと思ったのだ。


 結果として両足を刈り取ったところ、ザケンは先ほど同様横に倒れてくれた。


 水面蹴りを放った勢いでもう1回転し、反対側の足で横倒れになっているザケンの頭頂部を蹴り込む。倒れている時は流石に浮遊サーベルは飛んで来ない様だ。なら、ずっと転倒させながらダメージを与え続けられたら・・・・・・。




 残念な事に蹴られたザケンにダメージは見受けられず、何事もなかったかの様に立ち上がりしゃがんだ状態のこちらへサーベルを振り下ろしてくる。


 このままでは身体が真っ二つになってしまうので、しゃがんだまま地面を蹴り砂の上を転がる。こちらも直ぐに立ち上がり身構えるも、浮遊サーベルがまた刺突の状態になっていた。


 慌てて後方へ跳び少しでも距離を稼いでおく。飛びながらDUを身体の中心へ命中させたのだが、効いてはいなそうだけど浮遊サーベルは放射状に戻り背後に浮いていた。


 一応ダメージ・・・・・・と言うより衝撃を受けると、サーベルは初期の状態に戻るのかもしれないな。先ほど全員で攻撃をしていた時も、セラに対して使ってこなかったし。これは前向きな情報かもしれない。確証などないのだが、少しは明るい材料を持っておきたい。




 ならば・・・・・・とDUのディレイが終わって再使用出来る様になる度に、俺はDUを連打して見て。まぁ消費魔力が多いので、使えても5~7回ぐらいなのだ。いざって時のヒール分も残しておきたいしな。


 光の爆発と共にザケンの動きが止まっていたのだが、俺がDUの連打をやめると真っすぐにこちらへ突っ込んできた。ん、これは予想外。流石に俺の攻撃がうっとおしかったのかもしれないな。



 慌てて側方へ跳び向き直るも、物理法則など無視したかの様にこちらへ向き、着地と同時にサーベルで斬りつけられた。上段から振り下ろされたそれを腕を出し角度をつけ、サーベルの刃を滑らせて何とか避ける。ついでとばかりに逆手で正拳突きを鳩尾へ。


 相変わらず防御もせずに俺の拳がザケンの腹部へめり込む。そのまま魔力を溜め、即座にWSを撃ち込む。ザケンは後方へ砂を巻き上げながら下がり・・・・・・あれ、動きを止めた。




 今のは良い感じに入ったとは思うが、先ほどのDU連打よりも強い訳がない。なんで止まった?


 そういえば・・・・・・ザケンと出会って戦闘をはじめ、何か思う事があるのかの様に動きが止まっていた事があったな。何でだっけな・・・・・・・。



 少しの間動きを止めたザケンは、やはり何事もなかったかの様にこちらへ突っ込んでくる。


 考えている場合じゃないのだろうが、どうしても気になる。何があるとあいつは動きを止めていた?思い出さなくては。


 残念ながらと言うか当然ながら、ザケンは俺の考える時間を待ってはくれないみたいだ。



 サーベルを真っすぐに突き出したまま突っ込んで来たので、相手の手首を右手で外側へ払いながら回転し、逆手で肘打ちを入れる。本当は顔面に入れたいのだが、悲しい事に身長差で胸辺りにしか入ってくれなかった。


 胸部へ肘が入ると同時に腕を立て、裏拳を放つ形で首元を狙う。第一関節の位置で指を曲げて握り、ザケンの喉元へ突き刺す。顔が下がってくれたので再度右手を使い目つきを入れる。


 このまま連撃へ繋げたかったのだが、ザケンは気にした様子もなくサーベルを振りかぶったのが見えたので、また後方へ跳び距離をつくるも避けきれなかった。胸元を首元から腹部迄バッサリと斬られる事になった。


 血が噴き出したが気にせず自分へGBH(グレーターバトルヒール)をかける。痛かったけど。



 あ・・・・・・分かった。ザケンが何故立ち止まったのか、確証はないものの思い当たる事を思い出した。

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