表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/100

ザケンとの再会

「セラっ!!」


「ヘイト!!」



 ミラとリースが駆け戻って来たタイミングで叫び声を再び上げる。それにすぐセラが応えて、スキルを使う。


 奥の暗闇からザケンが現れた。久しぶりだな、この野郎め。



 想像はしていたが、やはり海水から浮いて進んできたな。この足場で戦う以上、こっちの不利だけか。


 動き辛いのもあるが、ただでさえ高身長のザケンが海水の上に浮かばれると、俺との差が3m近くあるんじゃないかね。


 基本、高い位置からの攻撃の方が有利なのでやはり困るな。この状況でずっとセラが受け続けるのは流石に宜しくない。



 それでも、あの状況でセラは全く怯まずに突っ込み、ザケンにヘイトをかけて海水から飛び上がりパワーストライクをぶちかましていた。


 やるなぁ。セラは前回ザケンには出会ってないので、探索班からの話しだけしか聞いてない状態だった。敵が強い事だけが分かっているのに、臆する事なく突撃出来るのはやっぱりすごいな。



「各自フルエンチャントが終わり次第、行動開始!」



 その掛け声をかけた時には、周辺魔物狩りPTと補助PT1は再び先行し、暗闇に消えていった。死ぬなよ。



 先行したPT以外はフルではエンチャントを行っていなかったので、バッファーに頼んで全員エンチャントをかけてもらう。


 魔物が多くなってからは、いつでもザケンが出てきていい様に、セラは常にフルエンチャントをしていたので、うちのPTのソードシンガーが歌って終わりだ。



 ただ、突っ込んだセラのパワーストライクはザケンの持った剣で受け流された。やはりあいつは技術があるな。それでもヘイトはきっちりとミラ達から奪ってくれた様で、ザケンはセラに釘付けだ。



「エンチャントが終わり次第、スタンアタックPTは間を空けて順次スタンを。弓PTはスタンショット5割、まだ数が多い雑魚処理5割で。WIZPTは範囲魔法でまずは雑魚処理を。補助PT2は後方警戒しつつ雑魚処理で」



 一先ず周りにいる邪魔なのを1回枯らそう。ザケンへの集中攻撃はそれからだ。


 ここより良い場所が見つからないと、全力攻撃はまだ出来ない。ミラ達を信じてまずは耐えよう。



 セラの様子を伺うと、いつもの楽しそうな表情では無くなっている。想像していたよりもザケンが強かったのだろう。その上この位置取りで戦うのは誰だって厳しい。



「ジャンヌ、スカーレットもスタン補助と、万が一タゲ跳ねの時様にヘイト稼ぎを」



 ザケンが上方からサーベルを振り下ろし、それをセラが盾で受け流す。受け流したサーベルがそのまま横なぎに振られ、セラの首を刈り取ろうとしてくる。


 セラは体勢を後ろにそらし避ける。鼻先をかすめてサーベルが眼前を通り過ぎた後に、そのまま逆方向から刃が戻ってくる。


 手に持った剣を上に跳ね上げ、サーベルを上方にそらす。そらしたサーベルが間髪入れずに振り下ろされる。後ろに倒れ込む様にしてよけ、海水に倒れ込むも直ぐに起き上がる。




 やっぱりザケンは強すぎじゃないだろうか。この足場で戦うハンデを抜きにしても、真面やったら厳しすぎるな。


 今はスタンが効いて、その間にセラが体勢を整えられているが、スタンが効かない場合は今の様な攻撃をずっと受ける訳だ。そりゃあスカーレットだってボロボロになるよね。


 良くあの状況下で生き残ってくれたな。ザケンの強さを再認識するとともに、スカーレットへ感謝した。



 セラも何とか攻撃を避け続けているのは、流石と言える。ここ迄出来る盾は、中々いないと思う。


 ただ感心している場合じゃない。このままじゃジリ貧だ。いずれあの攻撃に捕まり、やられてしまう。



「スタンアタックPTは、スタンアタックの頻度を上げてくれ。雑魚の処理が大分終わったらから、弓PTも積極的にスタンショットを。セラ、ミラ達が戻って来るまで耐えてくれ!」


「任せておけ!!」



 辛そうな表情から、セラの顔に少しだけ明るさが戻る。



「私とした事が・・・緊張していた様だ。折角の強敵との邂逅だ。楽しまなければな!!」



 そう言うと盾を前に突き出し、シールドスタンを使いながら剣を振りかぶりザケンを狙う。



 やはりセラはああじゃないとな。



 だがスタンの成功率が1~2割なので、中々完全に動きを止める事が出来ない。


 それでもスタンを使わなければ、盾が耐えられない。魔力消費を考えながらだが、常に使うしかないか。


 今、ザケンが背後のサーベル迄使いだしたら、流石にセラがヤバい。



 直撃を受けていないと言っても、徐々にセラに傷がついていく。もちろん俺を含めヒーラーがしっかりとヒールをしているので、今はすぐに治せているがヒーラーの魔力だって限界があるからな。


 いざって時の為にも魔力は残しておかなければ。



「ハガネさん、流石にセラさんもザケンをこのまま相手にするのは辛いんじゃ」



 ギンナルが少し近づいてきて、俺に声をかける。


 実際の所、ギンナルの言う通りだ。このままこんな場所で戦闘を続けていたら、被弾する確率が高くダメージが増え、ヒール回数が増えフォローする為にスタンの回数が増え、メイジの魔力が枯渇してしまう。


 もちろんセラにこれ以上不利な場所で戦って欲しくないという気持ちも強いが、今考えるのは全体の事、討伐成功をさせるかせめて無事に敗走するかだ。



「そうですね。早くミラとリース達が戻って来てくれると良いのですが、雑魚排除だけでも時間はかかるでしょうね。ザケンが居るこの場所から遠くなれば、魔物の密度は落ちて探索しやすくなると思いますが、良い場所を見つけたとしてもここ迄戻らないとですからね。少なくても小一時間はここで耐えてもらいます。セラなら何とかしますよ」


「また敬語になってるし・・・そうね。私達に出来るのは信じて待つ事ね。あのオルフェンから生還出来たのだって、セラさんのお陰が大きいし何とかなるよね」



 今自分で戦わずはたから見ているだけだが、やはり厳しい。技術面では間違いなくセラの方が僅かとは言え上だと思うが、それ以外の全ての面でザケンが上回っている。


 時間が経てば経つほどセラが不利になる。


 スタンアタックやスタンショットも魔力の消費があるスキルなので、永遠と撃ち続ける事は出来ない。スタン系のスキルを使えなくなってしまったら、セラが立ち続ける事は難しい。



 ミラとリースが早く帰って来てくれると助かる・・・待ってるよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ