決戦前夜
「私だってザケンと戦ったからな。あの強さは嫌と言うほど知っている。ただ今回は準備を整え、セラにジャンヌもいる。ラナ姫様と皆は騎士として必ず守ると誓おう」
「私は強い敵と戦えるのは嬉しいな。今回は楽しむより皆を守る事が優先なのは分かっているけど、武神の修行も受けれたし、セラとスカーレットと頑張ってみるよ」
うちのサブ盾2人もやる気は十分だ。セラがやられるとは思っていなが、討伐開始から討伐完了までの間、ずっとザケンの前に立ちふさがり続けるのは・・・やはり難しいと思う。
装備品の交換等は絶対出てくるだろう。ザケンの攻撃は身をもって体感したので、今回3人の盾役には刺突に耐えれるよう、目の細かい鎖帷子も鎧の下へ着込んでもらっている。
その上で急所の部分は少しでも防げる様に、薄く伸ばした鋼の板を仕込んである。
当然のことだが動き辛くなってしまっているけど、例え動きやすい装備にした所であの刺突を全て躱せるとは思えない。それなら防御を固めて、少しでも致命傷を防いであげたいので今回の装備にした。
盾も受け流しに特化した物を準備した。真面に突かれたのを受けたら、あっさり貫通されてしまいそうだからな。
「私達はしっかりゾンビと木人形を倒しておくよ。ザケンを倒すのに手間取ってたら、私が止めを刺すからね」
「そうだね。討伐の邪魔をされない様に、ミラとベーシュと頑張るね!止めは・・・誰でもいいけど」
その言葉にベーシュも頷く。
ミラとリース、それにベーシュには周辺の魔物狩りを頼んでいる。終わりのない魔物狩り。肉体的にも精神的にも辛いと思うが、3人なら任せて大丈夫だろう。
「私達はザケンに効率よく持続的にダメージを与える様頑張りましょう」
「ワニ様と同じPT・・・頑張ります」
「暇だったらまた実況でもしたあげるね、ハガネっ!」
ハンナ・・・流石にそこ迄の余裕が出来る事はないと思うぞ。クロウはワニと同じPTで幸せそうだな。
弓PTはワニが居れば大丈夫だ。俺から指示を出さずとも、全体の事を考えてワニがしっかりと指示をだしてくれる。
一応ワニには俺に何かがあったら、ギンナルの助けになって全員の退避をお願いしておいた。
「盾PTにハガネさんがいて、私とユイさんがいますから。他の皆さんのところにザケンが行く事なんてありえませんよ」
「そうね・・・はーさんが全体の指揮に集中出来る様に、レナさんと頑張ります」
珍しくレナが強気の発言をする。ユイの言う通りで、全体の指揮に集中出来る様にレナ、ユイ、それと冒険者ギルドに応募してくれたエルダーには頑張ってもらい、甘える事にしよう。
「ワニ様と同じPTじゃないのはちょっとアレですけど・・・リリさんと一緒にスタンを頑張ります!」
「はいです!頑張っていくですよ!」
イルが少し不満そうではあるものの、強い意志を示してくれる。リリはいつも元気だな。
「皆ありがとう。明日にはドール港に着き、午後には悪魔の島へ上陸をしているだろう。後、1~2日もすればザケンの目の前に全員が居るはずだ。そうなったら落ち着いて話も出来ないだろうから、話したい事は悪魔の島へ上陸前に済ませておいてくれ。もちろん勝てる見込みがあって、勝つ予定だから挑む。だけど決して安全ではない。危険しかないと言えるだろう。そんなところに皆付き合ってくれて、ありがとう。感謝しか出来ないけど、皆で無事に帰って来れたら少し休みをとって軽く旅行にでも行こうね。その為にも絶対討伐を成功させたい。どうか宜しくお願いします」
ちょっと硬い挨拶になってしまったが、死地へと連れ立っていくのだ。せめてもの礼は尽くしたい。
「今更何を言っているんですか。私達婚約者は将来結婚してずっと一緒にいるんですよ。何処にだって一緒にいきます。血盟の皆さんだって、そんな気持ちで居てくれる人ばかりです。だからハガネさんも・・・死なないでくださいね」
ハクから嬉しい言葉をもらい、柄にもなく緊張していたがそれが何処かへ飛んで行った。
皆も多かれ少なかれ、恋愛感情ではないにしても俺に好意を持ってくれており、この場までついて来てくれたことが伝わってくる。
絶対死なせたくないなぁ・・・。
自分の婚約者、血盟員だけじゃなく、今回冒険者ギルドへ応募してくれた人や、酒場で出会って参加してくれた人達。当たり前だが、誰1人として死んで欲しくはない。
こんな訳の分からないレイドボス討伐へ応募してくれた人達だ。
それぞれに来てくれた理由は異なるだろうが、折角きてくれたんだ。山ほどのレアドロップを皆で分配して、馬車に乗りきらず帰りはドール港から文句を言いながら歩いて帰りたいもんだ。
死なすつもりは毛頭ないが、オルフェンの時と同じく参加した人にはドロップアイテムを等分で分配すると伝えてある。
どのポジションで戦う事になろうとも、その人が居なければ討伐は叶わなかった事だろう。
それと・・・万が一死んでしまった方には、残された家族や冒険者仲間へ分配を渡すと伝えてあるので、遺書に届ける相手も書いてもらった。確実に届けたいが俺も生きているのかは分からない為、冒険者ギルドにもその旨は伝えてある。
だから安心という訳じゃないが、討伐に参加してくれている人達へのせめてもの保証だ。
その後も各々話が色々とあり、すぐ眠るつもりだったが何だかんだと遅くなってしまった。
寝不足で体調不良に・・・などなる者はここにはいない。皆高レベルな冒険者で基本的な身体能力全てが普通の方とは違っている。1~2日位なら意外と平気なもんだ。
俺とかもいずれ化け物とか呼ばれる様になるかな・・・ヒーラーで流石にそれはないかな。
目を覚まし、身支度を整え片付けをする。当然だが夜の間に襲撃などもなく、良い朝を迎える事が出来た。
さて気合は皆十分だ。後は悪魔の島へ乗り込んでザケンを倒し、町へ帰る。これだけ考えていこう。
野営地から出発し、ドール港から船にのり後1時間もしないで、悪魔の島へ上陸だ。
戦いやすい広い場所があると良いんだが・・・こればっかりは確認も出来てないから仕方がないか。
前回は探索班でボロボロにされたからなぁ・・・。手も足もほとんど出ずだったし。
皆を血まみれにされた分は、殴らせてもらわなきゃね。
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