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水面下の攻防

 サラとソフィアの事実ではあるのだが、宜しくない発言を受けた為俺の状況も宜しくない。


 膝の上に横座りしていたハクから、腹部をつねられかなり痛い。


 それと左隣にくっついてくれているリカが左わき腹を、右隣に寄り添ってくれているディムから右わき腹を。それぞれつねりあげられている。


 これがかなり痛い・・・。ただでさえ情けない状況なのに、顔には出したくないので我慢しているが、本来なら痛いと悲鳴をあげたいぐらいだ。


 おまけとばかりに両肩をミラとリースに中々な力で掴まれている。



 普段女性達より力の強い魔物と戦い、攻撃を受けながら戦っているのにそんなものが痛いのか?


 痛いに決まっている。



 普段戦闘中はアドレナリンが大量に出ている。要は興奮状態な訳だ。


 よくある事だが戦闘中は大丈夫でも、戦い終わった後に急に痛み出す事はある。


 それとぼーっとしている状態でいきなり攻撃を受けている訳じゃない。そもそも身構えた状態で攻撃を受けるのだ。


 俺は好んでカウンターを使うが、これは力の弱い者でも相手に大ダメージを与えられる。来ると思って身構えた状態で受けるとの、意識の外から攻撃を受けるのでは全然違うものになる。



 そういった事を考えると、俺の今の状況はどうだろうか。


 旧知のメンツと久々に会い、嬉しさと楽しさがある位だ。戦闘中の興奮状態とは違う。


 それとハク、リカ、ディム、ミラ、リースにくっつかれており、幸せ状態だ。そんな状態から急に各場所をやられると・・・・・・ものすごく効く。


 このままでは口から声が飛び出してしまうので、一先ずソフィアとサラにはこれ以上話さないでもらう事にしよう。



「サラさんも言ってましたが、ハガネさんはやっぱりモテるですね!PT組んだ女性はほとんど仲良しに・・・「そうだ!クリスとケイトも知り合いだったのかな!!」」



 リリミアがまたとんでもない事を言おうとしていたので、無理やり割り込んだ。俺はこれ以上痛めつけられたくない。



「そうだね。ハガネさん達とPTを組んだ後に、ご一緒する機会があってね。それからハガネさんの話しで盛り上がったんだよ」


「そうです。色々と衝撃を受けたクルマーの塔で組んだハガネさんPTを参考にして、あの後も狩りをしてましたので。ラウラも同じくクリスさんと組んでます」


「オルフェン討伐の時はあまりハガネとは話が出来なかったから。今回のザケン討伐を知って名乗り出たら、一緒に行く人が女性しかいなくて相変わらずだなと感じたよ。最初にPTを組んだ時点でディムは口説き落されていたからな」



 痛たたたっ・・・。リリの攻撃補助を回避したと思ったら再度痛みが走る。ただ、ディムだけは力をぬいてくれていた。


 クリスはギンナルとリリミアと一緒に野良PTに入ってくれており、ケイトとラウラはディムと一緒に野良WIZPTをした時のメンバーだった。


 やはり命をかけて一緒に狩りを行うとよっぽどの問題が無い限りは仲良くなる様で、同時期に組んだ人達はそれなりに繋がりがあるようだ。


 野良PTを組めるという事は、レベル帯も皆同じ位だから狩場も被るだろうしね。



 それはPTを組んだ身としては嬉しい話ではあるのだが、今はそんな場合じゃない。



「あー・・・今いる血盟の人達は、ほとんどがクルマーの塔で野良PTを組んだ縁の人が加入してくれているよ。あそこにいる時に、ここにいる人達と出会えて良かったよ。こうして今も一緒に居れる事を幸せと感じているからね。ミラとリースは町中で出会ったけど、そのまま一緒に来てくれて嬉しかったなぁ。ハクなんて俺が初めての野良PTを組んだ人だからね。ここまでずっと一緒に居てくれて感謝しかないよ」



 良し・・・ようやく攻勢の手が緩んでくれた。別にご機嫌伺いの為に嘘をついた訳じゃない。常日頃から思っている事をこのタイミングで口から出させてもらっただけだ。他意はない。


 痛みが止んだのは良かったのだが、目の前に座っているラナとスカーレット。それにリリミアとギンナルが色々と言いたそうに対面からジト目で見ている。


 あれ、ついさっきも同じ事を思った様な?別に俺はジト目がご褒美になる様な人種ではないので、その機会は少ない方が良いと思っている。




 まぁこの命が軽いこの世界で、無事に再開が出来た事は素直に喜ばしい事だ。


 普段生活やレベル上げの為に魔物を狩りに行けば命の危険がある。それどころか狩場に向かう、町と町の間を移動するだけでも盗賊などに襲われて命を奪われる事はざらにある。


 ザケン討伐に行けば、その危険性は跳ね上がる。




 ここにいる人達・・・ラナとスカーレット以外は皆オルフェン討伐の経験者だ。


 どれだけの人が無くなったか。レイドボスがどれほど危険で恐怖を与えてくる存在か、理解した上でここに居てくれている。


 強さがそこら辺に出る様な盗賊や魔物とは桁が違う。皆誰しも死にたいなどと思っている訳じゃない。


 それでも縁あって、この場に集まってくれているのだ。本当に感謝するしかない。




 皆の参加理由はさまざまだと思うが、願わくば誰一人死なずにまたこうして酒を飲みに来たい。


 その為に今出来る事は全て行い、あの時、ああすれば良かった・・・と後悔がない様にしよう。


 それと出来ればちゃんと現物でお返しが出来る様に、レアドロップ品が出てくれると良いな。



 そんなの無くても良いとも言ってくれているが、消耗品だってタダじゃないのだ。むしろこの世界の消耗品は高級品だ。


 普段の狩りでは、収支の関係で使用を控えて狩りをしている人がほとんどだ。でも、レイドボス討伐となればそうもいかない。


 消耗品を湯水の如く使おうが、オルフェンには沢山の参加者が殺されてしまった。




 それを知っておきながら、俺はまたこうして大好きな人達を死地に連れていく。


 他人からこの話を聞く事があれば、その主催者は頭がどうかしているんじゃないかと俺は思う。


 別に今回は敵討ちとかじゃないので、ほおっておけば良いのだ。だが・・・だが将来俺の知り合いやクラメンなどが討伐しなかったザケンに殺されたりしたら、一生自分を許せない。


 死ぬ危険性があろうとも、俺はあいつを討伐しておきたい。




 この楽しい時間をいつまでも続けられる様に、自分の全力を出し切ってザケンを討伐してやる。

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