旧知の仲
あれから酒場の席を予約しクラメンを呼び、戦乙女達とクリス達を引き連れ集合していた。
「皆、戦乙女達の5人が来てくれたよ。それにクルマーの塔でPTを組み、オルフェン討伐も一緒に行った5人・・・クリス、ケイト、ラウラ、サラ、ソフィア。それと同じくオルフェン討伐の時に助けてくれた女性9人PTも来てくれた。今回俺達と一緒にザケン討伐に参加してくれるそうだ。それに討伐参加だけじゃなく、うちのクランにもそのまま加入してくれると。皆、宜しくね!」
俺がそう皆に伝えると、何か不穏な空気が流れ始める。
「はーさん・・・どういう事なのかな。なんでレイドボス討伐に行くのに、急に女性が19名もクランに増えるのかな。戦乙女の5人は元々として・・・他の14人もやけにはーさんに好意的じゃないかな」
「リカ、もう諦めるしかないよ。あーあ。またはーさんとの時間が減っちゃうのかなぁ」
リカとディムはまるで俺がハーレムメンバーを増やしたかの様な反応だ。違うぞ、皆ザケン討伐に協力する上で血盟に入った方が連携がとりやすいのと、血盟エンチャントも入るから実利を兼ねた選択のはずだぞ。
それにしても人数が多いな。早い時間だから席をおさえられたけど、元々居た19名+追加で来てくれた19名で今ここには38名居る。その上男が2人だけで他36名は全て女性だ。
非常に華やかなであり、かしましい。店の半分を貸し切っている様な状態で、他のお客さんから凄い見られている。
その中には俺を殺さんとする様な目つきの男達と、まさしくゴミを見る様な目で見てくる女性もいる。
男の目つきはわからんでもない。ここにいる女性達は非常に可愛く、綺麗で魅力的な人達ばかりだ。
ただ、周りにいる女性達が、俺だけをゴミの様な目で見るのは何故だ。女性を侍らせている男という意味では、あっちの方にワニだっているんだぞ!
ほら、見てっ!かどっこの目立たないところで、イル、ベーシュ、クロウとイチャついてるぞ!!
ドワっ娘のイルを膝にのせ、エルフファイターのベーシュは左手にくっついており、ダークエルフファイターのクロウは右手にくっついている。羨まけしからん!!
あの男を許してはいけないですよ、皆様!
と、ワニを指さし、俺だけじゃないんですよ!ってアピールをしたいが、俺の状況的にも無理がある。
女性陣が増えた事により不安になったヒューマンメイジのハクが俺の膝の上に横座りをしており、左手にはエルフメイジのリカがべったりとくっついている。右手には珍しくダークエルフファイターのディムがくっついており、正直ワニの事を何か言える状況ではない。
何なら後ろから肩にリカに同じくエルフメイジのリースがしなだれかかっている。これは非常に珍しいが、どうやら焼きもちを焼いてくれている様だった。それとダークエルフファイターのミラも肩を掴んで傍にいるが、焼きもちというより、面白がってるんだろうな。
俺の目の前はヒューマンメイジのラナが陣取り、その左横にはエルフファイターのスカーレットが。ラナの右隣にはドワっ娘のリリミアがいる。ラナの後ろからヒューマンメイジのギンナルもこちらを見ており、対面の人達は色々と言いたそうに、ジト目でこちらを見ている。
ユイは近くに座るのを諦めて、遠くの方からエールを飲みながらこちらを見ている。その傍にはヒューマンメイジのレナとヒューマンファイターのハンナがおり、同じくこちらを見ている。
皆に好意を持たれて俺は何て幸せなんだっ!と思うも、そういう状況じゃないな。これ後で集団リンチに会うんじゃないかな。ワニは遠くから時折こちらを見て、いつもの曖昧な笑みを浮かべている。
ちょっと空気を変えようかな・・・このままだと居た堪れない。
「あー・・・皆遠い所からわざわざありがとうね。危険なのは十分承知の上だとは思うけど、絶対皆を守るから、宜しく頼むよ」
そう来てくれた人達に伝えると、余計に視線が厳しくなってきてしまった。
「相変わらずモテモテなんだね、ハガネさんは。女性が随分と増えているから驚いたよ。でもこれだけいるなら・・・私とソフィアが増えても問題ないよね♪」
サラ・・・なんて危険な発言を。火に油を注ぐとはまさにこの事じゃないのかな。
サラはワニと同じエルフファイターのシルバーレンジャーで、ソフィアはエルフメイジのヒーラー職であるエルダーだ。
クリスとケイトはヒューマンファイターの二刀流使いでアタッカーのグラディエーター。ラウラはダークエルフメイジのヒーラー、ユイと同じくシリエンエルダーだ。
5人の実力や人柄はクルマーの塔でPTを組んでいる為、信頼出来る人達と言うのは分かっている。
しかも募集予定の近接アタッカー2名、弓アタッカー。リチャージ要因になる2名で非常に助かる。
戦乙女達と来た女性PT9人は職業は何だけっかな・・・。オルフェン討伐の時は、なんせ人数が多かったから、流石に個別では覚えていない。
まぁここで飲みながら聞けば良いかな。彼女達は男性不信の様な話しをしていたが、俺は大丈夫らしい。あの時命がけで一緒に討伐をしたから、少なからず信頼されたんだろうな。
ただ信頼=好意に変わったみたいだ。非常に嬉しい事ではあるのだが、正直職業どころか名前も覚えていない。でもこの場で名前何だっけ?とは聞きにくい雰囲気なので、会話の中で聞き出して覚えていこう。
「ギンナルも久しぶりだね。ハガネさんの血盟に入った話は前に聞いていたけど、まさか婚約者になってるとは思わなかったよ。私もなっちゃおうかなー?」
「クリス・・・久々に会えて嬉しいけど、既に10人以上いるからね?これからもきっと増えちゃうだろうし、いばらの道だよ」
ギンナルとクリスが旧友との親交を深めている。微笑ましい場面だが、会話内容は不穏な内容である。
「私はオルフェンの時からもずっとサラと一緒にいました。オルフェン討伐の時に道端で再開し、口説かれた時からずっと想いを寄せておりました。これからは今まで以上に近い位置に居れる様頑張りますので、改めて宜しくお願い致します」
「あー懐かしいね!息を吐く様に口説かれたもんね♪」
ソフィアとサラから爆弾発言が・・・全くの嘘ではないし、真実ではあるのだが・・・この場で言ってほしくはなかったなぁ・・・。




