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ドール城下町を掃除中

 俺も色々とやる事があり、本来ならこんな事をしている場合ではないのだが、致し方無いのでセラ達に付き合って町中のお掃除をしていた。


 決して自分から喜んで盗賊崩れを退治している訳ではない・・・はずだ。


 町中の掃除は非常に順調に進んでいる。取り合えず暗くてジメジメしたところで、うろつくだけでいいのだ。そうすれば、向こうから自主的に討伐される為に出て来てくれている。良い心がけだ。



 掃除中はディムに踊りをもらいつつ、エンチャントは無しで戦っている。


 修行的には踊りももらわず完全に素の状態が良いのだが、流石に万が一こちらがやられてしまったり、大けがをしたりは望ましくない。


 最初だけディムに踊りをもらい相手の力量をある程度把握して、問題がなさそうなら1回目の踊りが切れた後はもらわない様にはしている。2回目の踊りをもらう事は今のところはないけどね。



 それと基本的には1人で戦う様にしている。戦うのは完全に順番だ。うちの女性達が1人で戦うと知った時のあいつらの喜び様は、その後を想像すると可哀そうになってくる。


 気持ちは分からなくはないが、誰一人勝てる様な奴はいないだろうし、現状では実際にいない。


 自分より弱い相手とは言え、向こうの方が数が多いので捌きの練習にはなっていると思う。この調子でハク達が安心して歩ける様になる為にも、全ての盗賊崩れを片付けておこう。




 1週間もすると流石に出て来なくなった。全ての盗賊崩れを討伐出来た訳ではなく、俺達の噂が広まったんだろうな。


 最初は絡もうと出てきた奴も、何かに気づいた顔をして踵を返して行った。もちろん逃がす訳も無く、ミラが追いかけてちゃんと始末したけど。


 これで戦乙女達がこの町に着いた時には少しは安心だ。


 その他の冒険者ももし来てくれるとしたら、余計なトラブルに巻き込まれない様になるので良い事だと思う。ザケン討伐しようとわざわざ来てくれる位だから、盗賊崩れにはやられないだろうけど。




 消耗品の補充などはハク、リース、リリミア、イル、ベーシュの5人に担当してもらった。


 回復薬等をもっと欲しいのだが、悪魔の島へ兵士達や冒険者達の遠征があった為、ドール城下町は枯渇状態だった。残った物をかき集めてもらい、後は食料品などを揃えてもらっている。



 

 冒険者ギルドとの細かいやり取りなどはリカ、レナ、ハンナ、ラナ、スカーレットが行ってくれている。


 どちらのグループも本来ならそこ迄の人数はいらないのだが、掃除したとは言え万が一があってはならない。その為集団行動は必須だ。



 

 ギンナルは昔の伝手などにあたってみると言って、冒険者ギルドや宿などを回ってくれている。護衛にワニとクロウを連れていった。あの2人、特にワニが居れば問題あるまい。


 60人は無理でも、何人かは捕まえてくれると信じている。




 各人がやるべき事をやり、揃ったタイミングで魔物と街道の盗賊どもを退治し、レベル上げと修行を重ねていった。


 そうしている間にザイオース城下町から戦乙女達が到着した。



 町中をハクと2人で歩いていると、正面から女性の集団がやってきた。ザイオース城下町で留守番をしてくれていた戦乙女のメンバーだ。



「皆、遠いところ悪かったね。来てくれてありがとう。事情は手紙に書いた通りで、またレイドボス討伐を行う事になったから、力を貸して欲しい」



 そう伝えたのだが、なんか人数が多いぞ。5人のはずが、20人近くいる。いつの間にかクランメンバー増えたの?


 あれ、でも何処かで見たような子達だな。



「お久しぶりです!オルフェンの時は、ありがとうございました!今回も是非ご一緒させて頂きたく、PTメンバー全員でやってきました!」



 そう元気な声で伝えてきたのは・・・あぁ!オルフェンの時に、一番最後に参加してくれた女性だけのPTだ!戦乙女の知り合いだっけかな。


 名前は・・・ダメだ、思い出せない。あの時に聞いていたはずだけど、今出て来ないな。



「私達も協力致します。皆52レベルになり、Bグレード装備もやっと揃えられました!ザイオース城下町の冒険者ギルドで話を聞き、直ぐに戦乙女へ声をかけたんです。ザケン討伐に御一緒させて頂きたいのですが、それ以外にもお願いが・・・。血盟『義を見てせざるは』に私達全員を入れて欲しいです!」



 どこからそう言った話に・・・?ザケン討伐参戦は非常にありがたい。オルフェン討伐の経験もあるから、集団戦も他の人より慣れているだろうし心強い。


 でも血盟にも入るのか?戦乙女達を見ると、良い笑顔で頷いている。ある程度話はしてあり、後は俺の承認待ちだった訳か。


 確か男性たちとのトラブルがあったから、女性だけでPT組んでいると言っていたよな。うちにも俺とワニの2名男がいるが、良いのだろうか。


 まぁ他の血盟に比べたら、圧倒的に少ないから大丈夫なのかね。




 基本的に俺の一存でクラメンは追加出来るが、後ろから厳しい視線を送ってきているハクには確認しておこう。



「どうかな、ハク。俺としてはありがたい話だから、このまま加入してもらいたいけど」


「流石のハガネさんですね。レイドボスの討伐するって話をしただけなのに、9名も女性を増やすとは。本当に流石ですよ。私はハガネさんに従いますよ」



 笑顔で了承はしてくれているが・・・後でお話合いがありそうだ。別に俺悪くないぞ。ただ、悪くないと言ったところで逃げられないので、許可を頂けた事に感謝だけはしておこう。



「と、言う事です。皆さん、歓迎致しますよ」



 戦乙女と一緒に来てくれた9名の女性達はキャッキャウフフとお喜びだ。これは俺にも少し好意を持ってくれている気がする!


 これ以上婚約者を増やすのは、現婚約者達に袋叩きにあいそうなので自粛するが、楽しくなるんじゃないか!



「・・・・・・ハガネさん」



 やばいやばい。ザケンに勝るとも劣らない恐怖が、俺の背後から忍び寄って来る。余計な事を考えている場合じゃないな。




 ん、でも後5人程後ろの方にいるな。PTメンバーが増えたのだろうか?


 どんな人なのか覗き込もうとしたら、女性PTが左右に分かれ後ろに居た人達の顔が見える。


 そこに居た人達は見知った顔だった。



「クリス!それにケイトとラウラじゃないか!おぉ、サラにソフィアまで!!久しぶりだなぁ」



 後ろに居た人物はかつてクルマーの塔でPTを組み、オルフェン討伐にも参加してくれた頼りになる人達だった。



「やぁやぁハガネさん。私達もザケン討伐と血盟に加入させてもらいにきたよっ♪」


「そういう事です。これからは公私ともに宜しくお願い致します」



 サラとソフィアが嬉しい事を言ってくる。もちろん大歓迎だ。


 それにしても、やはり2人揃っていると非常に美しい。2人を褒めたたえようとしたところ、再度後ろから恐怖がやってきた。



「・・・・・・ハガネさんっ!!」



 うむ。早いところ皆と集合してPT編成を考える事にしよう。

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