ギルドマスターとの話し合い その2
全員での話し合いを終えた翌日、俺はまた冒険者ギルドへ来ていた。今は応接室へ通され、ギルドマスターを待っている状況だ。
非常に綺麗な受付嬢がお茶を出してくれ、有難く頂戴しているところだ。
ハク達が傍にいる時に、こういったよこしまな事を考えると何故か直ぐにバレて、お説教が始まってしまうので注意が必要である。
十分すぎる程恵まれた婚約者達が居るのにも関わらず、何故目を奪われてしまうのか。男であれば仕方のない事だと思う。
でもワニはそういう時がないんだよな・・・絶対俺と同じ様に思ってるはずだが、顔に出さないから婚約者達からのお咎めはない。
早くポーカーフェイスが出来る大人の男になりたいものである。
そんな事を考えながらお茶を飲んで待っていると、ノックの音が響く。
「お待たせしました、タマ伯爵。どちらの話しにせよ、早くに結果を持ってきて頂きありがとうございます」
「いえ、この国にとって大事な案件だと思いますので、早めに返答するにこした事はないとおもいまして」
ギルドマスターが席に腰をかけ、目で続きを流してくる。普通のAランク冒険者なら国からの強制クエストとして依頼が出来るが、俺達はそういったものから免除されてるからあくまで自由意志になる。
なので、もし断ったとしても何のデメリットもない。だが・・・。
「あれからクランメンバー全員と相談したのですが、今回のザケン討伐―――我がクラン『義を見てせざるは勇無きなり』でお受けさせて頂きます」
「おぉ!流石はザイオース城下町の英雄である、タマ伯爵!!ありがとうございます!他国の危機を見逃がさずに、こんな危険なクエストを受けてくださるとは・・・その心意気には感服致します」
「いえ、確かに自国の事ではないとは言え、対岸の火事ではありません。この国が経済的に厳しくなる事もそうですが、ザケンが悪魔の島から絶対に出て来ないなどという楽観的な考えも出来ません。別にこの国の民の為・・・とかそういった高尚な考えではなく、結局自分達の為にですから感心されてしまうとお恥ずかしい限りです」
「その様な考えと言う事にしておきましょう。何にせよありがとうございます。この件に関してはドール城下町全体で万全の支援を致します。昨晩の内に王様には報告済で、もちろん冒険者ギルドが全面的にバックアップを行う体制となります」
「それは心強いですね。ありがとうございます」
ギルドマスターはフットワーク軽いな。俺達が受けなければ、多分他国へ協力要請の文を早馬にでも持たせてたんじゃないかな。
ザイオース城下町の時もそうだけど、馬車とか雑務を行ってくれる人員とか非常に助かったものだ。
ドール城下町の兵士達と冒険者はかなりの数がザケンに殺されてしまっているので、人員面では難しそうだがそれ以外できっと支援をしてくれるのだろう。
「これからタマ伯爵がクエストを受けて頂けた事を、城に伝えて参ります。その後追って連絡を入れますが、今のところ馬車の手配、消耗品の手配、渡し船への連絡等はこちらでさせて頂きます。報酬がいくらになるかもこれからの話し合いになりますが、少なくても半金は前払い出来る様に交渉してきます。討伐報酬はどのクエストよりも多くなるはずですが、ザイオース城下町のギルドから聞いている限りではドロップも期待出来るのですか?」
「前回オルフェン討伐募集の時もそうでしたが、ドロップ品に関しては確定がどうしても出来ない物なので何かしら得られるかもしれない。と言う風にしか募集時は伝えておりません。今回も私達だけでは討伐が難しいと思われますので、数名は募集をかけたいと考えております。そこに記載する文面や報酬内容と募集人数は、これから一緒に考えさせて頂ければ幸いです」
「分かりました。募集内容に報酬額を入れると思いますので、出来る限り良い報酬が出せる様にしないとですね。今回もやはり命の保障は難しいのでしょうか?前回の募集は私達にも回って来ましたので、拝見はさせて頂きましたが」
やはりそこは気になるよなぁ・・・。もちろん誰一人とて参加者に死んでは欲しくないが、それはオルフェンの時も一緒だ。最初は順調ではあったが、中盤以降で結局大量の死者が出てしまった。
参加する人達だって当然死にたくはないだろうし、俺やギンナルの指示に従い動いてくれていたが、予想外の事が起きてしまった。
今回だって分かってる事の方が少ないので、イレギュラーは起こって当たり前と思っておこう。
その状況下でも出来る限り死者を出すことなく、限られた人数で討伐しなくてはならない。単純に人を集めて突っ込ませる事は仕事ではない。適切な人員を集め、確実に討伐を成功させないとだ。
「はい。オルフェンの時も多数の死者を出してしまっております。今回ザケンと5名で相対しましたが、オルフェンと同じ種類の強さだと感じました。私達のクラン員もそうですが、参加して頂ける方達の安全はお約束出来ません」
「それほど強いと言う事なのですね。討伐にかかる期間はどの位を想定しておりますか?」
「そうですねぇ。基本的には悪魔の島へ乗り込んで1日半程潜ったところで遭遇していますので、往復の異動だけで最低3日。討伐そのものは、半日を使っても倒せない事があれば撤退となります。ですので、最低4日程あれば倒せるなら討伐完了をしているかと。討伐募集の日程としてはどんなに順調に行っても4日かはかかると想定されるので、そちらを踏まえ4~5日からとの形で応募を出そうと考えてます」
実際に考えると悪魔の島のダンジョンに入ってすぐ遭遇する事もあれば、3日以上潜っててもワニ達救出班の様に遭遇しない事もあるだろう。で、あれば日数は多めに見ておきたい。
日数を多くすればそれだけ拘束期間や食材等の準備期間も長くなってしまうが、遭遇する迄時間がかかりその時にはもう空腹で戦えませんとか、次の予定があるので帰りますとか、そんな事になってしまったら目もあてられない。
人や物を集めるギルドは大変だろうが、そこは頑張ってもらおう。
「畏まりました。では後の細かいところに関しては王様からの返答を頂き、それからという事で」
「はい、こちらも再度クラン内で細かいところを詰めておきます。宜しくお願い致します」
人数や職業等は要検討だな。PT構成や人数を今一度見直してこよう。
ブクマ3件に評価お2人、リアクション51件。累計PVが2,000、ユニーク1,000を超えました!
拙い作品ですが、皆様ありがとうございます!




