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命は大事

 ギルドマスターとの話し合いが終わり、俺達5人は冒険者ギルドの酒場で休憩している皆と合流して、自分達の宿へ戻ってきた。ただ、誰かの自室で話すには場所が狭く難しいので、夜から酒場へ皆で行きそこで話し合う事にした。


 如何せん大所帯過ぎて、ふらっと立ち寄った酒場では全員で纏まって座れる席を確保するのが難しい為、事前に数名で酒場へ行ってもらい、席の確保をお願いする事にした。


 夕方までは今までの疲れも有り、身体を拭いてから直ぐに眠ってしまい起きた時には既に外は真っ暗になっていた。皆の疲れも考えたら話し合いは明日でも良かったのだが、ギルドマスター的には返答を急ぎたいとの事だったので、致し方無しと思い今日の内に話し合う事にした。



 身支度を整え酒場へ向かおうと思ったのだが、何処に行けば良いか分からない。どうしたもんかなと思いながら外に出ようとすると、ドア下にメモが挟まっていた。もしかして、俺以外はもう酒場へ向かったのかも知れないな。メモに感謝し、集合場所へ向かう。



「はーさん!こっちだよ~」



 教えてもらった酒場へ入ると、手をひらひらさせたリカから声がかかる。そちらを見ると、やはり綺麗な女性だらけで非常に目立っている。ワニもいるのだが、上手い事存在感を消しているな。


 周りで飲んでいる男達はうちのクランの女性陣を気にしていた様で、俺に声がかかると殺気のこもった目で一斉に俺を見てくる。気持ちは分からんでもないが、そんなに睨まなくても良いじゃないか。



 若干の気まずさを覚えつつ、皆の席へ合流する。既に全員揃っている状態で、俺が一番最後だった。



 総勢19名も居るから酒場のスペースをかなり独占しているな。横長の立派な木で出来た長机の両サイドに9名ずつかけており、俺は横の部分であるお誕生日席に座らされる。


 すぐ傍にはハクとリカがおり、一番遠い所にはワニとその婚約者3名のイル、ベーシュとクロウが座っていた。悪魔の島に行く馬車の席順もそうだったが、毎回座る場所でひと悶着あるのがいつもの事ではある。


 今回の席決めは多分話し合いかな・・・ハクとリカはこういった事に関して、積極的過ぎるので他のメンバーは若干諦め気味である。それだけ好意的に思われていると言うのは、大変光栄な事なので素直に喜んでおこう。



「遅くなってごめんね」


「大分お疲れの様でしたから、仕方がないですよ。いっぱい食べて飲んで、英気を養ってくださいね!」


「ありがとう、ハク。じゃあ・・・皆、今回の件ありがとう。全員が無事に生還出来て、良かったと思う。今後の事についてはこれから話すとして・・・一先ずお疲れ様でした。今日の費用は今回の報酬から支払うので、好きなだけ頼んでくれ。明日は1日休みにするから、朝まで楽しんでくれて構わないからね。では、全員の生還を祝して・・・乾杯!」


「乾杯!!」



 全員の木の杯がぶつかり合い鈍い音がする。もうほとんど記憶が薄れているが、前世で働いていた居酒屋の事を少しだけ思い出した。もっともグラスが木ではなくガラスだったので、もっと甲高い良い音がしていたが。


 この世界でガラス製品などほとんど見た事がないな。城とかに行けばあるので、夜会等に参加した時はみたが、普通の酒場にはまず置いていない。購入した事もないので分からないが、きっと驚くほど高い金額なのだろうな。


 

 ハクと最初に飲んだ時も思ったが、この世界の人達は当たり前の様に酒を飲む。今のところ下戸な人には会った事が無い。娯楽の少ない世界だし、酒ぐらい窘めないと楽しみが見いだせないのかもな。その上命が非常に軽いので、飲み食いで楽しまないとやってられないのだろう。


 初めて酒を飲んだハクがぐいぐいエールを空けて、完全に酔いつぶれていたからな・・・。俺は悪い事をするつもりはないが、男と2人っきりで飲む時は十分に気を付けて欲しいものだ。



 暫く皆で歓談しながら美味しい物を食べ、エールを飲み英気を養った。そろそろ頃合いかと話を切り出す事にした。



「歓談中にすまない。少しだけ時間をもらって良いかな。今後の事だけど、悪魔の島のレイドボスである船長を俺達で討伐するか否か。皆の考えを聞かせて欲しい」



 全員が手を止めこちらを見る。不安そうな人もいるが表情を見る限りでは、基本的に討伐を行わないと考えている人はいない様に見える。



「私はもちろん討伐する気でいるぞ!」


「セラさんはそうですよね。もちろん私も討伐に行きますよ!」



 セラとジャンヌは当然の如く討伐する気の様だ。オルフェンであんなに大変な思いをしているのに、2人とも心が強いな。流石我がクランが誇る戦闘狂。



「私とラナ様はオルフェンを見た事が無いからな・・・どうされますか?ラナ様」


「もちろん行きますわ!ハガネが英雄になったレイドボス討伐を、私も体験したいですから!」



 スカーレットとラナは参加と。確かにラナは大人数でのレイドボス討伐を見てみたいだろうけど、命の危険があるのは理解してくれているのかな。2人とも悪魔の島で遭遇しているから、強さが全く想像出来てない訳じゃないとは思うけど。



「そうねぇ・・・オルフェンの時は大分苦労したからね。今回も実際に船長に会った感じだと、そう易々と討伐出来るとは思えないね。リリはどう思う?」


「はい、ギンナルさんと同じ気持ちです!船長もオルフェンみたいに、すっごい強かったです!でも、スタンアタックが良く効いたので、上手くやればいけるかもです!」



 実際に悪魔の島で船長と遭遇し、オルフェン討伐に参加した事もある2人の意見は、消極的ではあるが討伐が不可能だとは考えてない様に思える。リリの意見は確かで、上手くスキルを回す事が出来ればオルフェンの時より安全にいけるかもしれない。



「私達は実際に遭遇してないから何とも言えないけど・・・。ハガネさんの話を聞く限りじゃワニさんでもない限り、UE(アルティメットイベイジョン)を使用していないと攻撃が避けれないかも」


「確かにね。私達はそんなに防御力が無いし、急所に受けたらまずいでしょうね。セラさん達が受けてくれていれば大丈夫だと思うけど」



 リースとミラは倒せるとは思うけど、攻撃は受けられないと現実的だ。確かにあれば痛かった・・・。俺のローブより2人の軽装備の方が硬いが、とても受けられないだろうな。ワニなら確かにスキルが無くても避けてそうではあるが。



 今回はちゃんと全員の意見を聞いてから考えよう。俺は続きを聞いていく事にした。

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