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ギルドマスターとの話し合い

 応接室に入るとギルドマスターの1人掛けの席と、その両サイドで対面に2~3人掛けのソファーが2つあった。俺とハクでマスターの左手に2人で座り、右手にギンナル、レナ、ハンナが3人で座った。ハクはこの時点でご満悦だ。ギンナル達が生暖かい目でハクと俺を見てくる。


 皆俺の事を好意的に想ってくれているとともに、ハクの事も非常に好意的に想ってくれている為、こういった時は暗黙の了解でハクが隣に座る事が多い。皆大人だなぁ・・・。逆の立場だとしたら俺は大人になれるだろうか。


 そもそも逆ハーレム状態を俺が容認出来るのか。仮にハクが男を10人以上侍らせていたらどうだろうか。んん・・・俺には無理だな。考え込むまでもなかった。皆にはこの状況下を許容してもらっている事を、改めて感謝しよう。


 変な事を考えている場合ではなかった。今は一応仕事中なので、頭を切り替えていこう。



「改めまして、タマ伯爵が生還された事を称賛させて頂きます。一度レナ様から話を聞いた時は、Bランク冒険者達と同じで、もうここへ帰ってくる事はないのでは。と、失礼ながらに思ってしまっておりましたので。5人で中へ乗り込み、10人を救出班として残し、4人を報告班としてギルドへ走らせる。素晴らしい采配かと思います。あれだけ危険と思われるダンジョンに5人で乗り込む勇気も素晴らしいと感じております」


「ですから、ハガネさん達なら必ず無事だとお伝えしたじゃないですか。救助するにあたって冒険者や兵士の手配をして頂き、改めて感謝をお伝えします」



 マスターに対してレナがお礼を伝える。やはりマスターも俺達探索班が生きているとは思えなかった様だな。俺達ならなんとかしてくれると思って依頼をかけたのだろうけど、まさか5人で乗り込んでいるとは考えてなかったんだろうな。


 何人投入したのかまでは分からないけど、冒険者や兵士を相当の人数で送り込んで、そのどの部隊も帰還する事が叶わなかったんだ。あげくBランクの冒険者を投入するも、その人達も戻って来れなかった。そのせいでドール城下町には高ランク冒険者達が居なくなり、通常の依頼もこなせない状況に陥ってしまった。


 冒険者も兵士もいなくなってしまったせいで、街道はもとより町中にもならず者が居つくようになってしまった事は、ギルドマスターとしても頭が痛かった事だろう。低ランクの冒険者だけでは、盗賊達はともかくPKPTは退治出来ないし早いところ何とかしないとだな。



「では、悪魔の島で起こった出来事をお聞かせ願いますでしょうか」



 俺は探索班、救出班、報告班の話を纏めて順序だててギルドマスターへ伝えた。悪魔の島はゾンビと木人形で溢れかえっており、生存者が居ない事。レイドボスと思われる船長が居た事。街道にはPKPTも現れた事を伝えた。



「なんと・・・ではレナさん達は一度ギルドへ報告して悪魔の島へ戻っている最中に襲われたのですね。そちらもよく御無事で・・・」


「ミラさんとディムさんが居たので余裕でしたよ!」


「ハクさん・・・余裕ではなかったでしょ。結構な手練れだったので、普通のPTや商人達が襲われていたらかなり危なかったと思います」



 ハクは仲間を信頼しすぎているきらいがあるので、レナに窘められていた。確かに俺もミラが居て、その上ディムもいれば負ける事など無いと考えて送り込んだのだが、ミラの話を聞く限りではかなり強かった様だった。



「それと悪魔の島にレイドボスですか・・・。5人で生き残れる様なタマ伯爵のPTが、撤退を余儀なくされる程強かったと。どうすれば良いのでしょうか・・・頭が痛くなります。何にしても今回の件、依頼した内容以上に色々として頂きありがとうございます。まずは調査依頼を完了とさせて頂き、報酬をお渡し致します」



 一緒について来ていた受付嬢の2人がお茶と一緒に報酬を持ってきてくれた。事前に言われていた報酬より多かった様で、袋の重みが違う。ありがたく頂戴しよう。往復の船賃でかなり手持ちが減ってしまったからな。


 俺はお茶も一口頂き、ギルドマスターへ続きを促す。



「報告は以上ですが、ドール城下町の冒険者ギルドとしては、今後はどうなさるおつもりでしょうか。差し支えなければ伺っておきたいのですが」


「ええ・・・今頂いた報告を踏まえて考えると、今後の対策として選択肢は2つあると考えております。1つはドール城下町の王様へ相談し、悪魔の島には今後何人たりとも入島禁止にして被害者を出さない様にする事。ただそうなると渡し舟の人達は職を失い、この町の物資を確保出来る狩場が1つ減る事になります」



 ギルドマスターが苦虫を嚙み潰したような顔でそう話し、お茶を一口すすった。それから意を決して再び話し始める。



「もう1つの案としては・・・・・・タマ伯爵も想像しているかと思いますが、悪魔の島に入れない理由であるレイドボスの討伐を信頼と実績、実力のあるAランク冒険者へギルドと国から依頼をかける事。この場合は莫大な報酬と名誉はお約束出来ますが、討伐へ向かう冒険者達の命は保証出来ないという事が問題になります。また、Aランク冒険者が依頼を受けて頂けるか。そちらも問題です」


「それってハガネと私達の事だよね?それとも他にも数名はいるであろうAランク冒険者の事?」


「ハンナさんの仰るように、頼むとしたらタマ伯爵率いる【義を見てせざるは勇無きなり】のメンバーの事です。他のAランク冒険者へ依頼を出す事も考えない訳ではありませんが、各国へ散らばっている為招集する迄の時間を考えると断念せざるを得ません。事は急を要しますので。それと、レイドボス討伐を行った事もある高ランク冒険者はタマ伯爵しかおりませんので」



 まぁそうなるよね。目の前に高ランク冒険者でレイドボス討伐をやった事がある人が居たら、俺だってその人に依頼を出すだろう。美味しい狩場を1つ潰してしまうより、狩りに行けない原因を取り除いた方がギルドの為にも国の為にもなるからな。



「そうです、ハガネさんは凄いんですよ!なんて言っても胞子の海に居た、あのレイドボスのオルフェンを討伐したんですから!100以上の人を動かして、最後は自分で倒しちゃったんですから!あの時のハガネさんは本当に格好良かったんですよ!」



 ハクが俺の事を良く言われてご満悦になっている。それは良いのだが、実際どうしたもんかね。


 あの狭さのダンジョンでは前回の様に大人数で討伐する事は難しい。サポート部隊をつくったとしても、直接戦闘に絡むのは30~40人が限界だろう。その人数でももう少し広い場所を見つけておかないと戦闘は難しい。


 高レベルの実力者だけで、その人数を集める事が出来るだろうか。うちのクランは全員参加として・・・・・・いかんいかん、いつの間にか討伐する方向で考えてしまっているな。


 流石に全員の命のかかった件だ。一度持ち帰り、皆へ相談する事にしよう。

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