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報告班もダンジョンへ

 救出班と合流してから2日経ち漸く洞窟の入り口付近まで戻って来れた。足手まといの俺がいるせいで、大分進みが遅くなってしまった。魔物の出現頻度は高かったが、救出班と探索班が合流していたお陰でそこまでの苦戦なく魔物を倒し、ここ迄戻ってくる事が出来た。


 今は少し休憩をしており、この休憩が終わったら一気に外まで出る予定だ。このメンバーなら安心して進むことが出来るが、それでも船長が出てきたら正直分からない。遭遇する前に早めに脱出したいところだ。


 後半日も歩けばやっとここから出れるなと思っていたら、前方から集団の声が聞こえてきた。



「早く早くっ!はーさん達が待ってるから!冒険者さんも兵士さんも早くっ!」


「ディムさん、そんなに急がせたらダメですよ。魔物はミラさんが先行して索敵してくれているので、不意打ちを受けることはないと思いますけど、焦りは禁物です」



 おぉ・・・あれはディムとレナの声だな。2人とも元気そうで何よりだ。って、この洞窟に報告班4人だけで入り込んでしまったのかと思ったが、どうも冒険者ギルドから冒険者と城から兵士を連れて来てくれたみたいだな。報告班もやるなぁ。


 まぁきっと冒険者ギルドとの交渉は人見知りのハクではなく、レナがやってくれたんだろうと思うけど。



「なぁ・・・この誰も帰って来れないって噂のダンジョンに入って、予定より7日以上帰って来てないんだろ・・・。ザイオース城下町での英雄伯爵の話は俺も聞いているけどさ、流石に生きてる訳ないだろう。お嬢さん達が絶対生きているって信じて疑ってないから、ここ迄ついてきたけどさ」


「だよなぁ。Bランク冒険者達も帰って来れなかったし、Aランクで英雄だって言っても、戦闘狂のヒーラー1人と女性4人で入ってるんだろ?流石に無理があると思うぞ」



 冒険者だろうか。俺達の事を話している様だ。助けに来てくれているのに失礼な話しをしている様に聞こえるが、状況を考えれば至極真っ当な考えだと思う。でもそんな冒険者達の当たり前とも言える考えは、我らがハクさんには通用しなかった様だ。



「そんな訳がありません。ハガネさんは絶対大丈夫ですし、そこへワニさん達が合流する為に向かったんです。ハガネさんは一人も死なせないで5人で待っていたはずです。戻って来なかったのは、よっぽどのイレギュラー・・・それこそBランク冒険者やドール城の兵士の方々が帰って来れなかった理由を突き止めたんだと思います。流石ハガネさんです!ちゃんと依頼内容を達成した上でBランク冒険者ですら帰還出来なかったダンジョンから、全員で生還するんですから!そもそも5人で入るのが無謀と言いましたが、今回の依頼は非常に不鮮明で不明瞭です。ドール城下町が冒険者と兵士をあれだけの人数を投入しておいて、結局原因が分からない様な恐ろしい内容の依頼です。普通なら危険を感じて、クエスト事態をお断りしても可笑しくありません。ですが、そこはザイオース城下町の英雄で伯爵でAランク冒険者のハガネさん!危険を顧みず、戻って来れない冒険者や兵士の方々、延いては冒険者、兵士が不在の為、町や街道の治安が悪化してしまったドール城下町の人々の事を憂い、こんな依頼を受けて自ら一番危険な探索班としてダンジョンへ潜っていく男らしさ!やっぱり格好良いです!本来であればザイオース城下町の貴族であるハガネさんが、別の町であるドール城下町の依頼を受けなくてはならない理由などありません。ハガネさんの優しさと男らしさがあふれ出た結果、この依頼を解決に導く為に立ち上がったのです。ヒーラーの代名詞であるビショップという職業でありながら、常に危険な最前線に立ち続け、クラメンを守り続ける強さと温かさ。盟主としての役割、貴族・冒険者としての役割を必要以上に果たす責任感の強さ。その大変さが皆様に伝わっていますか?ハガネさんだからこそこんな状況でも依頼達成を諦めずに頑張っているんですよ。万が一・・・万が一にもハガネさんの身に何かあれば、私は・・・・・・私達はドール城下町を滅ぼすかもしれません。ハガネさんを傷つける様な依頼を出し、戻って来れない事などあればその依頼を出した町を許す訳にはいきません。それにその時は、この話を持ってきたザイオース城下町のギルドやギルドマスター、ザイオースの王様であるラナさんのお父様も・・・・・・同罪です。ハガネさんの婚約者でもあるラナさんのお父様ですから許してはあげたいところではありますが、ハガネさんに不利益が出る話しを持ってきた町の王様であれば許す訳にはいきません。私一人ではなく、その時は我らが血盟員・・・ハガネさんを慕う人達全員で、必ず報いを受けさせます。まぁ・・・万が一にもハガネさんがやられている事なんてないですけね。そんな訳ありません。と、言う事で、冒険者と兵士の皆様。出来る限り速やかに、ハガネさん達探索班とワニさん達救出班を早く見つけて、町へ帰りましょうね。宜しくお願いしますね♪」



「「・・・・・・はい」」



 真っ当な事を話していた冒険者2名がドン引きしている。小声でこのお嬢さんかなりヤバい人だぞ、見た目はあんなに可愛いのに、なんでこんな事に・・・。こういう娘達ばっかり囲ってるタマ伯爵はかなりヤバい奴なんだろうな。とか話している。


 何故結果的に俺の評価がヤバくなるのか・・・納得いかない。


 ハクには数日会えていないし、俺の事を心配してくれている事もあり、表面的には平静を装っているけど全く平静ではないな。かなり病み具合が進行してしまっている。久々に長文を聞いた気がする。ここ迄長期間離れていた事もないし、ダンジョンから戻って来ないなんて言ったら生死不明だものな。


 信頼はしているけど、万が一を想像してしまいこうなってしまったのだろう。死ななくて良かった。



 俺が死んでいたら冗談ではなく、ドール城下町とザイオース城下町に攻め入っていても可笑しくない。ハクは間違いなくやるだろう。きっと止めてくれるクラメンもいるだろうけど、ハクがあの状態になっても止めてくれる人がいるとは思えない。


 普段なら比較的真面なワニの婚約者達が止めてくれるだろうし、ワニが止めてくれると思うけどこの状況だからな。下手したらワニも死んでいるかもしれなかったし。その時は血盟総出で城を襲ってそうで恐ろしい・・・。



 早くハクへ声をかけ、ちゃんと無事だという事をアピールしないと、2つの国が滅んでしまいそうだ。

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