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PKなんて大嫌い

《ハク視点》



 プレインズウォーカー1の短剣が、もう少しで私の身体へ届きそうです。辛うじて見えてはいますが、見えるならば避けられる訳ではありません。レナさんがいるから即死さえしなければ大丈夫かな、と諦めに似た気持ちが私の中で大きくなっていきます。

 

 でも首元を狙ってるように見えるので、少しでも当たらない様に身体を後ろに倒しますが、あんまり効果はなさそうですね。相手の方が全然速いですから。



 もう刺さったかと思い、思わず目をつむってしまいます。ですが少したっても私の首は痛くありませんでした。それどころか短剣をはじく音が、私の近くで響いています。


 ディムさんが私とプレインズウォーカー1の間に割り込み、UD(アルティメトディフェンス)を使用し防いでくれたみたいでした。私のせいでUDをディムさんに使わせてしまいましたけど、そのお陰で生きながらえる事が出来たのでここは感謝です。



「ハクさん、しゃがんで!!」



 ディムさんの緊迫した声が私の耳へ届く。何のことだか分からなかったけど、意味も無くそんな事を言われるはずがありません。慌てて頭を抱えてしゃがみ込みます。でも間に合ってなかったみたいです。私の身体に何か起こるんだろうと他人事の様に考えてましたが、急にレナさんからタックルされました。


 何でレナさんがそんな事を・・・と思ったのも束の間。レナさんに押し倒されながら、レナさんの左肩に矢が深々と刺さりそのまま貫通するのが見えました。また矢が飛んできていたのですね。肩に矢の刺さったレナさんと共に私は地面に転がりました。



「レナさんっ!!!」


「この位・・大丈夫・・・早くドライアードツールをっ」



 そんな事を私を助けてくれたレナさんに言われ、私は我に返ります。急いでプレインズウォーカー1へドライアードツールをかけます。ですが、毎回成功する訳じゃないのは十分過ぎる程知っています。今回は最悪のタイミングで失敗してしまいました・・・。


 プレインズウォーカー1はUD使用中のディムさんが抑えてくれてますが、弓使いがどうにもなっていません。またしても矢が飛んできますが、何故かレナさんが私をかばいます。嬉しいですけど、それはダメです。ヒーラーのレナさんが元気じゃないとヒールがしてもらえません。


 レナさんは肩に続いて、太ももまで貫かれてしまいました。



「バトルヒール!!」



 私のヒールでは貫通した傷なんて痛みを和らげる位しか出来ません。ないよりましかもしれない程度です。それでもヒールをかけずにはいられません。でも、また矢が飛んで来て、身動きの出来ないレナさんの足を再度貫きます。



「レナさん、馬車のかげに移動してっ!!」



 私はもう一度BH(バトルヒール)をレナさんにかけて、何とか隠れてもらう様伝えました。激痛で動ける訳がないとは思いますが、このままではレナさんが死んでしまいます。私も身を出来る限り低くして、馬車のかげの方へレナさんを引っ張っていきます。



「私は良いから、ハクさんは早く隠れて・・・。あなたに何かあったらハガネさんが悲しむから」



 弱々しい声でとんでもない事を言ってきます。もちろん私が死んだらハガネさんは悲しんでくれると思います。ですが、レナさんが死んでも悲しむに決まってます!だから私は力を振り絞ってレナさんを引きずります。でも矢はまた飛んできます・・・。


 今度はレナさんを引きずっていた私の足に矢が刺さります。しかも貫通せずに足に突き刺さったままです。痛みに耐えてレナさんを再度引きずりますが、バランスが取れずに倒れてしまいます。そしてさらに矢が飛んできたみたいです。


 ご丁寧に反対の足を矢が貫通して、もう足に力が入りません。レナさんはそれを見て私へヒールを使用してくれようとしてますが、矢が刺さったままなので躊躇しています。多分弓使いの人達は私達2人を基本的に殺さないで捕えようとしているのでしょう。そうじゃなかったら、身動きの取れないメイジ2人なんて、急所に攻撃を受けて死んでいます。



 私は引きずる事を諦めて、レナさんに覆いかぶさる様に乗っかります。そんな事をしても助けられるとは思いませんが、このままレナさんが矢を受けるのを見ていたくありません。ただそんな事を思っただけの行動です。



「ハクさん!レナさん!もう少しだけ耐えてっ!!死なないで!」



 ディムさんがプレインズウォーカー1と戦いながら、こちらを気遣って声をかけてきてくれる。皆、なんていい人達なのだろう。だけど今度は右手に矢が突き刺さりました。レナさんに刺さらなくて良かったと思うと同時にもう1本腕に刺さりました。好き放題撃ってくれますね・・・。


 多分もう1本飛んでくるだろうなと思い、私は痛みに備えて身体がこわばりましたが、追撃はきませんでした。でも大分血が流れてしまったのか、少しずつ意識が遠のいていきます。でも、今気絶何てしている場合じゃありません。レナさんを守らなきゃ。



 ディムさんは大分苦戦している様です。1対1ならともかく、弓使いが私達を放置してディムさんを狙い始めました。もうUDの効果は切れてしまっている様で、嫌らしいタイミングで飛んでくる矢に当たり、徐々に血が流れ始めています。


 それでもプレインズウォーカー1に負けないのだから、やはりディムさんも凄いです。



 私とレナさんは地面に伏せながらディムさんを見ていました。歯がゆい思いでしたが、もはや何も出来ないので仕方がないと諦めています。見ていると何か変化が・・・。


 徐々にですが、プレインズウォーカー1の傷が増えてきて、ディムさんの被弾が減っています。何故この状況で相手を上回れる事になったのでしょうか?



 分かりました!矢が飛んで来てないのです。先ほど迄ひっきりなしに飛んで来ていましたが、今は何故か1本も飛んで来ていません。矢が尽きたのでしょうか?でも、如何に人として最低のPKとは言え、弓使いが大事な矢を切らすでしょうか・・・・・・。



 その時、プレインズウォーカー1がディムさんの方へ倒れ込んでいました。その後ろに居たのは・・・・・・ミラさん!


 肩の矢は引っこ抜いたのか、血だらけではありますがご無事な様です。



「ディム、待たせたね」


「いえ、ミラさん。ありがとうございます!」



 そうか、先ほどからミラさんの姿がありませんでしたが、弓使いを倒しに林の中に行っていたんですね!その間ディムさんは私達をかばいながら、必死に戦ってくれていたんですね。なんて人達ですか。凄すぎます!



「ハクにレナも遅くなって悪かったね。貴方達に何かあったら、ハガネに申し訳が立たないからね」



 そう笑いながら私達にミラさんが声をかけてくれました。同じ女性ですが、カッコイイと思ってしまいます。本当に感謝しています。




 その後まずはレナさんを回復して、皆さんをレナさんに回復してもらい少し休憩して、改めてドール港へ向かいました。

次話からハガネ視点へ戻ります。

ワニ、ハク視点は読みにくくなかったでしょうか。

精進して参ります。

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