報告班は報告がお仕事
《ハク視点》
「やっとドール港が見えてきました。早くギルドへ報告して、ハガネさんの所へ帰りましょう」
「そうだね!はーさん達が待ってるからね!」
私はワニさん達と別れて島へ戻る船に乗り、また4時間かけてドール港へ戻ってきた。ディムさんも私と同じで早くハガネさん達に会いに行きたい様だ。ワニさん達がお迎えに行ってくれているので、きっと大丈夫。ハガネさんがいるんだから大丈夫。とは思っているけど、心配してない訳じゃないから早く戻りたい。
「あの坊主・・・じゃなかった、伯爵様が戻って来ないとはねぇ。そんなにあの洞窟は強い魔物が出る様になったのか?救出に向かったエルフも優男だったし大丈夫なのかね」
「船長っ!大丈夫に決まってます。ハガネさんもワニさんも強い人達ですから」
「あぁ、すまねぇ。別に死んだと思ってる訳じゃねぇんだ。あんないい奴らだからな、俺も無事を願ってはいるんだぞ」
船長さんの一言に対して、私はつい言葉がきつくなってしまった。でも、今のは船長さんが悪いと思います。まぁ悪気はなかったみたいなので、今回は許しますけど。もし今悪く言われたら我慢できる自信がありません。
そんな事を考えている自分が思いの外、心に余裕がない事に気が付きました。でも余裕なんてある訳ありません。大好きなハガネさんやクランの皆さんが死んでしまうかも知れない。そんな状況で平然となんてしてられません!今は一刻でも早く戻りたいのが本音です。
でも焦る気持ちとは反対にドール港からドール城下町迄、歩いて1日かかるんですよね・・・。その後ギルドへ行って報告して、それからまたドール港へ戻って船に乗って・・・・・・気持が焦ってしまうけど、ドール城下町迄の道中とドール城下町に入ってからも油断したらダメだと言われています。
海賊なのか、盗賊なのか分かりませんけど、そういった人達にきっと遭遇するからです。その為に探索班、救出班だけではなく、私達報告班にも人数を揃えてくれました。正直過剰だとは思いますけど、これもきっとハガネさんの愛だと思います。
私とディムさん、それにミラさんにレナさん。少数ですが、探索班に回っても可笑しくない編成です。どれだけハガネさんは私達を心配してくれているんでしょうか。
まだまだ頼りないんですかね?本当だったら探索班にディムさんかミラさんを連れて行った方が安定すると思うけど、それよりも私達の安全を優先してくれたんだと思うとこんな時でも嬉しくなっちゃいます。
きっと私達は女しかいないし、遭遇するであろう邪魔者は魔物だけではなく、男の人達。だから過剰にもなったんでしょうね。しっかりと勤めを果たしてきましょう。
「船長さん、ありがとうございました。また直ぐに戻ってきますので、その時はまたお願いします!」
「おう、任せとけ!嬢ちゃん達なら喜んで送ってやるよ!」
私たちは船長さんへ一声かけて、ドール城下町へ急ぐ事にした。また船に乗る為にも、ギルドに報告へ行ったらお金を引き出さないとだ。忘れない様にしなきゃ。
はやる気持ちを抑えてドール城下町への道を急ぎます。ミラさんに先行してもらい索敵をお願いして、私とレナさんの少し後方にディムさんが警戒しながらついて来てくれています。
私とレナさんは正直対人戦闘の戦力にはなりません・・・。一応接近戦になった時の為に私達2人にもヘイストはかけていますが、役に立つ事は中々ありません。ギンナルさんは弓とドライアードツールで戦ったりしますが、私は良いところWSを遠くから打つぐらいです。
レナさんも出来てその位だろう思います。プロフィットなのに、弓を使えるギンナルさんが凄すぎるのです。でも本来後衛職はそういうものです。このクランの人達は少しばかり凄すぎると思います。
ましてや後衛職代表みたいなヒーラーであるビショップが、魔物だろうが人だろうが相手が誰であれ一番前線迄出た挙句、接近戦で倒すと言うのは今更ながらどういう事なのだろう。
初めて出会った時から森でソロを行い、ゴブリンとオオカミに囲まれて逃げるどころか倒してしまう。杖も使う時はあるけど、ほとんどが素手で・・・。格闘技だか武術とは言ってますけど、あれには驚きました。
後衛職でヒーラー・・・純粋なヒーラー職なのに、あんなに戦える方って他にもいるのでしょうか?
きっと居ないと思います。それに前線で戦っているハガネさんは、とっても格好いいのです!
普段私達には凄い優しく接してくれているのに、戦いの時の厳しい目つきがとっても良いの!あの目で私の事を見てくれたら・・・とも思ったりしますけど、ハガネさんはきっとそんな事はしないです。
基本的に女性に対してすっごい優しい。私に対しても優しいけど、色んな人にも優しい。そこが魅力的でもあるんだけど、だからあんなに女性が増えるんだ・・・きっと。
いけない、いけない。話が横へそれちゃった。
私よりも凄いレベルが高いメイジだから倒せたりするのかな?って思ったけど、聞いたら同じでしたし。装備もローブだから紙装甲だし・・・それでもダンジョンに入ってワニさんを助けに行った時も、後から聞いたらスケルトンを素手でバシバシ倒してたみたいだし。
その後もクルマーの塔とかでPKに襲われた時も、明らかに職業では接近戦で負けている弓使いや短剣使いのPKの人に勝っちゃってましたから、どう考えても可笑しいです。
PKの人達は人を襲う事になれているはずなのに、その人達に対人スキルすらないのに勝っちゃうんだから凄いですよね!
極めつけはレイドボスのオルフェンと1対1で戦って、最終的に素手で止めを刺すとか意味が分かりません。だってあのセラさんだって攻撃を耐え続ける事が出来なかったんですよ!それに他の盾職の人達も頑張っていたけど、オルフェンの前で立ち続ける事も出来ませんでした。
そんな相手と素手で正面に立ちふさがるだけでも凄いのに、倒しちゃうんですからあの人は凄いです!そんな人がギンナルさん、リリミアさん、スカーレットさんにラナさんと一緒にいてやられるはずがありません。
私は信じてますからね、ハガネさん。




