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探索班はどこへ

《ワイルド・ニート・ニーベルング視点》



 休憩を終えて再び奥へ進みだしましたが、未だに探索班達とは会えていません。魔物はひっきりなしに襲い掛かってくるので、嫌になる程ゾンビと木人形は倒しました。


 最初の内はイルさんにちゃんとスポイルを使ってもらい素材確保もしていましたが、今となってはスタンアタックに魔力を優先してもらっている為、途中からはスポイルをしてもらっていません。それでも手持ちの素材は満タンですけどね。


 また全員で船を使って帰る時の足しにはなるでしょうが、既に素材も魔石も沢山あり過ぎてかさばるので大きな素材を捨て、魔石だけを確保するようになっています。贅沢な話ですね。この調子なら久々に皆さんのレベルアップが期待出来ますが、それも全員が生きて帰れたらの話ではあります。



「前方ゾンビ4、木人形3家族!」


「後方にゾンビ2、木人形2家族です!」



 セラさんとジャンヌさんから悲鳴に似た大声で魔物の出現が告げられます。既にこういった状況がずっと続いています。ユイさんは魔力をリチャージに回す程の余裕はなく、常にセラさんとジャンヌさんにヒールをかけている状況です。


 メイン盾お二人が攻撃を上手く捌きつつ受けてくれている為、何とかユイさんの魔力が残っていますが同レベル帯の普通の盾職ではこうはいかないでしょう。あの2人は素晴らしい盾職です。それでも魔物が多すぎて厳しい状況には変わりませんが。



「ワニ様!後方にゾンビが追加で2体来ます!!」


「ジャンヌさん、UD(アルティディフェンス)使用しヘイトオーラを一度だけ。ユイさん、リカさん前方に集中を」


「「「はい!!」」」



 ベーシュさんが後方の追加で現れた魔物を知らせてくる。これ以上ジャンヌさんが集中攻撃を受けるのは宜しくないですね。ユイさんのヒールも追いつかなくなってしまいます。一先ずジャンヌさんにはUDで抑えてもらい、その間に前方の魔物を倒してしまいましょう。


 リカさんの雷撃魔法が轟音と共に放たれる。その後、前衛職が前方の敵へ突っ込んでいく。後方の敵の全てをUD状態でジャンヌさんが抑えてくれているので、その背後に私は回り込みブロー系を使いつつ木人形の数を減らしていく。流石に一人では大した数は減らせないですが、UDが切れた後に私の方で引き受ける為にもヘイトを稼いでおくとしましょう。


 ベーシュさん含めて前方の敵を倒してもらっていますが、流石にまだ倒しきれませんね。如何せん魔物の数が多すぎるのと、そもそも魔物の体力が多いのか倒すのに時間がかかってしまってます。



「ワニさん、もうすぐUDが切れる!」


「少しこちらで受け持ちますね」



 ジャンヌさんの声掛けを受ける前に、あらかじめゾンビ4体はヘイトをこちらで取っておきました。倒せたのは2体だけなので、残り2体を前方の魔物を倒し終わる迄は相手をしておきましょう。それでも木人形2家族に対して、ジャンヌさん一人では厳しい状況です。


 ユイさんは・・・・・・こちらにヒールを回せる余裕はまだなさそうですね。仕方ありません、木人形1家族も頂きましょう。攻撃を受ける訳にはいかないので、私も危なそうならUE(アルティメトイベイション)を使う様にしないとですが、まだとっておきたい気持ちもあります。


 ハガネさん程ではないですが、私も紙装甲ですからね。攻撃を受けたりしたらユイさんの負担が増えてしまうので、十分気を付けていきましょう。



 5分程木人形1家族とゾンビ2体の攻撃を捌きつつゾンビを1体は倒す事が出来ました。ただ、流石に少し被弾してしまいましたね。初期村のダンジョンならともかく、流石にここら辺に出てくる魔物は強いし上手い。


 若干の知性があるのか、逃げた先を狙って攻撃してきますからね。ゾンビはそこ迄ではありませんが、木人形の家族は結構やっかいです。ただUEを使わずとも・・・・・・生き残れましたね。



「ワニ、待たせたな!ヘイトオーラ!」



 セラさんが駆けつけてくれたので、後は任せましょう。私は少し離れて座る事にしました。ユイさんも既に座って瞑想に入り魔力を回復していますね。攻撃陣は魔力の節約をしつつ攻撃を入れていますが、問題なく倒しきれるでしょう。



 程なくして、木人形1家族とゾンビ一体は光になって消えていきました。流石に皆さんの疲労が激しい様に感じます。ユイさんからヒールを頂き休憩した事も有り、私も大分楽になりました。



「ユイさんありがとうございます。皆さんもお疲れ様でした。少しだけ休憩を入れましょう」



 そう皆さんへ伝えて、移動を開始します。流石に元気な人はいませんね。あのセラさんですら、少し俯き加減になってます。これは良くないです。何か明るい材料でもあれば、皆さんが元気になれると思うのですが、依然として探索班の痕跡を見つけられておりません。


 その時です。警戒に出ていたリースさんから声が上がりました。



「ここに魔石がかなり落ちてるよ!きっとハガネさん達だよ!!」



 リースさんが言う様に、不自然な程魔石が落ちていました。水の中にあるのに、良く発見出来ましたね。流石です。まず間違いなくハガネさん率いる探索班だと思います。


 ですが、今まで落ちてなかった魔石が落ちているという事は―――ここに来て魔石を拾う余裕すらなくなってしまったという事。それに発見出来ている魔石の数を見るに、今私たちが襲われている魔物の群れと同等かそれ以上の数と戦っていますね。

 

 通常ならここ迄同じところで戦わず、距離を置いて戦闘をするはずです。それが一ヶ所に固まってあるのは逃げる事すら叶っていない事を意味します。



「皆さん、お疲れだと思いますが急ぎましょう」


「任せとけ、まだUDもあるし何とかする!」


「私も半分ぐらいは回復出来たので、早く行きましょう」



 セラさん、ユイさんも私以上に辛いでしょうが、きっと同じ事を考えたんですね。隠そうとはしてますが、焦りを覚えているのが伝わってきます。



 その後少し進むと、後方にいる私でも見える明るい場所がありました。



「ワニ、あれを見ろっ!」



 セラさんに声をかけられその方向を見ると、魔法の光・・・レクイエムでしたかね。ビショップの魔法―――ハガネさんの魔法の光が見えました。当たり前ですが、やはり生きていましたね。流石ですよ。


 今行きますからね。

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