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船長との再戦

「スカーレット、待たせたね。お陰様で元気いっぱいになりましたよ」



 そこ迄離れてない場所にいたスカーレット、リリミア、ラナ達へGGH(グレーターグループヒール)を使い、まずは回復させる。多分スカーレットは全回復には至らないだろうが、こちらも残りの魔力に不安がある。体感的にはまだ半分位迄しか回復出来ていなさそうだ。ここから沢山魔力を使う事もあるだろうし、出来る限りは節約しなきゃね。



「ハガネっ!!こんな短時間で死にかけていたのが元気になる訳ないだろう!」


「ギンナルさんが頑張ったんですね!良かったです!」


「リリ・・・ハガネの言う事を何でも信じるんじゃないわよ。ハクって呼ぶわよ」



 皆、船長との戦闘中だと言うのに随分元気だな。ただ無傷なわけではない。至る所が擦り切れたり、痣が出来てたりしていた。一応今はヒールをかけたから直っているが、スカーレットは鎧のあちこちがかけており、流石に無機物は直せない為そのままになっている。


 別に誰に見られるものではないのでそういった問題はないが、単純に防具としての機能が低下したままなのは頂けない。落ち着いた場所であればドワーフのスミスが居れば狩場でも修繕可能なのだが、まだうちのクランにはスミスがいない。仮に居たとしても、船長と戦ってる最中には無理だけど・・・。


 セラが居れば暫くメイン盾を交代してもらい、その間に後方でスミスが武具の修理を行うのが理想だな。ないものねだりをしても仕方がないので現実へ戻ろう。



「取り合えず、ギンナルのMPが回復する迄はこいつをここに引きつける。皆、もう少しだけ頼むよ」



 まだ再エンチャント迄は時間が残ってるので、その間にギンナルに魔力を回復してもらい、再度エンチャントをかけてもらったら、逃走を始めようと皆へ伝えた。逃走と言ったって逃げるのコマンドを選んだり、とんずらなんて便利なものは無い。こういうどうでも良いのは意外と覚えてるのが歯がゆいな。



 俺達が時間を稼いでる間に、ギンナルが近くへ来て再エンチャントをかけてくれた。さて、やるか。



「ギンナル、魔力が8割切る迄ドライアードツールを。リリはスタンを続けてくれ。スカーレットはギリギリヘイトが届く距離迄下がって。ラナは途中のゾンビと木人形用に今は魔力温存で」



 こんな博打みたいな行為はしたくないのだが、どう考えても普通に走っては逃げきれない。相手の方が動きが早い上に、洞窟の出口へ逃げている間も他の魔物は出てくるのだ。もし逃走中に魔物と遭遇したら、挟み撃ちになってしまう。それだけは避けなければならない。




 リリのスタンが良く効く為、ドライアードツールが掛かる迄の時間稼ぎにはなっている。ただ、かなりの回数をギンナルへかけてもらったが、まだ決まらない。まだと言って良いかはこの後次第だ。


 スタンが解けるとスカーレットが遠間からヘイトをかけ、船長が向かっていく背後から再度リリがスタンを入れる。大体3回に2回は決まるな、これは弱点耐性なのかもしれん。



 それが分かっていたら、スタンスキルのあるメンツで順番に使い、決まらなければ次の人がまたスタンを使ってかかる迄行い、かかったらスタン使いは休憩。

 

 スキルのディレイが短くなる様にブレードダンサーをPTに入れ、攻撃速度の上がるダンスオブフューリーを使ってもらいスキルの再使用を早くして、リチャージの出来るエルダーとシリエンエルダーも同PTに配置して・・・・・・って今考える事ではないか。


 だが、ただボロボロにやられて逃げるだけってのは性に合わない。どうせなら今後の事も考えて、逃げる手立てとリベンジする方法は常に模索しておきたい。



「ハガネさん!かかった!かかったよ!!」


「流石ギンナルさんです!」



 そんな事を考えていたら、ギンナルとリリミアの弾んだ声が聞こえた。


 凄いな、やってくれとお願いしたのは俺だけど、ドライアードツールが決まってる!これなら何とか逃げ切れるかもしれない。そうと決まれば・・・。



「全員走れっ!」



 逃げの一手だ。皆に声をかけてから、船長へ近寄りレクイエムを使用する。2回続けて使える程の魔力はもう残ってないので、何とか決まって欲しい。


 祈りが通じたのかどうかは分からないが、レクイエムが決まった。表情は変わらずわかり辛いが、こちらへの興味を失った様に見える。今のうちに距離を稼ごう。タゲさえ外れてしまえば、何とか逃げれるだろう。




 全員全速力で走り少しでも距離を稼ぐ。



 ただ、ここにいるのは船長だけではない。流石に外迄魔物と一度も遭遇せずに逃げられるほど、甘い世界ではなかった。数分は走った分の距離を稼げたと思うが、まだ再度の船長との遭遇もありえる距離でそいつらはいた。


 木人形が3家族もいる・・・・・・。やるしかないか。



「全員スキルをフルで使用。ラナ、全力で頼んだ!」


「任せるがよい!」



 今は残存魔力を憂うより、殲滅速度を優先したい。少しでもあいつから距離を稼がないと、もう一度接敵したら生き残れるとは思えない。


 全力で討伐に当たったお陰で、直ぐに残り1家族となった。が―――今度はゾンビが3体同時に来た。



 おかしいだろ。今まで早々同時出現してないのに、何故こんなに一遍に現れるんだ。船長が引き寄せてるとしか思えないぞ。


 俺は残り少ない魔力を使い、3体の中へ突っ込みレクイエムを使用する。敵がアンデットで良かった。その間にも皆が木人形の残りを片付けてくれたが・・・ゾンビ3体の後ろにまた木人形が2家族見える。仕方なく出口とは別方向へ走り出す。



 そうだよなぁ・・・・・・やっぱり甘くないよな。俺達は行き止まりにたどり着いてしまった。直に引き返そうとするも今来た道には木人形やゾンビが待ち構えている。倒して通り抜けたいが、既にラナの魔力は尽きている。先ほどの様には素早く殲滅する事は出来ない。


 あいつらを倒すのにまごついていたら、また船長に出会ってしまう。そうなったら、もはや生き残れるとは思えない。



 

 俺は行き止まりで袋小路になっているここで、救助を待つという決断を皆へ伝える事にした。

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