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温泉宿に泊まりたい

「皆、ひとまずお疲れ様でした。半日探索したけど、冒険者と兵士が帰って来ない理由は分かったね。後はあの人数の冒険者や兵士が殺されてゾンビになった理由だけど・・・・・・人形のせいだけじゃないと思ってる」


「そうだな。確かに人形は強いが歌、踊りが無くても時間をかければ私達5人で倒す事が出来ている。何も知らなかった冒険者はともかくとして、危険を承知で隊列を組んだ兵士達が全て殺されるのには腑に落ちないところがある」



 休憩に良さそうなポイントで、今日あった事を振り返る事にした。予定で言えば後1日はこの洞窟に引きこもってもう少し調査をするのだが、現時点で乗り込んだ全ての人間がゾンビになった理由がいまいちわからなかったので、皆に聞いてみる事にした。スカーレットも俺と同意見の様だ。


 いくらあの人形達が強いとは言え、特殊攻撃も特になかったし隊列を組んだ国の兵士達が、手も足も出ず全滅するとは思えない。ゾンビも戦った感想としては強かったが、10匹纏めて襲い掛かってくる様な事はなかったし、連携をとったりもしていなかった。最後みたいに人形と偶々同時に遭遇したとしても、それだけで殺されるとは思えない。



「私より小さい人形さんだったし、広くない洞窟だからゾンビが沢山出てきて戦い難かったとかです?」


「リリの言う通り、それは確かにあるであろう。ゾンビが同時に3匹でも出てくれば相当の苦戦は予想できる。それに万が一人形どもが同時に2家族出てきたら後退は必至だわ」


「ラナの言う事は確かだね。でも、私達が半日ここで奥に向かいつつ狩りをしてても、そんな事はなかったよねぇ」



 ギンナルが最後に言った通り、そんな危険な場面には遭遇しなかった。まぁ高々半日程度だし、一戦ずつかなりの時間を要している為そこ迄奥に進めた訳ではない。そう考えたら明日の一戦目が集団戦闘って事も無くはないだろうけど、確率的には低そうだ。


 現状数種類のゾンビと木人形位しか出てきてないからな。もう少し奥地に行けば、違う魔物も出るだろうしそれが異常に強いとか?でもそういった事であれば、そもそも今までこの悪魔の島に向かう渡し舟が商売として成り立つ程の狩場にはならないと思う。


 やはり何かしらのイレギュラーがここ最近で起こったと考える方が自然だな。皆それぞれに予測をし、対処方法を話し合ったところでそろそろ休む事にした。



「今日はここで野営して、明日はもう少しだけ奥へ潜ってみよう。戻る時間もあるから限界まで進んだりはしないけど、各自十分警戒していこう」



 2名ずつ交代制で見張りに立ち、7時間程のんびりする事にしよう。疲れたままでは不測の事態が起こる確率が跳ね上がってしまう。どれだけ警戒していても限界はあるからな。いくら訓練していても、集中した状態を維持し続けるというのはかなり難しい話だ。


 長い講義を真面目に受ける大学生とかでも、90分位が限界だろう。社会人になり会議を行うにしても、3時間ぶっ続けで行うより間に15分でも休憩を入れるべきだ。いくら緊張感を持った議題であったとしても、休憩すらせず行ったのでは意味が薄れてしまう。



 俺達の様な冒険者は、当たり前だが命がけの仕事ばかりだ。その分の見返りであるお金は受け取っているので文句はないが、常に気を張り集中していなければ簡単に命を落としてしまう。と言っても訓練されていても2時間以上集中力を持続出来る人は中々いないだろうな。間違いなく会議よりも神経をどんどんすり減らしている状態だ。


 本来なら45分狩りして、チャイムが鳴ったら15分休憩。それからまた狩りを再開するってのが正しく、効率的で安全だと思う。まぁ魔物がその間休憩してくれる訳ないから、そんな上手くいかないけどね。



 格下の魔物相手で、あくまで経験値稼ぎだけ~とかなら長時間続けても大丈夫だとは考えているが、その休憩時間を惜しんだ結果が仲間の死亡になるわけだ。分かりました?セラさんや。って今ここにはいないか。勿論本気で危なそうな場合ならセラが続けて魔物を引くのを止めるが、正直俺も続けて狩る方が好きなんだよね・・・・・・。早く普通の狩りがしたいもんだ。




 そんな事を考えながら見張りをしていると、ゾンビが一体近寄ってくる。



「ハガネさん、来ましたですよ」



 小さな声でリリが俺に声をかけてくる。



「2人なら勝てますが皆も寝ている事ですし、アンデットスキルを使う事にしましょう。出来れば起こしたくないですからねぇ」



 そう伝え俺は少し前に出る。魔力を身体の中で操作し、両手のひらを上に向け放出する。


 元〇玉!!ではない。ビショップの固有魔法でレクイエムという魔法だ。効果はアンデット限定ではあるが、聖属性魔法で攻撃意欲をなくしその場から遠ざける事が出来る。非常に地味な効果だが、こういった時には重宝する。見た目が頭の上に光の玉を打ち出し光らせるので、人間相手に使ったら襲ってくださいと言わんばかりの目立ちっぷりだ。洞窟は薄暗いからなおの事である。


 そんな魔法を使ったところ、ちゃんと効果が出てゾンビはふらふらと離れていった。



「凄いです!そんな便利な魔法があるのですね!」


「これ、結構魔力消費が激しいので、続けて使うと魔力切れになってすぐ気持ち悪くなっちゃいますけどね」



 そうなのである。こんな地味な効果の癖に、消費MPとしてはGH(グレーターヒール)を5回分位消費する。効果時間が2分位あるとは言え・・・もうちょっと使い勝手が良かったらなぁと改めて思う。


 今みたいに魔物が反応してない状態なら効果はあるけど、大リンクしてこちらにヘイトを向けている敵には効果が出ない。もしリンクしている相手にも効き目があれば、囲まれて襲われてる時にも逃げられるんだけど、そこ迄便利ではない。ヘイトを外したいならミラのトリックを使ってもらえばいいが、効果対象が単体なのでリンク時にはやはり意味をなさない。


 大リンクして逃げたくなったら、ラナかリカのスリーピングクラウドを使ってもらい、距離を稼ぐしかないかな。




 一番良いのは、そんな状況に追い込まれない様に、うまく立ち回るのが何よりだけど。

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