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顔文字 小噺(再掲)『いたん、いたんだミカン』

作者: 尾生 礼人

(*`▽´*)《かつて異端審問で異端と認定され破門された、御年70歳のイッタン上人(しょうにん)

今、その異端 認定 取り消しについて話し合いが持たれています!》


( ´∀`) 面白くなってきましたねぇ……


(・・;) 何がですか?

解説のブッチャー・ケインさん?


( ´_ゝ`) ああ……簡単なことですよ。

どこの組織でもあることですが、派閥というやつです


( ゜o゜;) えっと……話が見えませんが……?


( ´,_ゝ`) 外部の方から見ると、教団 vs イッタン上人 支持者、という構図ですよね?


(((・・;) そうですね……?


( ^o^) 実際には、七代前の法主(ほうしゅ)の頃から教団を牛耳ってきた現 主流派 vs 教団内 良識派なんです


( ゜o゜) ……と、言いますと?


( ´∀`) 現 主流派としては、先輩がたの判じた異端 認定を誤りと認めると、内外における自派の権威──影響力が失墜しますからね


(・・;) ……


( ´_ゝ`) (こころざし) 持つ若者たちが それぞれの得意 分野で のしあがり、やがて手を組み、組織 全体を改革する……そういったストーリーの逆ですよ。

血筋やらコネやら学歴やらで重要なポストを独占、自分たちだけ美味しい思いをしてきたのが一転、地獄へ真っ逆さまですからね……。

必死にも なるでしょう


(ー_ー;) ……つまり、教団 全体のメンツは どうでもよくて、自分たちだけのために ‘異端認定は正当だった’ と主張していると?


( ´_ゝ`) そういうことです。

不祥事は、起こした本人だけではなく、関係者 全員に影響しますからねェ……。

( ´ー`) 当時も話題になった トンチキな証言やデタラメな証拠の数々が 実はねつ造だったと認めたら、やらかした本人は元より、指示を出した上司、 その上司、そのまた上司……知ってて黙ってた同僚や部下──

みんな 教義に背いた罪で“ 破門” …… '大掃除' ですな

( ´_ゝ`) 教団 追放となれば、家族もろとも 世間から後ろ指を指され路頭に迷う……。ただでさえ、潰しが利かぬと評判の聖職者ですから、(あと)が ありません。赤の他人の一生よりも、自らの '保身' ですナ。

こういったのは、民間に とどまらず、役所にも多いですよ……。こと民間 組織なら つぶれるところが、お役所は つぶれませんからねェ


(゜゜;) ……しかし、昔ならいざ知らず、貴族制の廃された近現代では実力 主義のはずでは?


( ´∀`) 建前は そうですが、実態は変わりません。よく、'人類は変わらない' とか、'人間は何百年たっても進歩しない' なんて言いますが、パッと見は同じでも、死んで入れ替わってますからナァ~

親子であっても別人ですし、アプデなんて出来ゃしません……

( ´ー`) 話を戻しますと、誰しも安定した地位が欲しい! '三人 寄れば派閥が出来る' と言うように、貴族でなくとも結託するものです

( ´,_ゝ`) あと、可愛い子供に苦労させたく ありませんし、自らの老後も心配ですからナァ……

仲良く語らって かばいあい、組織を(わたくし)するものです


( ゜o゜;) ……


( ´_ゝ`) かつて貴族が、

‘私らの先祖は偉かった’

だの、

‘重要なポストは、お血筋にこそ ふさわしい’

だの言って重要な地位を独占していたのが、

‘私らの親は幹部だった’

‘重要なポストは、我ら高学歴の者にこそ、ふさわしい’

と言うように なっただけ です


~了~

今日もどこかで、生存本能から歪み、人間として当たり前なことが出来なくなった人たちの悪あがきが続く……。

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