第五話 シェアハウスへいざゆかん
人事部に戻り富倉さんに経緯を報告する
報・連・相は社会人の基本だからな!
「そうか。やってくれるようで何よりだよ。」
「いえ、あくまで1週間の期間限定です。ここで無理そうなら・・・退職ですかね」
「まぁまぁ、まだそうなると決まったわけではないんだから。先入観を持たず真っ新な気持ちで行ったほうがいいよ」
それらしい事を言っているが俺には悪魔のささやきにしか聞こえない
「で、いつから住むんだい?」
「今日です」
富倉さんの顔が若干ひきつっている
「そ、そうか。確か吉祥寺君は駅前のケーキ屋さんのシュークリームが好きだったはずだ。手土産に持っていくといい」
「おお!貴重な情報をありがとうございます。少し多めに買っていきます。ちなみに、経費で落ちますか?」
「落ちるわけないだろう・・・」
ですよね~
まぁいい。
こんなに仕事が終わって欲しくない日は初めてだったが、こういう日に限って特に忙しくもなく、人事部の先輩に仕事を押してもらっているとあっという間だった。
定時1時間前に富倉さんからあがっていいよと言われ
抵抗するも無駄に終わり帰宅の途へ着いた
1週間の宿泊準備をし、いざ駅前のケーキ屋さんへ!
お目当てのシュークリームを人数分+αを買い、魔王の住む城へと重い足取りで向かった
とうとう着いてしまった・・・
震える指を懸命に抑えインターホンを押す
ピンポーン
「入ってきていいわよ」
インターホンのカメラで俺を確認したんだろう
恐る恐る玄関を開け中に入ると・・・・
私服の吉祥寺さんがいた
神々しすぎるだろう・・・・
なんだこの綺麗な人は
思わず俺が見とれていると
「何ぼーっとしてるの?早く入りなさい。と言ってもまだ私だけだけど」
はっ!
いかんいかん!ここは魔王の城だぞ!どんなトラップが待っているのか・・・
普段はしないが玄関で靴をそろえスリッパを履いて中に入るとそこには意外といっては何だが、
普通の家だった
ゴミ屋敷のように汚いわけではなく、洗濯物や下着がその辺に散らかってるわけでもない
普通にきれいな家だ
そんな感想を抱きつつ、まずお土産を渡した
「駅前のケーキ屋さんのシュークリームです。よかったら皆さんで食べてください」
キランと吉祥寺さんの目が光った
「あら案外気が利くじゃない」
澄ました顔で言っているが口元が緩んでいる
そんなに好きなのか
「多めに買ってるので、吉祥寺さんよかったら・・・」
俺が言い切る前に箱を開けて数を確認していた
そして
「とりあえずお茶にしましょうか」
俺には頷く以外の選択肢が見つからなかった
幸せそうな笑顔でシュークリームを頬張る吉祥寺さんを堪能した後、
俺は管理人室へと案内してもらった
ここも特におかしな点はない
部屋は6畳ほどの洋室でベッドが備えつけられている。布団派の俺は少しショックだったが仕方がない
小さな冷蔵庫や電子レンジまである
至れり尽くせりだな
そんなことを考えているとインターホンがなった
「開いてるわよ」
とモニターに向かって話す吉祥寺さん
他の3人が帰ってきたのか
とりあえずは話し合いだな
そして俺は知ることになる
なぜ退職者が多いのかを・・・
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