第一二話 日常①
ここから第二章となります。
毎日更新は難しいですが、ストック書留頑張ります。
俺が正式にシェアハウスに住み始めておよそ一週間たった
今のところ大きな問題はない
多少の変化とすれば、
藤堂さんが同い年だから敬語で話すのをやめろというので普通に話すようになった
また、名字ではなく名前で呼べとの命令なので美鈴さんと呼んでいる
それを聞いていた不知火さんが私も名前でというのでそれは固辞した
最初はジト目で見てきたのだが断り続けると泣かれた
それを見た吉祥寺さんが般若の顔で『それくらいいいでしょ!』と切れてきた
あんたが『名前で呼んだらわかってるでしょうね?』って般若の顔で見てきたからのに・・・
その結果、藤堂さんは美鈴さん、不知火さんは葵と呼んでいる
なぜ葵かって?
上目遣いの潤んだ瞳で『葵がいい』ってお願いされたら誰だって無理だと思う
あとの二人は今まで通りの呼び方だ
変わったことと言えばそれ位で今日も穏やかに過ぎ去り、
夜ご飯を食べ終え自室に戻ろうとしたとき吉祥寺さんに呼び止められた
「あんた、ちょっと待ちなさい」
きっと俺のことだろうと思い振り返る
「いつもご飯食べるとすぐ部屋に戻るけど何かあるの?」
「あっ、うちもそれ思ってた」
葵もうんうんと頷いている
「いえ、特に何をしているというわけではありませんが・・・」
実際、特に何もしていないからな・・・
ゲーム・読書・ネットサーフィンなどだらけてるだけだ
「怪しい・・・」
葵がジト目で見てくるが無視だ
「じゃあ、なんでなん?」
「逆に何がだめなのかがわからんのだが?」
マジでわからん
「いや、うちらと一緒にいるのが嫌なんかなぁとか考えたりするんよ」
「そうね。無理矢理、とまではいかないでも住ませてるわけだから多少は気にするのよ。実際あんたがいなくるともうストックがいないから困るのも確かだし」
デレ期が来たかた思ったが、もの扱いかよ!
「もしかして聡君って引きこもりなの~?」
ナイスパス!本庄さん!
「本庄さんのが正解ですね。基本根暗の引きこもりですから仕事の時ならいざ知らず、プライベートの時は部屋から必要性が無い限り一歩も出ないです」
みんながうわぁ・・・と言った目で見てくる
「ちなみにその必要性は~?」
「ご飯・トイレ・お風呂ですね。もし部屋で食べれる場合はトイレと風呂だけですね。外出は食糧がなくなった時くらいです。あと、先輩or上司に呼び出された場合のみ」
みんなが可哀想な人を見る目で俺を見てくる
「あんた友達とかいないの?」
「さすがにいますよ。ただ、本当に仲が良い友人は他府県のやつが多いので」
一瞬、あなたに言われたくないというフレーズが出てきたがこらえた
「・・・彼女っているの?」
葵よ。その質問は俺の心を抉るぞ
「いたらここに住めないし、候補にもあがらんだろう」
「そらそうやね」
「じゃあ、特に何かがあるわじゃないってことね」
「その通りです」
「心配損でしたね~」
なんぞ知らん間に心配させる原因を作っていたらしい
「何かすいません・・・」
「引きこもりなら仕方ないね~」
「は、はい」
何だこの敗北感は・・・てかみんなも変わらないのでは?と思ったが、
4人で買いも行ったりしたりしてるし、やっぱり敗北者は俺だけか・・・・
「・・・でも、もっとお話ししたいのになぁ」
ぼそっと溢した葵の言葉に3人がすごい勢いで食いついた
もちろん俺はスルーだ
「どういうこと葵!?体調でも悪いの!?」
ひどい言い草だな
「葵ち~ん・・ど~ゆことか詳しゅう教えてんかぁ~」
何て邪悪な笑顔だ・・・
「あらあら、うふふ~」
俺と葵を交互に見ないでもらえませんかね
「べ、別にそういう意味で言ったわけじゃなくて!」
「じゃあどういう意味なん?」
だからその笑顔をやめろ!
「えっと、だから、その・・・」
葵の顔がゆでだこになっている
さすがに助け船を出すか
「以前、ODR上で男性嫌いの手助けの話が出てましたから、おそらくそういうことでしょう」
嘘は一切ついていない
「そ、そう!そうなの!聡さんといっぱい話せるようになればもう少し他の男の人とも話せるかなって・・・」
「ふ〜ん」
美鈴さんがあの笑顔を俺にも向けて来やがった
「なにか?」
「いんや〜、随分葵ちんには優しいんやなぁ〜と思って」
「そうか?特にみんなと対応は変わらんと思うんだが・・・手助けと言っても会ったら話すだけだしな」
葵は真っ赤な顔であわあわしている
「まぁ、そういうことにしといたるかな」
「そうね~。あんまりいじめすぎるとあれだもんね~」
「あんた、あとでじっくり話させてもらうから」
最後の吉祥寺さんの言葉に一抹の不安を覚えながら俺はリビングを後にした
なお、みんなが寝静まった後、なぜか俺はリビングで正座されながら吉祥寺さんに詰問されていたがそれはご割愛・・・
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