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第十話 フラグ回収

ガチャリ


ドアを開けるとみんなリビングでおもいのままくつろいでいた


「あら、葵どうし・・・・」


吉祥寺さんが固まっている

藤堂さんも本庄さんもあまりの驚きに口が半開きだ

なぜなら、不知火さんの後ろに俺がいたからだ


「お姉ちゃん、この人を管理人にしよう」


ん?


今この()はなんていった?


しかもお姉ちゃん??


「あ、葵?それはさっき断られたんだけど」


そうだ!その通りだ!


俺は心の中で断固抗議中だ


そしてお姉ちゃんの部分はスルーなんだな


「それは条件がある場合でしょ?条件を無くせばいいんじゃない?」


「「ちょっと待った!」」


俺と吉祥寺さんの声がきれいにハモった


「どうしたの!?こいつに何か弱みでも握られたの!?」


「なっ!?失礼な!!この短時間でそんなイベント起こるわけないでしょう!」


「うっさいわね!信用できるわけないでしょう!うちの葵に何したの!?白状しなさい!警察に突き出してやるから!」


「だから何もしてねぇって言ってんだろうが!そもそも俺が何かした前提で話を始めるのがおかしい!」


「だからそれが信用できないって言ってんのよ!葵は男嫌いなのよ!それがあまつさえあんたみたいなモブキャラ連れて管理人にするなんて提案持ってくるわけないでしょう!」


「誰がモブキャラだ!!俺がモブならあんたは婚期逃して後輩にねちねち絡んでくるお局様だろう!」


瞬間空気が冷たくなる


あっ・・・・


またやってしまった・・・・


気のせいかさっきより圧倒的に空気が冷えている


「・・・そう・・・どうやら物理的にも精神的にも死にたいようね・・・」


うん。これは殺されるわ

吉祥寺さんがまた般若へと変貌していく

死を覚悟した俺はゆっくりと目を閉じようとしたとき


「ぷっ・・・!くすくす・・あはは!」


お腹を抱えて笑っている藤巻さんが目に入った


「あ、葵?」


「モ、モブキャラっ・・・お、お局様・・・・ぷふっ」


どうやら俺と吉祥寺さんの言い合いがツボにはまったらしい


俺と吉祥寺さんはその笑いに気がそがれ言い合いをやめ床で笑い転げている藤巻さんを見ていた

ようやく藤巻さんの笑いが収まり、みんなダイニングテーブルに座っている


「・・・で?何がどうなったの?」


吉祥寺さんが俺を見ているがその質問は俺も聞きたい

俺が首を振ると不知火さんが


「や、鷹峰さんは今までの人と違うと思ったから大丈夫かなって」


まだ少し笑っている


「なんでなん?」


藤堂さんが聞いてくる

隣で本庄さんも頭の上に?マークを作っている


不知火さんが俺を見てくる


『言っていい?』と言う目だ


俺は諦めた表情を作って頷いた


「あのね・・・ODRあるでしょ?鷹峰さんもやってたみたいで」


「???」


?マークな般若(吉祥寺)


「実は同じギルドに所属してて・・・」


「「「はぁ!?」」」


うおっ!?全員が俺を見て驚いている

なんなんだ一体


「で、私がみんな以外で一番仲良くしているのが・・・その・・・鷹峰さんで・・・さっきもODR上で今日のこと相談してて」


ん?


ちょっと聞き捨てならないセリフがあったぞ


今度は俺が3人を見る


その目を見ておれは確信した


この人たちも同じギルメン(ギルドメンバー)だと


「・・・じゃあ、もしかして聡君が【ソウ】さんなの~?」


俺は無言でうなずく


「ほんまかいな・・・こんな偶然あるんか・・・」


「にわかには信じがたいけど・・・」


「私もまさかとは思いました・・・不知火さんと個チャで話してるとどこかで聞いたことがあるシチュエーションだな、とは思っていたのですが詳しく聞いていくと、あっ・・・これ・・・って」


「私もびっくりしちゃって心臓が止まるかと思った」


どうやらODR上では


ジョージ➝吉祥寺さん


レミー➝藤堂さん


ジョーカー➝本庄さん


だそうだ


しかし、まさか初期メン5名がここにいるとか世間狭すぎだろう


「まぁ概ね事情は分かったわ。あんたもなぜルールができたかは理解したかしら?」


「そうですね。概ねは」


ようは男嫌い、ともすれば男性不信の不知火さんがいる以上、接点を無闇に作るわけにはいかないということだろう


「まぁ、葵は可愛いからね。そういう標的にされやすいのよ。あんたみたいなモブキャラにね」


ふふんと笑う吉祥寺さんを見て思わず言い返そうとしたが何とか冷静になり


「私が狙うなら吉祥寺さんにしますけどね。中身はあれですが最高に美人ですし。しかもスタイル抜群で家事全般もできる。パーフェクトウーマンじゃないですか。中身はあれですが」


「な、、、、中身があれってど、どういうことよ!もう!・・・」


吉祥寺さんが顔を真っ赤にしている

あれ?この人可愛すぎないか?


ふと、隣から冷気を感じて見てみると藤巻さんがジト目で俺を見ていた

姉がたぶらかされているので怒っているのだろうか?


「と、とりあえず、今後のことを話し合いましょう」


「えっ?聡が住むことに決まったんちゃうん?」


「私もそう思っていました~」


おいおい。勝手に決めるな


「さすがに何の条件もなく住まわせるのはダメでしょう?」


「うちは特に問題なし」


「私も特に問題ありませんね~。ラッキースケベイベントが起こったときは・・・ですけど~」


あの間は怖すぎるだろう


ラッキースケベなんてお互いが気を付けていれば早々起こらんし、

俺はそんなギャルゲーの主人公みたいな特殊能力はない!


「私も特に・・・問題ないかな」


不知火さんもないのは意外だな


「葵、あんたほんとに大丈夫なの?四六時中こいつと同じ場所にいなきゃなんないのよ!?」


ひどい言い草だな


「そもそも私が住む前提で話が進んでいるのですがその件は?」


「えっ?だって聡さっき言ってたやん。条件が緩和されへん限りここに住めへんって。それって条件がなくなったら住むってことやろ?」


ちげえよ!住むかどうかを考えるだけだよ!と言いたいところだが、


ニコニコしている不知火さんを見ているとどうでもよくなった


「まぁ、、、別にいいですが」

キッと吉祥寺さんが俺をにらんでくるが無視だ無視


「・・・わかったわ。ただしお風呂や洗濯とかは時間を決めておきましょう」


「そうですね。あまりに理不尽でなければ大丈夫です」


またもやキッっと俺をにらんでくる


「まぁいいわ。今日はもう遅いし明日また話し合いましょう」


みんな頷いて今日は解散だ


部屋に帰った俺は日付が変わった後お風呂の許可を得てシャワーを浴びて速攻布団に入った

さすがにいろいろあって疲れていたらしく一瞬で意識が沈んだ


朝、起きてとりあえず部屋を出てリビングに行こうとするとネグリジェ姿の本庄さんと遭遇した


「おはようござ・・・」


寝ぼけ眼の俺は完全に覚醒した


そうネグリジェなのだ


ギリギリ突起している部分は見えていないが他は透けている影響でほぼ丸見えだ


「あっ、いや・・・」


本庄さんはにっこりとほほ笑んで、

思いっきり振りかぶった


その後出勤した俺に富倉さんが一言


「その大きなもみじはなんだい・・?」


「フラグ回収です・・・」


頭に?マークが出ている富倉さんをよそにもくもくと仕事にいそしんだ俺だった


お読みいただいて誠にありがとうございます。

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