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32 阿鼻叫喚へ

 新たに現れた人達はいろんな武装をしていました。

 ぱっと見ただけでも特殊警棒や木じゃないかもだけど木刀?のような物や盾を持った人もいますよ!

 勿論、銃を持ってる方もいらっしゃいます。

 でもそんな男達も、今の現状は予想外だったようで、


「なっ!?一体なにがどうなっているんだ!?」


 なーんて言いながら良いリアクションを見せてくれました。

 さて、2回戦の始まりですか。

 無理やり付き合わされるこの遊びは、まだまだ終わりそうに無いですね。

 私は男達がそんなおまぬけなリアクションを見せてくれる間にも小走りして近づくと、男の一人にローキックをプレゼントします。

 すると割りばしを割った時の音を10倍……いや100倍ぐらいかな?

 そんな感じの音がして男の足が関節の無い方向に90度ほど曲がってしまったまま、吹っ飛んで行って壁に激突しました。

 男はそのまま壁面をズリズリって落ちると動かなくなってしまいます。

 たぶん気絶してしまったんでしょう。

 そして私は手近にいた男の木刀?奪おうとしてソレを掴んで腕を高く上げました。

 すると何という事でしょう!

 男の身体も宙に持ち上ってしまいました。

 やっぱりこれは木刀じゃないと思います。

 木で出来ていたら絶対途中で折れてますよね?

 でも材質はよくわからないので取り敢えず木刀と呼ぶことにします

 それにしてもこの男の人もなんで木刀を掴んだままなんでしょうかね?

 放してくれてもいいのに。

 若しかしたらこの男に取っては大切な物なのかもしれませんね。

 男の人は木刀を手から離さずに空中で足をバタバタさせていました。

 その姿に少しだけ「くすっ」て来たので可愛そうだし奪うのは辞めておくことにしました。

 私は少し笑いながら手に掴んだ木刀を水平に振り回します。

 その結果として、なぜか木刀から手を離さない男の人も一緒にグルンと振り回される事になりました。

 なぜ手を離さないんでしょうね?

 不思議です。

 私によって振り回された男の人は当然のように周りの仲間たちを巻き込み、吹き飛ばしていきました。

 その人達の悲鳴のような声があたりに響き、コンクリートの床や壁に次々と叩きつけられます。

 周囲の男達を粗方吹き飛ばした私は、不要になった木刀から手を離しました。

 すると当然のように木刀を握っていた男の人も一緒に飛んでいき、丁度止まっていた車のフロントガラスに突っ込んで行きました。

 勢いは手加減して上げたので多分死んではいないんじゃないかな?

 たぶんね!

 そして辺りを見回すと、少し離れた人物が盾の陰に隠れて銃のような物をこちらに向けているのを発見しました。

 私は足元に丁度落ちていた特殊警棒を手に取ります。

 この材質は金属で出来ているのかな?

 それを私は「えぃっ」っと盾を構えている人物に向かって投げたのです。

 すると回転しながら飛んで行った特殊警棒は盾のど真ん中に大穴を開けて男の人のお腹に命中しました。

 男の人はお腹に特殊警棒を突き立てたまま短いうめき声を上げて倒れ込みます。

 ストライク!

 やったね!

 ソレを見届けた私は、次のターゲットは誰にしようかな、と思いながら周囲を見回しましたが……。

 もうマトモに立っている人はいませんでした。

 様々な格好で横になっている人の他には、スッカリ戦意を消失して座り込んでいる人が数人いるばかりでした。

 今の人で大体打ち止めのようですね。

 私はカエルのような格好で地面を這いずっている一人に近づくと、そのお尻をポコンとホンの軽く蹴って上げました。

 するとカエルのような声を上げ、白目を向きます。

 この人の前世はカエルだったのでしょうかね?

 でもまぁ聞きたい事があるので、人間に戻って貰いましょう。

 私は交渉事の基本である笑顔を向けつつ話しかけます。


「ねぇ、貴方?聞きたいことがあるんだけど?」


 すると何という事でしょう!

 折角笑顔で話掛けてあげたのに、とても文字には書き表せないような表情をし、声を発したのです。

 うーん。

 キューブリック監督の名作映画に『シャイニング』って作品があるじゃないですか。

 あれのクライマックスあたりで主人公のジャックが斧で扉を破壊するシーン、その時のウェンディが出してる声や表情とソックリだったのです。

 私を幽霊や猛獣か何かと勘違いしているんでしょうか?

 失礼な方ですね。


「……貴方は人の言葉が話せないのかしら?だったら用は無いんだけと」


 そう言いながら私は足元に丁度落ちていた木刀を手に取りました。

 この行為に特に意味があったわけではありません。

 ただなんとなーく拾ってみただけです。

 しいていえば材質が気になったぐらい?

 でも、私が見下ろしているこの男の人は盛大に何かを勘違いしたようです。


「わ、わかります、は、話せます。だ、だから、な、なんでもしますから助けて!」


 私の足元に這いつくばっている男の人は涙を浮かべながらそう懇願し始めました。

 って敵意がないならそれ以上何かするつもりはありませんよ?


「では貴方達の主人を紹介してくれないかしら?ちょっと言ってやりたいことがあるのよ。いいでしょう?」


 いつまでもこんな場所で遊んでいても埒が明きませんからね。

 定期的に身体を動かす事が健康に繋がると言うけれど、ソレはソレ、コレはコレです。

 久し振りの買い物を中断され、半ば無理やり遊びに付き合わされた私はとてもとても不快な気分で一杯なのでした。

 先程、なんでもしますって言いましたよね?

 だったら早く教えてください。

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