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31 オーバーキル?いえ、正当防衛です

 私を乗せた車が向かった先はとあるビルでした。

 そのビルの地下にある駐車場に入る車、暫くして軽い音を立てて車は止まります。


「この場所でいいの?」


 そんな私の言葉に怯えながら頷く運転手。

 私はニコリと微笑むと、


「ありがとう」


 そう言って、運転手の首筋を軽くたたきました。

 あ、そうそう、私も前はよく知らなかったのですが、よくドラマや漫画などで描写される首を叩いて気絶させるシーンがありますよね?

 あれって、無傷で気絶だけさせるのって、実はすごくすごーく難しいらしいのです。

 首と言えば人体の急所の一つです。

 そんな場所を気絶するぐらいの力で叩かれたら、多くは身体に障害が残るか、悪くすると死んでしまう場合もとか!

 そんなお話しを聞いたことがあるのです。

 怖いですよね。

 そんな事を思いかえしながらも、私は先程、首筋を叩いた運転手をじっとみつめました。

 薄目を開いたままピクリとも動かなくなっています。

 ……よし、無事気絶していますね。

 もし、もしの話ですよ?

 もし仮に怪我をしてたとしても治療費は多分、雇い主が払ってくれるんじゃないかな?

 ですよね?

 うん、分からないけどきっとそう!

 そんな事を思いながら車を降りました。

 そして辺りをキョロキョロと見回します。

 うーんと、エレベーターは……あ、あったあった。

 私はエレベーターに向かって歩き出しましたが……。

 その途中、不意に声が掛けられたのです。


「止まれ、女」


 そんな下品にも思える声がしました。

 よくよくみると、エレベータの周りには、私に手錠を掛けた男と服装がそう変わらない男達が沢山いたのです。

 でも私はその言葉を無視しました。

 もっと丁寧にお願いされたら聞いて上げたかもしれませんね?

 でもその物言いにカチンと来た私は、そのままエレベーターに向かって歩き続けます。


「さっさと止まれ!俺達の拳銃がお前を狙っているのが見えないのか?」


 うん?

 その言葉でよくよく相手の手元を視た所、確かに拳銃のようなモノを持っていますね。

 駐車場は暗めなので良く見えませんでした。

 うーん、銃か……銃ねぇ。

 正直な所、私は銃に対してそれほどの恐怖は感じてませんでした。

 とはいえ、撃たれたら痛いカモしれない、その思いが足を留めさせます。


「貴方達は誰?いきなり銃を向けるなんて、私を誰かと勘違いしてない?」


 そう言って私は微笑みました。

 対話の基本は笑顔から、そう教わってますからね。

 相手から失礼な態度を取られたからといって、それをそのまま顔に出すのは悪手なのですよ。

 ……でも、私のそんな態度はなぜか相手に不信感を持たれた様です。


「……そのまま動くなよ」


 私の質問には答えてくれず、銃を向けたままそんな事を仰います。


「私はそのエレベータに乗りたいだけなのよ。良いでしょ?」


 私はそう言って歩きだしかけましたが……。

 なんという事でしょう!

 そのとたん、乾いた音がして、私の足元からそう離れていない地面が弾け、コンクリートの破片が宙に舞ったのです。

 そして花火のような匂いが漂ってきました。

 そうです、相手が銃を撃って来たのです。

 ひどい!いきなり撃つなんて!

 その相手の行為に私は激怒した。 必ず、かの邪知暴虐の男達を除かなければならぬと決意した。

 なーんて、走れメロス風の一節を声に出さずに呟くと、私は動き出しました。

 まずは先程、私に向けて銃を撃った、あの男がターゲットです。

 私はスキル【スプリント】を使って相手に素早く詰め寄ると、相手の銃をもった手を腕ごと払いのけました。

 すると銃がどっかに飛んでいくと共に、相手の腕が外側に向かって180度ぐらい曲がるという面白い現象を目撃します。

 へー、人の腕ってそんなに曲がる事あるんだ。

 昔TVで見た、びっくり人間コンテストに出られそう。

 男は暫く何が起こったか分からない、そんな顔をして口をパクパクと動かしていましたが、突然、駐車場中に響き渡るような声を上げます。

 その声に反応するように、一部の人達が慌てて銃を構え直します。

 が、私もそれを黙ってみてはいません。

 私はその男達に突っ込むように駆け出すと数人を巻き込むようにキックをプレゼントしてあげました。

 5人、いや6人ぐらいかな?

 男達が纏めて吹っ飛んで、コンクリートがむき出しの壁に激突して動かなくなってしまいました。

 一人は身体がすごい方向に曲がったままピクリとも動きません。

 ヨガであんなポーズを見た事がありますが、人の身体って訓練次第ですごい曲がるモノなんですよね。

 私は残りの惚けたようにしている人達をキリッと睨みました。

 するとよほどびっくりしたのか、銃を落としてくれて床に「カシャン」と音を立てます。

 この人達には敵意は無さそう。

 そう思った私はそのままエレベータに向けて足を進ませましたが……。

 気が付くと、エレベータが丁度降りてきた所のようでした。

 そして中から、武装した複数の人達が降りてきます。

 ……どうやら、仲間が駆けつけてきたみたいですね。

 あーあ、メンドウな事になっちゃったなぁ。

 私はそう思って溜息を吐くのでした。

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