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27 王位継承の謎について

「うーんと、ね?」


「……うーんと?」


 私の言葉に、オウム返しのようにエディタが答えました。

 そんな一言でも元気が無いのが見て、いや聞いて?とれます。


「考えてみれば、私は貴女の事を全然しらないよね?ちょっと教えてくれない?両親などはどうなってるの?」


「そうですね……ではそこからお話ししましょうか。私の父はベルトラム、母はマルガと言います。父の家名であるヴェッシャー家は代々外交官を生業にしている、そう聞いています。ヴェッシャー家の本家は爵位を持っていますが、父は爵位をもっていません」


 ふーん。

 国王がいるって聞いた時にもしかして、って思ったけどやっぱり爵位とか貴族とかあるんだ。

 異世界では普通だったけど、元の世界でも残っている所には残ってるんだね。


「亡くなった母は先々代国王陛下の娘で父とは社交界で知り合った、そう聞いています」


 淡々と語るエディタでしたが、私はその発言にびっくりして聞き返します。


「えっ!?王家の血を引いてるの?じゃエディタも王族って事?」


「いえ、確かに私にも王家の血は流れていますが、古くからある貴族の家には多かれ少なかれ王家の血が入ってますよ。私は公式には王族とは見なされていません。一応、元老院が作成している継承順位には記載されていますが――これは100位ぐらいまで順位づけされている物でして……。ここに載っているイコール、王族扱いされているというわけでは無いのです」


 そう言って、このぐらい大した事ありませんよ、って感じで言います。


「……そうだ。確かゲルトルートの家も昔、王族がお輿入れした事があるって言ってませんでした?」


 急に話を振られた事にゲルトルートはびっくりしているようでしたが、コクンと頷くと、


「えぇ、昔祖父からそんな話を聞いたことがあるけど……でもそれは確かずーっと以前――何世代も前のお話しだったはずよ」


「この通り別に王族の血を引いている程度、あまり珍しい事では無いのです」


 ふーん。

 そうなんだ。


「じゃ、なんで前国王の遺言であんな重要な立場にいるか分からないんだ?」


「勿論です。あの遺言が本物だったとしたら何を思ってあのような内容にしたのか……前国王陛下はどうにかなってしまったとしか思えません。それを考えるとゲルトルートが先程言った通り偽物と考えた方がしっくりきますね」


 偽物だと思う事で幾らか安心するのかエディタの顔に幾らか精気が戻ってきます。

 でも私は偽物よりは本物の可能性が高いと思うんだよね。


「……取り敢えず遺言は本物だった、そう仮定で話を進めるわね?それだったら以前エディタの身に起こった事件もある程度納得がいくと思わない?」


 そう、あの車での誘拐未遂事件の事です。

 もしかするとその前の大使館テロ事件もそうだったのかもしれません。


「まさか……」


 私がそう言うと、可愛そうにエディタは先程幾らか良くなった顔色がみるみると悪くなり、また精気が無いような感じに戻ってしまいました。

 その様子に、ごめんね?

 っと心の中で謝っておきます。

 が、質問は辞めません。


「エディタがいなくなった場合、この遺言書に書かれている大半の出来事が無効になるでしょ?その場合はだれが国王になるの?」


「そ、それは多分ミケ殿下が……」


「その人がぁゃしぃって事はないの?」


「そ、そんな!殿下はそんな事をする方ではありません!」


 と、顔を膨らませながら否定しますが、よく見るとエディタの顔には汗がにじんで来ています。


「まぁ他の二人がぁやしぃって場合もあるけど……、所でエディタはその遺言に上がっていた三人のうちだれかと結婚する可能性はあるの?」


「私……私は殿下方がそんな卑劣な事をされるはずはないと信じています。それに……私はまだ結婚なんて考えた事ありません。それが殿下方なんて言われても……」


 そう言ってエディタは下を向いて押し黙ってしまいました。

 まぁ、普通に考えたらそうだよね。

 エディタはまだ高校生ぐらい?に見えるし。

 このままじゃなーんにも解決しそうにありません。

 うーん、どうしよっかな。

 そんな時、私に良い考えがひらめきました。


「ねぇ、やっぱりここでアレコレ言っていても時間の無駄だと思わない?」


「ですがいずみ様――」


 エディタはもう既になきそうな感じになっています。


「まって、最後まで聞いてね?だから確実に情報を知っている人に話を聞いたほうが良いと思うの」


「……そんな方いるんですか?」


「えぇ、いるじゃない」


 そう言って私はゲルトルートを見てニコリと微笑みます。

 私に視線を向けられたゲルトルートでしたが「えっ!?」と言って混乱している様子です。

 何を言われるかと、怯えているようにもみえますね。


「バルナさん、貴女のお父さんに聞いてみましょうよ。お父さんなら遺言書の中身も知っているはずよね?これなら確実にこの遺言書が本物かどうか分かるでしょ?」


 そして私は目の前のお茶を口に運んでひと息いれると、


「良い考えでしょう?」


そう言いながら二人に対してドヤ顔を見せるのでした。

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